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一目ぼれ
「藤代 一雪先輩! 突然ですけど一目惚れしました! 私とお付き合いしてください!!」
これが奴、天音 二菜と俺、藤代 一雪のファーストコンタクトである。
もちろん、こいつはいったい何を言っているんだ、と思った。
初対面だぞ、お前は誰だ、と思ったのが一つ。
天音があまりにも可愛らしく、可憐な少女だったため、
何かの罰ゲームで告白しているのだろうと思ったのが一つ。
最後に、これはなんて美人局? とも思った。
当然である。
何せ、自分は特筆するべきところのない、平々凡々な男子高校生だ。
そんな俺を、天音のような美少女が好いてくれるわけがない。
……この告白を受け入れたら、裏から怖いお兄さん(年下)が数人現れて、
おいおい兄さん、何やんちゃしてくれてんの? と詰め寄られ
高価な壷やイルカの絵などを買わされるんだ、そうに違いない。
恐ろしい、都会の学園は本当に恐ろしいところだよ母さん……。
そんな俺が、彼女にした返答はもちろん――――