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攻城戦 7

ツイッター始めました。

詳しくは活動報告を見に来てください。良ければツイッターでもその日の感想や指摘をして、絡みに来てくださると嬉しいです。


「あんまり調子に乗らない方がいいよ?」


「くっ!」


日向が軽く魔力を体の外に放ち威圧の真似事をする。

本物の威圧には到底叶わないが勇者達を怯ませるのには十分だったようだ。


「やっぱり、佐倉さんは凄いよ。佐助より強いんじゃない?これならガウルさんも喜んで歓迎してくれるよ。ねぇ、やっぱり考え直そうよ。佐倉さんはあんな奴には勿体無い。それよりも僕の方が…」


「黙れ」


日向はついに殺気を込めて言葉遣いも気にせずにただ、思ったままの言葉を目の前の命知らずにぶつける。


「楓くんよりもお前達の方が良い?笑わせるな。

欲に目が眩んだクズが。楓くんの良さも何も分からない人間が私達に口出しするな。私は、楓くんの事が好きだ。優しい彼が好きだ。仲間思いの彼が好きだ。私達が夜這いに行っても私達の体の事を思ってくれる彼が好きだ。力に溺れてるお前達よりもずーっと強いのに変わらない彼が好きだ。そんな彼を侮辱したお前達は決して許さない」


日向は更に強く、そして 冷たい目で勇者達を見る。


「ヒナタ…」


ミルも日向の豹変っぷりに驚いている。いつもあんなに明るくて優しい女の子がここまで荒い言葉を使い、そして堂々と楓の事が好きだと宣言した。


「私も負けてられませんね」


ミルは自然に口からそう漏れる。それは戦いの面で負けられないと言ったのではない。


愛する楓の為にここまで怒りを露わにしているのだ。

自分ももっと楓に尽くそうと、日向に負けない位楓を愛そうと、そう心に誓ったのだった。


「や、やれやれ。もう何を言っても無駄みたいだね。大人しく付いて来ていればまだ幸せに犯されたかもしれないのに。もう無駄だよ。楓の事を忘れる位いじめてやるよ!!!」


勇者のリーダーはそういって手に持ってる剣を振りかぶる。


「遅い」


「な、なに!?」


何時いつの間にか日向の片手には例の杖が握られており魔法を発動してリーダーの体を拘束する。


「っち魔眼!」


「効かない」


勇者達は一応みんな勇者特有の固有スキルを持っているらしくリーダーは魔眼で日向の魔法を解こうとする。

ちなみに固有スキルを発動させられるのは彼を入れてたったの三人だけだ。


まだ、使いこなせていない者が多いようだ。


「前に一度ミルに魔眼を使ったでしょ?何も対策してないと思った?」


「クッソ!」


すると左右から残りの近接戦闘の出来る勇者が挟み込み剣を振りかぶる。


「ねぇ、本当に勇者だよね?毎日訓練してる?」


思わず日向はそう聞き返す。残りの二人は最初のリーダーよりも振りかぶりが遅かった。


二人はリーダーと同じく拘束される。


「力に溺れるって言ったけど弱すぎて話にならないね」


日向は終始冷たく冷めた目でそう勇者三人に言い放った。


「クッソが…ちょっと強いからって粋がんなよ」


「今それが言える立場?散々私達にあんな事言っといて」


日向は大きな火の玉を作り出す。


「死にはしないだろうけど、それに近い経験をしてきなよ」


それだけ言って魔法で三人を持ち上げていく。


「ちょ、ま、待て!」


流石に怖いらしく日向に待つように助けを求める。


「無理」


日向はそう冷たく断りそのまま放り込む。


「さて、じゃ次は君達の番だね」


日向はただ淡々とそれだけを発して杖を構える。


二人の勇者はさながら日向を悪魔か何かに見間違えているだろう。


ビビりまくって声すら発せていない。


「はぁ、あそこまで言っておいて結局はそこまでなんだね。やっぱり君達は勇者に向いてないよ。他の人に迷惑をかける前に勇者をやめたら?」


それだけ言って二人には雷魔法を使って気絶させる。


「ふぅ、おわったー」


全て終わるとまたいつもの日向に戻って大きく一度深呼吸をする。


「お疲れ様です、流石に私もびっくりしました。

でも、張り合いのあるライバルで良かったです」


「あー、確かにちょっと怒り過ぎたかも…でも私が怒らなかったらミルが、いやこの中の誰かがやってたよね?」


「勿論です、私も危なかったです」


「もし、ヒナタ様かミルテイラ様があの場に出ていかなければ私が行っていたかもしれません」


「私もアウラと同じ意見です。ヒナタ様、格好良かったですよ」


「あ、ありがとう。何だか照れちゃうな…」


四人の仲が今、更に高まった気がした。アウラやサクラも日向のあの啖呵に感動していた。


この攻城戦が終われば、楓の妻やメイド関係なく四人は仲良くなっているだろう。


「さて、多分相手は私達に気付いているだろうし遠慮なく正面から突破していこう!」


「「「おー!」」」


こうして四人は敵の本陣へと足を踏み入れたのであった。




〜一方その頃〜


「カエデは愛されてるね」


「あ、あぁ。日向が俺の為に…やばい超嬉しいけど超恥ずかしい」


楓の顔は真っ赤である。


今ここには楓とアルしかいない為楓も遠慮なく照れている。


なぜ、日向たちの光景がわかるかと言うと二人は本陣で待機しているだけで全く面白くないのでせっかくだから日向たちの頑張っているところを見ようと楓のスキルで日向達を第三者視点でモニターに映し出しているのだ。

勿論楓のスキルで。


「それと、ヒナタを怒らせない様にしないとね」


「あぁ、あれで怒られたら俺耐えられる自信ないな」


男性二人は日向を怒らせてはいけないと心に誓うのであった。

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