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迷宮探索 12


第十七階層はトラップのオンパレードであり10分に一度はトラップが仕掛けられていた。


しかも即死系トラップがほとんどだった。上層のおふざけトラップとは違い、バレ難く、かつ威力が高いトラップがこの十七階層にはあった。


まぁ、俺はそのトラップをものともせずに鼻歌交じりに解除して先を進んで行くのだが、これをトラップ解除専門の冒険者達にバレでもしたら泣いて弟子にしてくれ。と言いに来るだろう。


俺には全くそんな実感はないのだが…


「この階層は楓くん一人に任せちゃう事になりそうだね」


「まぁトラップの解除はスキルかコツがなかったらしんどいからな。とこれはレアだな。ここにも例の隠し部屋がありそうだぞ」


ここ二回共隠し部屋の中にはレアな物がたくさん入っていたので日向も興味があるようだ。


「え!ほんと?今度はどんな所かなー?」


「さぁ?とりあえず入ってみるか」


「うん!」


俺は扉があるであろう所を触る。すると今度はお洒落に飾られた扉が出てきた。


「この扉のチョイスは誰がしてるんだ?」


「分からないけど、なんか凄いよね…」


毎度迷宮の景観をぶち壊すような扉である。よく見つからなかったものである。


「さて、今回は何があるんだろうな?」


一人で呟きながら扉の中に入る。すると中はとても広く体育館くらいあるのではないかという所にびっしりと光金貨、白金貨、金貨が積まれていた。


「うわ、これは凄いな。これは想像出来なかったが扉の飾りとマッチングはしてるな」


「そうだね。でもこれだけあったら別にこれから稼ぐ必要ないよね?」


「そうなるがまぁ堕落人生は性根を腐らせるからな。せっかく異世界に来たんだから適度に贅沢しながら旅を続けようぜ」


そこらへんの冒険者が聞けば発狂する様な事をさらっと口にする。


まずまず冒険者は命を対価にお金を稼ぐと言っても過言ではない。冒険者だって楽に金を稼げれば娼館に行くなり、食う飲むのどんちゃん騒ぎをしたりなど娯楽を楽しめるのだ。


それこそA、Sランク冒険者迄行けば皆からチヤホヤされるので冒険者をやっていても楽しいだろうが実力がない冒険者からすれば食い扶持を稼ぐ為にやっている事である。俺としてはどちらもあまり必要としてないが生憎あいにくこの部屋の大金のせいでそのどちらも得る事になる。名誉など、逆に俺より強い奴などこの世界、いや天界や地獄全てを探してもいないだろう。


俺が有名になるのは避けられない事だろう。まぁまだしばらくは大丈夫だろうが…


「まさか二連ちゃんで隠し部屋を見つけてしかもこんなにすごい光景を見られるなんて思ってもみなかったよ…」


「俺もだ。だがまぁ全て貰える物は貰って行くがな」


「第一私達以外にこの扉の存在自体分からないだろうしね」


とりあえず全てストレージの中に入れてそれぞれの枚数を表示させると光金貨が1億枚、白金貨が10億枚、金貨が100億枚あった。この辺は自分達で数えるととんでもなく時間がかかるがストレージの中に入れてしまえばストレージが勝手に数を数えてくれる。


日向に半分渡すと言ったのだが楓くんが見つけたのだから全て楓くんの物だと主張し、まず自分のアイテムバッグにそんなに入らないと言われた。


ほんと、欲のない奴だよ…普通ならこんなに大金があれば欲に目が眩んで半分の申し出を受けただろうに…ここでも日向の株が上がった楓である。


だが、さすがに全く渡さないのも俺は納得出来なかったので日向には光金貨50枚、白金貨50枚、金貨100枚を受け取ってもらった。金額になおすと5億6千万になる。最初はこれでも多いと受け取らなかったが俺が無理やりアイテムバッグに入れた事により日向も渋々、でも嬉しそうにありがとうとにこやかに感謝の言葉を送ってくれた。


アイテムバッグは普通他者からは干渉されないのだが作ったのが俺なのだからその位は出来る様になる。

普通に考えて5億円を女に渡す男というのはどうかと思うだろうが俺も日向も金銭感覚が凄い勢いで狂ってしまった。


『マスター達の常人という歯車が少しずつ壊れていきます…』


ナビちゃんも大変なのである。


ちなみにマリーにも彼女サイズのアイテムバッグを作って渡してあるため日向と同じだけのお金を受け取ってもらった。


マリーも最初は「主人からこんなにお金をもらうなんて…」など言っていたが俺がマリーに優しく命令をしたのでマリーも嬉しそうに「はい!ありがとうございます!」と言って受け取っていた。


お金にはそこまで困ってなかったがあるに越した事はないので良かった。少々ありすぎる気がするが…そうだ面白い事を考えてしまった。今度時間がある時に試してみよう。


「楓くん?何かあった?」


俺が何やら怪しい笑みを浮かべていたので日向が声をかける。


「いや、面白い事を思いついてな。今度試してみるから楽しみにしておいてくれ」


「分かったよ。楓くんの笑みが何かバカな事をしでかすのは分かった…」


最近は俺の仕草で何を思っているのか分かって来たらしい日向であった。


「それにしても二階層連続で隠し部屋なんて運がいいね!」


「いや、多分だけど第十六階層から少なくとも第十九階層迄はあると考えてもいいだろう。多分迷宮側もサービスゾーンとして位置づけてるんじゃないかな?あわよくばこれに目をくらませて帰ってもらえないか、とかな?」


「なるほど。荷物が多ければ持って帰らないといけないのに大変だもんね」


「あぁ、だが冒険者達はまずここまで来るのは一握りなのと隠蔽を見破る程の者がいなかったのだろう。第十二階層のあの部屋はこの為の布石だったのかもしれないな」


「そういう事か!なるほど…流石楓くん頭もキレるんだね!」


『知力のステータスも∞ですのでだいぶ頭の回転も速くなりましたよね?』


まぁ、ナビちゃんの言う通りだな。元の俺ではここまで考える事は出来ないがステータスによる補正がかかっているのだろう。色んな案が思い浮かんだがこの案が一番しっくり来るしな。


「ということでこれからすくなくとも第十九階層迄の間は特に用心深く探してみよう」


「うん!と言っても楓くん頼みなんだけどね」


日向は苦笑気味に話す。


「日向もステータスやレベルが上がればそのうち出来る様になるよ」


俺は日向にフォローを入れながらまだ残っているトラップ地獄を進んで行くのであった。


まぁ、少しすると下の階層が見つかったのでそこまで時間は掛からなかったが…

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