表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/482

迷宮探索 14


前の階層迄は言わばサービス階層だったのだろう。何故そう思うかって?


第二十階層に来たがまず門から言って全然やる気が違う。なんだこの禍々しさ。前迄の門が安っぽく見えてしまう。面白そうだな。


「なんか、凄いね…」


「あぁ、多分ここから日向は手を出さない方がいい。変に攻撃してタゲもらったら酷い目にあうぞ」


「分かってるよ、多分私何も出来ないと思うから」


何せ歴代でもここまで来られたのはいないらしいからな。流石にまだ日向では荷が重いだろう。


だが、なんというか…ゲーム感覚が抜けないんだよなー。なんだか体を動かして遊ぶアトラクションみたいだ。それだけにあまり危機感が俺にはない。日向の場合はこの門の中から醸し出されてるオーラで気を引き締めてるみたいだがどうも俺にはその感覚が分からない。


『マスターの場合色んな耐性スキルがパッシブ化されてますから』


なるほど。道理で緊張感がないわけだ。


「さて、じゃあ行くぞ」


「う、うん。なんか緊張するな…」


「戦うのは俺なんだから大丈夫だ。後ろで見ててくれたらいい」


「分かったよ。頑張ってね」


「あぁ」


そう言って俺は禍々しい門を開ける。


「ッ!」


日向は『ソレ』を見た瞬間何故だか無性に恐怖に駆られた。


『ソレ』は誰が見ても日向と同じ反応になるだろう。いや、日向も持っている方だろう。普通の冒険者なら気を失っている。


何せ圧倒的なまでの恐怖のオーラをその身に宿していたのだから。第十階層で見たゴーストキングなど可愛く見えてくる。


日向は心が折れそうになっていた。膝が笑っている。だが、俺の前で情けない姿は極力見せたくない。だから耐えている。俺が終わらせる迄。


日向も流石に俺もこの恐怖には抗えないか?と思ってしまうだろう。


「なんだあれ?あぁ第十階層にあんなのがいたな?何が違うんだ?」


俺はケロっとしていた。日向は少しむすっとしていた。自分がこんなに耐えてるのに何ケロっとしているのかと。そんな事を考えていると何故だか無駄な力が抜けあまり怖いと思わなくなった様だ。


それが俺の狙いだとは知らずに…


『マスターも時々女の子に気を使えますね』


五月蝿い。流石に日向があれではこれから後十階層が可哀想だからな。こんな所で折れて良いような奴ではない。


それより、よくも日向を虐めたな。俺はお前を許さん。とりあえず鑑定をさせろ。


ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー

エルダーリッチ

種族 アンデッド

体力 1500

筋力 500

敏速 800

知力 1800

魔力 2500

幸運 100


スキル

魔法 Lv10

魔力操作 Lv4

身体強化 Lv2


ユニークスキル

恐怖の波動

浮遊


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これが歴代で倒せた者のいない魔物か、ゴーストキングと何が違うのかよく分からんが恐怖の波動とやらで日向を虐めているのだけは分かった。とりあえずそれは止めろ。


エルダーリッチ以上の波動を放ちエルダーリッチを黙らせる。そのおかげで日向はあまり恐怖心を抱くことはなくなった。


まぁ多少はエルダーリッチ本体のせいで怖い思いをしているだろうが…


あまりグダグダしてると日向の精神衛生上良くないな。

俺はエールルンをその手に持つ。構えはしない。ただぶら下げて持っているだけだ。エルダーリッチは物理攻撃減少を持っているのにもかかわらず近接戦闘を行おうとする俺である。


それは俺なりにエルダーリッチに対する挑発を考えた結果だ。日向を虐めたのは俺の中で許される事ではなかったのだ。


「所詮アンデッドの分際で俺の仲間を虐めてるんじゃねぇ!」


俺は若干キレながらエルダーリッチに攻撃を仕掛ける。エルダーリッチはさっきの俺の恐怖の波動を食らっていた為反応が大いに遅れた。


が、流石は第二十階層を守ってるボスだけある、俺が近づいて来たのを察知すると何やら手から闇の球を何回も出してきた。


闇球(シャドーボール)ですね。まぁ威力は高いですが。あれに当たると普通なら何らかの状態異常にかかるのですがマスターは大丈夫です』


じゃあそのまま突っ切っていこう。あくまでも攻撃のヘイトは俺に向けてもらう。日向にヘイトが向いたら大変だからな。


そしてエルダーリッチの右腕に向かって剣を振るう。


「グキャ!!!」


エルダーリッチの右腕が体とおさらばしたと同時にエルダーリッチは痛みを感じ叫び散らす。


「煩いな」


『誰のせいですか…』


いや、まぁ俺のせいではあるが、だが一発で終わらすのも面白くないじゃん?物理攻撃減少があるくせに全くその意味がなく体を引き裂く事によってエルダーリッチに日向に何をしたかを覚えさせる。


『たまにマスターって黒い部分が出ますよね?』


俺は元から性格がねじ曲がってるからな。今さら性格が良いなんて言われようとは思わない。


だからとことんいじめてやる。


それからエルダーリッチの猛攻撃を時には剣で流し、時には避け、時にはそのままエルダーリッチの攻撃をもろで食らうが全く効いている気配がない。そしてエルダーリッチは左腕、右足、左足の全ての四肢を失い、本来再生するのだが俺が聖属性を剣に付与させていた為それすらも叶わない。


エルダーリッチもこんな人間如きにここまで酷くあしらわれるとは思わなかっただろう。こいつも最初に日向に手を出さなければ俺も一発で終わらせるつもりだったのに余計な事をして自分の存在感を出そうと思った為に無残にやられる事となったのだ。


「これで終わりだ」


最後にエルダーリッチの首を刎ね、全てが終わった。


「お、ドロップアイテムだ」


それは水晶みたいな物で相手の魔力の『色』を見る事が出来る、俺には必要ないアーティファクトだった。


日向は何故か俺の戦いを見て心が暖かくなったらしい。

俺が終始日向に気を配りながら戦っていたのが分かったからだ。


それに最初に私が怖くなったから楓くんが怒ってくれたんだ。やり方は良くないし子供っぽいけど私の為にあそこ迄やってくれるなんて嬉しいな。


日向は頰を赤く染めながらそんな事を思っていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ