久しぶりの再会 3
日向たちがストレア中立都市へとやってきた次の日、楓たちは全員でバルバトスの元へと向かうことにした。
と、いうか半ば強制的に召集をかけられていると言っても過言ではない。
まぁ、それでも日向たちがついてすぐに呼ばれなかったところを見るにバルバトスも少しは配慮してくれたのだろう。
その点は楓も感謝しているので今回の招集も特に億劫になることはない。
当然、会談に向けて打ち合わせも必要なのは楓も重々承知しているので、楓たちは全員時間に遅れないように呼ばれた場所へと向かうことにした。
「カエデ、私たちも正装していくの? この服、動きにくくて嫌なのよね」
「別に必要ないといえば必要ないが、この都市にいる限り周りの目があるからな。宿から出たらみんな真面目モードで頼む。じゃないと、ミルのお父さんの顔に泥を塗るからな」
現在、楓は日向たちの部屋におり、全員に正装をするように伝えていた。
アルたちは先に外で待っているようで、宿の前がすでにガヤガヤしているのはそのせいだろう。
「カエデ、私たちはご飯食べてていい?」
「ダメだ。今こうして俺たちと行動してる限りは創造神だろうが何だろうが、ちゃんとしてもらう。周りはイリアたちが神様だなんて思ってもないからな。できるだけ会談で隙を見せたくないんだ。悪いが、付き合ってもらえると助かる」
「わかった」
楓のしっかりとした理由を聞いて、イリアは納得したのか不満を漏らすことなく頷いてミーシャの元へと戻っていった。
イリアのその首には楓からプレゼントされたネックレスがキラキラと光っており、上機嫌で素直な理由もそのおかげであった。
楓の前で恥ずかしがる様子もなく正装に着替え始めるイリアとミーシャには楓も少し困ったが、日向たちが一瞬で楓の後ろまで行き目を閉じさせたおかげで二人の素肌を見ることはなかった。
「あのな、早速着替えてくれるのは嬉しいけど、男の俺がいるんだから、少しは気を付けろ」
「別にカエデに見られても嫌じゃないから問題ない」
「問題大アリだ。主に俺の寿命が縮むんだ。日向たちのせいで……」
「楓くん。今イリアさんの裸見たよね?」
「ほら始まった。見てないって」
「むぅ、絶対に見ましたよね? そんなに見たいなら私たちが……」
楓はまだ日向とミルに目を塞がれたままそんなことを言われて対処に困っているが、ここにはいつもいい頃合いで助けてくれるアルがいないため無理やり瞬間移動で外へと移動することで、日向たちの魔の手から逃げるのであった。
楓が日向たちの部屋から脱出してから30分ほどで、綺麗なドレスを着た日向たちが全員で外に出てきた。
日向たちを待っている間ですら、外で楓たちが待機していることで外が騒がしかったのに日向たちが外に出てきてからさらに一段階外が騒がしくなった。
いつもの日向たちや楓たちですらそこそこ視線が集まるのに、今は全員しっかりとキメているためさらに注目を集めてしまうのである。
「イリア、ミーシャ、もう少しその神々しいオーラを控えてくれるか? 確かに、真面目モードでいけとは言ったが、それはやり過ぎだ」
「みんな綺麗だけど、もう少し控えた方がいいね。じゃないとほら、目の中にハートが見える人がいっぱいいるよ」
「うむ、何もしなくてもヒナタたちに魅了されているようだしな。もう少しだけ控えるべきだろう」
思わず、楓だけでなくアルやルシフェルもそう言ってしまうほど今の日向たちは輝いていて、とびっきり可愛かった。
イリアとミーシャは神格も纏わせているようで二人は飛び抜けて目立っていた。
先ほど、楓は日向たち全員に真面目モードでイチャイチャはなしと断言したが、すでにその宣言をしたのを後悔し始めていた。
それほど、日向たちは可愛くて、愛おしかった。
「ねぇ、楓くん。一つだけ聞いていい?」
「あぁ、どうしたんだ?」
「今の私たち、可愛い?」
「愚問だ。かわいすぎて正直今すぐにでも抱きしめたいが、さっき言った通り今は俺たちだけでなくミルのお父さんの株も下げかねないからすっごい我慢してる」
「そっか、ありがとう。みんな、やったね!」
楓のその言葉が聞けて日向たちは全員満足したのかハイタッチをすると、楓たちのいうことを聞くように少しだけ纏わせている雰囲気を落ち着かせた。
それでもすごく注目されているが、それはもう本人たちの魅力でどうしようもないため、そのままバルバトスとの集合場所へと向かうのであった。




