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(WEB版)凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない!  作者: yuki
第二章 : 俺は絶対に絆されない!
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今、なんでもって


「先輩は普段、どんなゲームをしてるんですか?」

「俺か? 俺は色々だなぁ……格闘系から音ゲー、ああいう麻雀なんてのもやるぞ」

「いわゆる脱衣麻雀ってやつですね!」

「やらねぇよ! つーかなんでそんなもん知ってんだよお前!」


脱衣麻雀て……そんなもん、今のゲーセンにはないよ!

少なくとも俺は見た事がない……と、思う、最近ってないよね、脱衣麻雀って?

探せばあるのか? 探さないけど。


「えっ……やだ先輩、私と二人っきりで脱衣麻雀がしたいなんて……で、でも私はそんな事しなくても……先輩が望むなら……♡」


ちらり、とブレザーを肩から落として上目遣いでこちらをみる天音に、溜息しか出ない。

ほんとこいつは……。


「せっかくのお誘いではございますが、ご希望に沿うことができない状況です」

「もー! なんでですかー!!」


何が哀しくてお前とそんな事して脱がさねばならんのだ。

ていうか、俺が本気でじゃあ脱衣麻雀しようぜ! って言って麻雀牌取り出したらどうするつもりだよと。


……まぁ、そんなもん持ってないんだけどさ。



「あ! あれは知ってますよ太鼓のやつ!」

「あのへんは音ゲーでもメジャーなやつだしな、たまに店先にもあるし」

「ですねー、たまに女の子が楽しそうにドンドコしてるの見たことあります」

「あとはああいうダンス系が有名か? ダンスっていうのかあれ」


後ろで見ててもバタバタしてて、あんまダンスって感じに見えないんだけど……。


「へぇ……ちょっとやってみたいかも、楽しそう!」

「そうなぁ、楽しいんだろうけど」


ちらり、と天音の格好を見やる。

うん、スカートが短いね、膝上何センチだよお前。


「まぁ……今日はやめといたほうがいいんじゃね?」

「え、なんでですか? 明日ならいいんですか?」

「明日って……ちょっとは自分の格好、考えろよお前」

「格好って……あ」


気付いたか。

その短いスカートでこんなゲームをしたら、中身が丸見えになることに。


「くふふ! 先輩はー、見たいですかー、私のスカートの中!」


ただでさえ短いスカートを摘むように少しだけ持ち上げる仕草に思わず目を奪われ……ると思ったか馬鹿め!

そんな行為はとっくに音琴で経験済み・耐性獲得済みだ!


「別に」

「もー! 素直に見たいーって言ってもいいんですよ先輩!」

「見たくない」

「せっかく、今日は可愛いのなのに」

「…………」


み……見たくなんてないんだからねっ……!

天音がスカートの裾を直したけど、勿体ないなんて思ってないんだからねっ……!!



「で、先輩はどのゲームをしてるんですか?」

「あ、俺か? 俺はこの辺のだな、ギターのやつとか」

「へー! 先輩ってギター弾けるんですね! かっこいいです!」

「いや、全く弾けないぞ?」

「え、でもギターのゲーム、やってるんですよね?」

「ギターが出来なくても、遊べちゃうんだよなぁこれが」


そう、音ゲーと実際の楽器に、関係性などないのだ。

一時ギターゲーにハマりにハマって遊びまくり、「やだ俺ギターできるじゃん……かっこいい……」と一人悦に浸り、楽器屋さんで自信満々に試し弾きさせてください! と店員さんにお願いし……全く音が出せず途方にくれた俺と、それを眺める女性店員さんという……藤代一雪の哀しき過去が……


「ぬあああああ!!」

「ど、どうしたんですか先輩!?」

「い、いや、なんでもない……ちょっと昔の事を思い出しただけだ」

「はぁ、そうですか……いきなり大声出すんでビックリしちゃいましたよ」


だめだ、これ以上あの頃を思い出しては……中学生時代の、俺の封印されし過去!



「それより、天音ってゲームとかしたことないのか?」

「そうですねぇ、やったことあるのは……あれです、ブロックを積み上げて消すゲーム」

「ああ、テトリミノな」


テトリミノ。

それはロシアで作られた、7種のブロックを積み上げて、消していくゲームだ。

超有名ゲームなので、知っている人も多いと思う。

かく言う俺も、昔はヒマがあれば延々とブロックを積み上げて遊んだものだ……。


「昔、お父さんがやってたのを横で見てて、一緒に遊んだんですよねー」

「じゃあ結構得意な方だったりするのか?」

「どうでしょう、まぁそこそこ得意な方だとは思いますが……」

「ふぅん」


そんな話をしながら歩いていたからだろうか、ふと視界にテトリミノの筐体が目に入ったのは。

これ、ほんとどこのゲーセンでもあるよなぁ……既に定番というか……あ、そうだ。


「天音、テトリミノで対戦しようぜ」

「え、これ対戦とかあるゲームでしたっけ?」

「それがあるんだなぁ、最近のテトリミノには」


そう、いつの間にか対戦ゲームになっちゃったんです!


今では、全く別のパズルゲームとの対戦まで実現したんだから恐れ入る。

連鎖が楽しいあのゲームとの対戦って、結局成り立ったんですかね?

どうもゲームスピードが全然違う気がして、ゲームとして成り立つのかがよくわからない組み合わせだったんだけど。



「対戦かぁ……あ! どうせなら、何か賭けませんか?」

「何かってなんだよ……ジュースとか?」

「それもいいですけど……一回、何かお願い事を聞いてもらえる、とか!」

「そのお願いっていうのは、なんでもいいのか?」


例えば、明日の弁当はそぼろがいいとか。


「な、なんでもはダメです! あ、でもえっちなお願い……うーん……」

「どうしてお前の思考はすぐそっち方面に飛んじゃうの?」


頭の中ピンク色なの?

それともそうやって俺の事をからかってるの?

ほんとこいつは……そのうち痛い目にあうといい!


「ほら、とりあえず何をお願いするかは後でいいから、はじめようぜ」

「いいですよー! 対戦とか初めてなんで、ドキドキしますね!」

「じゃ、いくぞー……」



――――テトリミノの序盤には、開幕のブロック積みにテンプレートがある。


T字ブロックを確保しつつブロックを積み上げ、序盤のうちに最大火力を相手に叩き込め! というテンプレートだ。

これには落ちてくるブロックの順番によりパターンがいくつかに別れるが、基本的に目指す形は同じなので、覚えてしまえば簡単に作れるのだ。


ふふふ、そんなお約束もしらない天音が、俺に勝てるはずもなく。

自信満々に賭けをしましょう! なんて言ったことを後悔させてやるぞ天音……!


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凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない!
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