ルーナとデート 2
最近大学が忙しくてまともに小説を書けていません。申し訳ないです。
「ルーナ、ここって?」
楓はルーナに案内されるまま、歩みを進めて行くと丘の端へとやってきた。
そこはデスハイム王国の王都が一望できるところであり、その先端には膝あたりの小さな石が建てられており、まるでお墓のような感じであった。
「ここは、私とヒストリアの友達の墓だ。デスハイム王国に来る前に亡くなったのだが、きちんとした墓を作れなかったから、ここにヒストリアと一緒に作ったんだ」
「……初めて聞いた」
「ヒストリアはあまり考えないようにしているみたいだし、私も今まで言う機会なかったしな。ただ、やっぱりずっと黙ってるのも嫌だったし、このタイミングで来れて私は嬉しい」
ルーナは少しだけ悲しそうな顔をしながらも、もうすでに吹っ切れているようで、あまり引きずってはいないようだった。
それでも、こうして今になって話をしてくれたことを考えると、軽く笑って済ませられるような話でもないのは確かである。
なので、楓はルーナに許可をもらうと、そのお墓の前に座って手を合わせた。
「初めまして。二人の夫の楓です。ルーナとヒストリアは、僕が責任を持って幸せにします。天国で二人のこと、見てあげてください」
楓は、二人の友人であった人に祈るようにそう言った。
今楓は後ろを向くことはしない。
きっと、ルーナも涙目になっている姿を楓には見られたくないだろう。
そんなわけで、ルーナの目から涙が消えるまで、楓は黙ってお墓の前で、二人の友達の来世の幸を祈り続けるのであった。
「カエデ、ありがとう」
「こちらこそ、話してくれてありがとう。辛かっただろ?」
「さっきも言ったけど、もう振り切れたことだし大丈夫だよ。今はあいつのためにも私とヒストリアは幸せにならないといけないから、後ろを振り返っている暇はないんだ」
ルーナはそういうとニコッと笑みを浮かべた。
少しだけ悲しい空気になってしまったが、王都を一望できるこの場所は意外と居心地が良く、お墓の前で不謹慎かもしれないが楓はどこか心が安らいだ。
お昼からのプランを一応決めていた楓ではあったが、まだ時間は全然あるのと、ここでゆっくりするのも悪くないということで、二人は少しお墓から離れたところでゆったりとした時間を楽しむことにした。
「それよりも、今は騎士団の方が心配だよ。一週間前のことでストレア中立都市に優秀な王国騎士はみんなストレア中立都市に向かっているからな。怠けていないか少し不安だ」
「あーなるほど……久しぶりに顔出しに行く?」
「いいのか? せっかくのデートなのに……」
「俺はルーナといれたらどこでもなんでもいいから、気にしないでいいよ。それに、たまには二人で気兼ねなく戦うのも悪くないんじゃない? 訓練してる騎士のみんなにもいい刺激になると思うし」
「それなら……早速行こうか」
ルーナはそうと決まればと、早速騎士団の訓練場の方へと向かおうとするが、楓はそれを静止する。
「っと、その前に……お昼ご飯食べて行こう。俺が作ってきたから」
「カエデの手作り?」
「あぁ、スキルとか何も使わず作ってきたから美味しいかどうかはちょっと不安だけど、その分愛情を入れてきた」
「すっっっっごく嬉しい。実は、もう少しだけ二人でいたいなーって思ってたし……」
楓の作ったお弁当を見ながら、ルーナは頬を赤らめながらそう告白した。
もちろん、楓はルーナのその気持ちを察して今お昼にしようと提案したので、当たっていてよかったと楓も心の中でほっとする。
ルーナは体を動かすのももちろん好きなのだが、こういう時は二人でたくさんイチャイチャしたい派なのである。
そのバランスは絶妙なもので、この後は先ほど言っていたように騎士団の訓練場の方に行くし、それに関してルーナから異論はない。
ただ、せっかくのデートなのでもう少し楓と二人の時間を楽しみたいというのも事実なのである。
「最悪、騎士団の方は一通りデートが終わった後にみんなで行くのでもいいしな。今日はルーナのためのデートだし、ルーナが最優先だ」
「ありがとう。騎士団の方は私も体を動かしたいし、もう少しだけここでゆっくりしてから行きたい」
「了解。ま、じゃあとりあえずお昼食べるか」
楓はそう言って、大きなお弁当を開けた。
二つ別々に用意してもよかったのだが、せっかくなら一つのお弁当にして二人で仲良く食べたいと思ったので、大きなお弁当箱を用意して仲良く食べ始めることにした。
「全然スキルを使わなくても美味しいじゃないか」
「ならよかったよ。前から料理は好きだったから、少しだけ慣れているというのはあるな」
「少しっていうレベルじゃないと思うが……私が用意するべきだったのだが、楓に作ってもらうのも悪くないな」
ルーナは悩ましそうに葛藤した様子で楓の作ったお弁当を食べていた。
本来であれば、ルーナがこういったものを用意して、楓に振る舞いたかったのだが、ルーナはあまり家事が得意ではなく、どちらかというと『無限の伝説』でも戦闘要員の立ち位置なので、意外にも女の子らしいことが苦手なのである。
元騎士団長だったため、抜群のカリスマとリーダーシップは備えているが、家事などはヒストリアにも負けてしまうのである。
本人もその辺りは気にしているため、楓もあまり突っ込まないが、このギャップがまた可愛いのである。
「美味しくできてたのならよかったよ。ほら、こっちもおすすめだよ」
「むぅ、なんか逆な気がする……私もカエデを餌付けしたい」
「餌付けされてる自覚はあるんだ……」
楓は少し呆れた様子でそう言った。
なんだかんだ、その後一時間ほどゆっくりとお弁当を食べながら、楽しく話に花を咲かせるのであった。




