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ランクアップ試験 1


シルク達に襲われたのを返り討ちにしてから約二週間がたった。あの後すぐに王城に行き事の顛末をバルバトスに話して対処してもらった。後処理は任せろと言ってくれていたのでこれでもうこちら側は何もしなくていい筈だ。それで楓と日向にはCランクアップ試験の打診が来ていたのだがせっかくなら4人全員で受けたいとの事でミルがCランクアップ試験の打診が来る迄待っていたのだ。そして今日、漸くミルのランクアップ試験の打診が来たので4人揃って試験を受けにいく。


「なんか、ワクワクするね!」


「はい!」


女性陣は楽しそうである…が、


「はぁ、この試験って別の奴らも受けるよな?面倒臭ぇ」


「ほんとだね。羽虫がいっぱいいそうで面倒臭いよ」


男性陣はこれから起こるであろうゴタゴタに対してあまり乗り気ではなかった。


何故、ここまで二人が考えるかと言うと普通Cランクアップ試験の打診が来る迄冒険者を3年は最低でもやっていかないと実力的にも経験的にも足りない。


それを楓達は早くてミルの三週間、遅くても楓達の3ヶ月と他の冒険者を大きく上回る速さで出世をしているのだ。


そりゃベテラン勢からすれば面白い筈がない。


「これから2日間、何も起こりませんよーに」


楓とアルは切実にそう願うのであった。ちなみに今回のランクアップ試験では野営も点数に入る事になっている。まぁ、みんなに一応例のテントを渡してあるので野営はそこまで心配していない。マリーはお留守番だ。家のメイド達とクランハウスを留守にする間守っておいてもらう。


「あのー、Cランクアップ試験会場ってどこですか?」


楓は冒険者ギルドに着くなり受付嬢へと質問する。


「はい、それなら3階の会議室Aの部屋です。もう皆さんお揃いですのでお急ぎ下さい」


少し急かされながら楓達四人は三階の会議室Aの部屋へと足を踏み入れようとする。


「はぁ」


「まだ、そんなに憂鬱なの?」


「大丈夫ですか?」


二人は心配してくれているが主に君達が可愛過ぎるから変なトラブルが増えるんですけどね。


「まぁ、言っても2日間だけだしな。我慢して人付き合いでなるべく波を立てない様に頑張るよ」


楓はダルそうに二人に伝える。そして今度こそ本当に足を踏み入れると…


人数は楓達四人を除いて5人だった。青年3人組と一人ゴツいおっさん。後一人は魔法使い?らしき男の人だ。フードを被っているがその年はまだアルの見た目と同じ位だった。男ばっかりだな。


「君達が最後の様だね」


「おっせーな。さっさとしろよ」


いきなり3人組の2人が楓達に絡んできた。スルーする。こんなのにいちいち反応してたら流石に楓でもたまったもんじゃない。出来るだけ迅速にランクを上げて行きたいもんな。


「ッチ!」


青年はそんな楓の態度がお気に召さなかったらしい。まだ試験官が来てないから遅刻じゃないしそこまで嫌がられる謂れは無い。


他の冒険者も楓達の方を見て何やら妬む視線を送りつけている。さっき迄テンションの高かった日向とミルもすっかりその空気に飲まれている。


「はぁー眠い。日向試験官が来る迄寝るから起こしてー」


「はーい。あ、旦那様肩使う?」


「あ、ずるいです!」


上手く二人のテンションが戻って来た様だ。楓は遠慮なく二人に挟まれてウトウトと船を漕ぎ始める。その隣の二人は幸せそうにそれを見守る。更にその後ろからアルが3人を見守る。


という毎度お馴染みの事が起きていた。が、他の男の冒険者からすればたまったものでは無い。両手に花とはこの事だ。しかも超絶綺麗な花である。さっき以上の嫉妬と殺気のこもった視線も楓だけに向ける。器用なものだが日向もミルも分かっているが、あまり気にしない。二人は楓さえ元気にしていればそれでいいのだ。


当然仲間であるアルもだが、アルはどちらかというと楓を落とす為のアドバイスをたくさんして貰っている為どちらかというと執事に近い感じかなーと二人は思っていた。


それから約10分後に試験官はやって来た。それと冒険者が数人いた。Bランクパーティーで、この街ではなかなか有名な人達らしいが、そもそも楓達はあまり他の冒険者には興味がない為あまり凄さは分からなかった。まぁ、他の冒険者の羨望の眼差しを見るにそこそこ他の冒険者達からも慕われてる冒険者なのだろう。


護衛とかかな?


「今回のランクアップ試験官を務めるのは俺だ。試験内容はここから徒歩で1日かかる所にいるオークの狩りだな。一人で15匹は狩ってもらう。それ以上は加点とする。パーティーを組んでもいいがメンバー一人につき20匹を狩ってもらう」


パーティーが許されるのなら問答無用でいつものメンツでいく。例の三人組が、日向とミルを狙っていたが儚く散っていたよ。


俺達にしたらオークの5匹なんて誤差にもならないからな。どうせ剣の一振りで、かたがつくのだから。


「では、全員1時間後、門の前に集合だ。野営の準備もしっかりしておけよ」


との事で一時解散となった。楓達四人は特に買い物も必要無かったのでそのまま会議室で時間になるまで日向とミルとイチャイチャしていた。アルはずっと面白そうに見ていた。


こいつも見た目は20歳前後だけど本当の年齢は4桁なんだよなー。俺達にとってアルってお爺ちゃん的な存在なのかもしれない。



それから1時間後、楓達はまた難癖つけられるのも面白く無いとの事で少し早めに門の前で他の冒険者を待っていた。


「あーあ、ランクアップ試験がオーク討伐なんてあんまりじゃないかな?」


「いや、多分オーク討伐は副産物でしか無いのだろう。多分他にも何かある筈だ」


「そうだね。オーク討伐だけならDランク冒険者でも出来るからね」


「では、オーク討伐より他の事に気を使って行動した方が良さそうですね」


別にオークならDランク冒険者でも狩れるだろうが数がそこそこ多い為それだけで試験と言われても分からなくも無いのだが何か決定力に欠ける気がする。オーク討伐ならBランク冒険者なんて必要無い筈だからな。


少し気を付けた方が良いだろうな。


少し待っていると一人、また一人と門の前に集合してきた。最後に試験官とBランク冒険者のパーティーが来たので、出発する。馬車を使わないのも一つの試験の内容に入っているのだろう。


「はぁ、いつもなら30分もしないうちに着くのに…」


「まぁまぁ、たまには景色を楽しんで行きましょうよ」


日向は少し面倒臭そうだがミルがそれに対して励ます様に声をかける。


先は長そうだ…

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