会談開始 1
更新が遅れてしまってごめんなさい!
実は先週インフルエンザに苦しめられていました。
それに加えて、これから受験期ということもあり、今後は毎週月曜日の週一更新にさせていただこうと思っております。
更新頻度を一気に落としてしまうことになりますが、勉強も小説もどちらも頑張っていきたいので、快く応援してくださると嬉しいです。
たまに更新日時が変わるかもしれませんが、それはTwitterの方で呟かせていただこうかなと思っておりますので、そちらもたまにチェックしてくださると嬉しいです。
会談当日、楓は集合時間きっちりにバルバトスの前に姿を現した。
ちなみに、日向たちはすでに楓とバルバトスの護衛のために別で集合している。楓よりも先に部屋から出て行った時は楓も驚いたが、それだけ今日の会談は大切だということでもあった。
まぁ、正直なところ楓一人でなんとかなる気がしないでもないが、そこは対面的なところと一国家としてのバルバトスたちのメンツを保つために必要なのである。
「カエデ、今日は頼む」
「わかってます。お互い頑張りましょう」
楓とバルバトスはお互い向き合うことなく、会談の場となる塔の方を向きながら、それでもはっきりとした声量でそう言い合った。
楓とバルバトスの周囲には他の国の王と楓と同じような護衛、そして日向たちと同じように周囲を見張っている他国の護衛たちでまだ塔の中に入っていないのにもかかわらずかなりの人数となっていた。
中にはすでに戦闘を仕掛けてきそうな奴もいたが、まだ公の場ということもあって王の方が必死に止めていた。
さらに言えばここで攻撃を仕掛けようものなら周囲の護衛たちにリンチにされてしまうので、やろうと思ってもできないという理由もあった。
中に入れば、王様は一つの国に一人しか連れて入ることができないためリンチにされることはなくなるだろう。
その分、かなり質は上がってしまうだろうが……
「流石にどこも一芸に秀でている人を護衛にしているみたいですね」
「他国の奴らに自慢するのに絶好の機会だからな。多分、この護衛を選ぶのも相当時間がかかってると思うぞ。まぁ、私たちの国は考える余地もなかったけどな」
当然、その理由は楓一択でそれ以外に選択の余地がなかったからだ。
おかげでバルバトスは人選で悩む必要がなかったので他の国の王よりかは少しだけ労力も軽減されていることになる。
「俺が出ないとこの会談は成り立たないですからね。マーズもかなり頑張ってくれたみたいで、すでに他の教会の神官たちは僕たち側だと思って大丈夫ですよ」
「この世界の神様をパシリに使ってる時点で、それがバレたら教会が黙ってないと思うが……実際にすごく助かっているのは事実だからなんとも言えんな」
「ちゃんとイリアに労ってもらうように頼んでおいたので、結果的にマーズも喜んでくれると思いますよ。一応、イリアは創造神ですからね」
「スケールのでかい話だな。私は自分の国を守るだけで十分だよ」
バルバトスは次元の違う話をしている楓に苦笑を浮かべながらそう言った。
まぁ、バルバトスも一国の王なのでその時点でスケールが違いすぎるなど言えるほど小さい存在ではないのだが、それを突っ込むものは誰一人としていなかった。
ただ単に聞こえていなかっただけかもしれないが、王様と護衛が対等に話をしている時点で全体ではかなり少数派なので二人は割と注目を受けていた。
二人がそんな会話をしている間にすでに塔の入り口あたりまで近づいてきており、その分護衛の人数や質もだいぶ上がっていた。
「ヒナタたちも頑張っているようだな」
「みたいですね。全員仕事の時の顔をしてますし、これなら心配する必要もなさそうですね。僕たちも早く受付にいきましょう」
「あぁ、わかった」
楓はあえて日向たちと目を合わせることなく通り過ぎるとバルバトスもそれに倣って無闇に日向たちの方に視線を向けることなく、会談の場となる塔の入り口まで歩いて行った。
今回の会談では公平を期すために受付や書記などは全てストレア中立都市の専門官に任せてあるので、偽造などや事実とは異なるようなことが広まることはまずないと言っていい。
その代わり、ストレア中立都市にはかなりの額を払わなければならないのだが、これは止むを得ないことである。
基本的にそのお金はホストである国が払わなければいけないため、今回の会談ではデスハイム王国が全て払っているらしいが、詳しい額までは楓もわからなかったし、改めてバルバトスに聞く気もなかった。
きっと、聞いたところで楓が払うなどということをバルバトスが許すはずがないし、それならば聞かない方が楓も気にしなくて済むのでこのままでよかったのだ。
「さてカエデ、ここからが正念場だ。空気に飲まれるなよ?」
「誰に言ってるんですか? 逆に、僕たちの殺気に漏らさないようにしてくださいね。本当に漏らしたらこれから失禁王って呼びます」
普段であれば、楓もここまでバルバトスにいうことはないのだが、最後に気合を入れるという意味もあって楓は少しバルバトスを煽る言い方を選んだ。
この程度で怒るほどバルバトスの器が小さくないのは楓も理解しているので、その辺は楓も信頼していた。
「私にそれだけ喧嘩を売れるのであれば、心配いらないな。 失禁王と呼ばれないように、会談中はずっと腹に力を入れることにしよう」
「そうしてください。ま、何かあればなんとかするのでその辺は安心してください」
「そうさせてもらおう。では、いこうか」
最後に、バルバトスはそういうと豪華な扉を開けて、会談が行われる部屋へと入っていった。
ここでは一応、上下関係をはっきりとさせるためにバルバトスが先に、そしてその後に楓が入室するような形で入っていった。
「やっぱりいるか……」
中に入ると、当たり前のようにルークやシェリンもおり、それぞれの王の後ろで守るように立っていた。
二人とも楓の存在に気づくと面白そうな笑みを浮かべており、他にも楓の姿を見て何かを狙うような目をしているものがチラホラ見えた。
これから、デスハイム王国の存亡がかかった大切な会談が行われると同時に、楓はさらにもう一つ新たな戦いを強いられることとなるのであった。




