王城召集 4
楓たちが王城の入り口へと着くとそこには先についた日向たちがドレス姿で談笑していた。
ちゃんと人数分の椅子と数個のテーブルが用意されておりそこにメイドたちも含めて全員で話をしていたのだが、当然そんな日向たちはすごい目立っており他の貴族や王城に入っていく人たちはほぼ全員日向たちのことを注目していた。
日向たちのいる場所は他の貴族たちが王城の中に入るのには邪魔にならない端っこの方でお花を見ながら話せるところにいるのだが、あまりにも日向たちの姿が可愛いのと噂の『無限の伝説』のメンバーということでかなり注目を集めていた。
「めっちゃ目立ってるね」
「だな。まぁ、確かにあれは目を奪われてしまっても仕方がないかもしれないな」
「そうだね。現に、俺たちの隣で君たちのクランマスターが逝っちゃってるからね」
「本当だ。おーいカエデ。帰っておいで」
「……っは⁉︎ 俺のところに天使が舞い降りてきた」
「もう重症だね」
楓の様子を見てアルたちは呆れながら苦笑を浮かべていた。
実際、アルたちも日向たちのドレス姿はすごい似合っていると思うし、綺麗だとも思っているが普段娘や妹のように見ている彼女たちを性的な目で見ることはないのか楓のように昇天することはなかった。
一方で楓は自分の妻たちが普段とは違った姿をしているのに大興奮でなんとか日向たちの前に行くまでに平然を取り戻すように努めているがアルたちの前ではもうデレデレであった。
「みんな、お待たせ」
「ふわぁ、楓くん、かっこいいね」
「カエデ、かっこいい」
「確かに、似合っていますね。神は基本的に美男美女が揃っていますが、これほどまでの好青年は見たことがありません」
「そこまで褒められると流石に照れるな……それよりも、日向たちもみんなすごい可愛いな」
イリアに続いてミーシャも楓たちの姿を見て素直に称賛している。
神に自分の姿を褒められて楓も嬉しかったが、それ以上に照れの方が勝ったようで恥ずかしそうに笑いながら頭を描く仕草をした。
「ダーリンもかっこいいけど、他の四人もすごい似合ってる。五人で歩いてきた時、他の女の人たちが顔を赤くしてた」
「む、アルたちはともかくカエデは気をつけるんだぞ。最近、私たちを構う時間が減ってる気がするぞ」
「ねー。カー君もっとかまってくれてもいいんだよ?」
「わかってるって。ていうか、確か三人とも三日前に俺の部屋に襲撃してきた気がするけど、気のせいか?」
「「「……」」」
楓にそう言及され先ほどまで優勢だった三人はどこか都合が悪そうに楓から視線をそらしてなんとかごまかそうとしていた。
が、全くごまかせておらず今回は珍しく楓の勝利に終わった。
「まぁまぁ、カエデもその辺にしておきなよ。早く行かないとめんどくさいことになるよ?」
「そうだね。楓くんたちもその辺にしてパーティー会場に向かおうよ」
アルが話がひと段落ついたことを察すると全員一旦中に入るように促した。
実質『無限の伝説』の補佐を行なっているアルらしい行動に全員感謝しつつアルに続いてゾロゾロと楓たちもパーティー会場へと向かうのであった。
『無限の伝説』は人数が多いことや顔面偏差値が非常に高いこともあって一斉に動くとかなり迫力があり、そこらへんの貴族は自然に楓たちに歩く場所を譲り始めていた。
王城の中に入る頃には楓が先頭に立ちその後にゾロゾロと他のクランメンバーがつづているところから他の見ているものたちは王の行進を連想させていた。
「『無限の伝説』のクランマスターの楓です」
楓たちは人の波を辿ってパーティー会場の入り口まで向かうとそこで受付を行なっていたので、楓が代表でストレージの中から例の招待状を出して受付の男性に渡した。
「招待状をご確認させていただきます。……ありがとうございます。それではこちらに」
「ありがとうございます」
楓が渡した招待状を見て一瞬受付の男性が動揺していたのを見るにやはり今回楓に送られてきた手紙の材質はかなり高価なものなのだろう。
改めてそんなものをよこしてきたバルバトスに一抹の不安を抱く楓であったがそのまま受付の男性に案内されるがまま日向たちとともにパーティー会場の中へと入っていくのであった。




