とある騎士の日常
お久しぶりです。
最近何かと忙しく、更新があまり出来ず、申し訳ございません。
ちょっと今衝動的に新作と言えるかわかりませんが違う物語を書いてて、それが楽しくて楽しくて、こっちまで手が届いてないんです。
もう少ししたら燃え尽きると思うので、それまで気長に待ってくださると嬉しいです。
多分、いいところまでかけたら今書いてるものもあげるかもしれないです。
あと、8月からはまた新たな試みとかもしていこうかなと思ってますので、もしよろしければこれからも応援の方よろしくお願いいたします。
ps. ルーナのデートはまだあと一話続く予定です。
一般騎士視点
ストレア中立都市で災害級の問題があり、現在王都には騎士団長様や宮廷魔術師長様が不在のため、若手の俺たちの士気が下がってしまうのは正直仕方のないことだと思っている。
訓練も普段は騎士団長様が直々に私たちを見ていてくださり、正直俺たちのグループは割とエリートどころが多いので、よく目にかけていただいているのが、今はそれもないため少しだけ気が緩んでしまっている。
まだ、残り一週間は最低でもストレア中立都市でお仕事をされる予定なので、俺たちは俺たちで各自事務作業や、城下町の見回りなどに向かうのだが、今日はとある事情があってその予定も全て無くなった。
というか、全てベテランの先輩たちの方にそっちの仕事が移り、俺たちはなぜか訓練場で他の騎士や訓練生たちと共に模擬戦をしたり、各々自分の課題に向かって頑張っていた。
「なぁ、なんで今日俺たちがこっちにくることになったんだ?」
俺は休憩中にそんな質問を同期のやつにした。
こいつは俺のいわばライバル的存在であり、若手では俺とコイツが頭一つ抜けていると言ってもいいと思う。
これは決して自惚れなどではなく、自他ともに認める事実である、
現に、二人とも男爵家の次男ではあるが、そんなことは関係なしに色んな人に頼られるようになってきたし、最近では指揮官としての勉強とかも先輩の指示で始めていたりする。
「なんでも、元騎士団長様とその旦那様が顔を見せにくるらしい。それで、若手や訓練生たちに刺激を与えるためにここに集められたって感じだそうだ」
「ルーナ様か。久しぶりだなぁ……天狐族って聞いた時は驚いたけど、ヒストリア様とお二人は王宮でも高嶺の花って感じだったよな」
「だな。俺はヒストリア様の派閥だったけど、お前は確かルーナ様の派閥だったよな」
「懐かしいな。ま、それも全て取られたわけだけど……」
俺はそう言いながら、思わず項垂れた。
そう、当時ようやく仕事にも慣れ始め、ルーナ様と一緒に仕事をさせていただく機会があったのに、その時にはすでにルーナ様に意中の相手がいらっしゃったのだ。
それを知った時には嫉妬の炎で燃やされて……夜な夜な枕を濡らす羽目になったのだが、最近それも忘れ始めていたのに、少しだけ胸がチクッとした。
確かに俺がルーナ様の隣に立てるとは思っていなかった。
というよりも、誰もルーナ様の隣が似合う奴なんていないと思っていたのに……
「それで、いつ来られる予定なんだ?」
「お昼過ぎてからってさっき連絡が来てたらしいけど……ってあれじゃね?」
同僚がそういうと同時に入り口から、あのお綺麗なルーナ様と忌々しきカエデ殿がやってきた。
その瞬間、さっきまで緩かった空気がキュッと引き締まるような感じがした。
きっと、カエデ殿とルーナ様の空気感に威圧されているんだと思う。
かくいう俺も、カエデ殿たちが視界に入った瞬間、どことなく体に緊張感が走っていた。
「いやーここに来るのも久しぶりだな」
「私も、最近あまり来れていなかったが……うん。カエデ、やっぱり今日来て良かったよ」
「それなら良かった」
ルーナ様は俺たちを一瞥すると、頷いてカエデ殿にそう言っていた。
今日きて良かった? つまり、ルーナ様も俺たちに会いたかったんだろうかっ!
「ガルバン! 俺、生きてて良かったよっ!」
「お前が何を考えているか、よくわかるがきっとそこまで甘くないと思うぞ。ほら、ルーナ様の顔が険しい。この意味、お前ならよくわかってるだろ?」
「た、確かに……」
ルーナ様が騎士団長だった頃、たまにお顔が険しく機嫌があまりよろしくない時があったけど、その時は軒並み訓練が地獄と化していたはずだ。
ルーナ様信者であるこの俺がそんなことを見逃すとは……
というより、これは信者かどうか関係なく俺たち王国騎士や訓練生たちはみんな知ってることか……
俺が盲目すぎたわけだが……今日に限っていえば、お隣には悔しいがカエデ殿がいるから、そこまで地獄になることはないと思う。
俺がそんなことを考えていると、今ここにいる中で一番地位が高い先輩が2人に挨拶を済ませて、一度集合することになった。
「皆、私のことは見覚えがあると思うが、一応自己紹介しておこう。以前まで、このデスハイム王国で騎士団長を務めさせていただいていた、ルーナと言う。今日は数時間だけだが、また私が皆を指導させてもらうことになった。よろしく頼む」
ルーナ様がそういうと、俺たち騎士や訓練生たちは揃って頭を下げて「よろしくお願いします」と挨拶を返した。
俺たちの中で、今のグレン騎士団長も偉大な方だが、ルーナ様はさらに偉大な方であり、その美貌と強さでこの王都を守り続けていたことは、非常に有名なことである。
そのため、今日が初対面の訓練生たちも憧れや畏敬の念を抱いているのか、俺が初めてルーナ様を見た時と同じように目をキラキラさせて喜んでいた。
それと同時に、今の俺と同じように隣にいるカエデ殿を見て少し残念そうにしていた。
「私はクラン『無限の伝説』のクランマスターをしています。楠木楓です。今日はルーナのサポートをしますので、何かあれば僕の方にも相談してきてください」
カエデ殿は甘いマスクでそういうと、にっこりと笑みを浮かべられた。
それだけで、女性陣はうっとりとし、なんならそのまま恋に落ちたんじゃないか? と思われるような人もいたが、ルーナ様はそれを見てムスッとなさった。
それが可愛くて、それと同時にそのお顔をされるのがカエデ殿だけだということに気づいて、さらに心が抉られた。
もう割り切れたのに、またこうしてルーナ様にお会いできてしまったおかげで、好きだった頃の気持ちが再発してしまったんだと思う。
これ、結構しんどいなぁ……
「まず、そうだな……今日はあまり時間もないため、二つのチームに分かれて手合わせをしようと思う。最初はAチーム対私、その次がBチーム対カエデだな。武器は好きなものを使ってもらっても構わないし、スキルや魔法も自由とする。私はこの剣を使わせてもらおう」
ルーナ様は的確に練習メニューを伝えると、後ろに立てかけられていた訓練用の剣を持たれた。
今、この場には100人ほどの騎士と訓練生がいる。
それを二つに分けるということは、お二人は1対50で戦わないといけないはずなのに、2人ともとても余裕そうにアップを開始された。
その姿に、俺たちは悔しさもそうだが、逆に全力で倒しに行こうと今までにないほど一致団結することが出来そうだった。
絶対に、一泡吹かせます! ルーナ様!




