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王城召集 1


 楓がアルとルシフェルの二人をしっかりと回復させた後、日向たちも含めて各々自分が戦いたい相手との模擬戦が再開された。


 特に最初に戦った四人とイリア、ミーシャにはあまり暴れすぎないように忠告をして日向たちやメイドたちが周囲を気にする事なく戦えるようにしていた。


 いつものことではあるが、特に今回はイリアとミーシャ、マーズも模擬戦に参加してくれるとのことなので改めて日向たちのためにお願いをしておいた。


 もともと、この模擬戦の本来の意義といえば日向たちやメイドたちの戦闘力向上がメインなので彼女たちが心置きなく自分を磨けるように場を整えておくのである。


 今回は最初にアルたちの戦いを見ていたこともあってそれがかなり刺激になったのかいつにも増して積極的に楓やイリア、ミーシャやマーズなどに模擬戦や指導、アドバイスなどを聞きに行っていた。


 イリアやミーシャ、マーズたちは流石に神というだけあって教えるのが非常にうまく楓と遜色ないアドバイスをしたり自分のステータスをわざと人並みに落として模擬戦に付き合ってあげたりなどいつも楓がやっていることを三人ともしてくれていた。


 一方でアルたちも先ほどの模擬戦では色々と反省点があったようで何やら三人で集まって作戦会議を始めていたが、楓は特に聞き耳をたてることはしなかった。


 ちなみに、先ほどアルたちのせいでボロボロになった地形はすぐに楓によって修復され、アルたちの模擬戦を始める前のものと同じように戻っていた。


 あまりにも一瞬で修復されてしまったため、アルとルシフェルは「これならげんこつされる意味はなかったのでは?」と疑問に思っていたようだが、楓もイリアもその言葉には反応することなく各々日向たちの指導へと向かっていくのであった。


「ふぅ、疲れた」


「カエデ様、デスハイム王から手紙が届いております」


「ん? ミルのお父さんから? どうしたんだろ?」


「お父様からですか? って、その手紙の材料だけで一軒家がたちますよ? 随分とお父様は奮発したんですね」


「なんだか嫌な予感がするんだが?」


 そんなこんなで約2時間ほどみっちりと模擬戦をし終えるとそのままクランハウスへと戻ってきたのだが、戻ってきて早々セバスは一通の手紙を持ってきてそれを楓に手渡した。


 その手紙はいつもよりも一段階豪華で開ける前から楓は嫌な予感がしていたが、ミルも隣にいる手前開けないわけにはいかないので覚悟を決めて手紙を開ける。


 ちなみに、他の女子たちは先にお風呂の方へと向かったようでたくさんかいた汗を流しにいった。


「なんだこの券?」


「確かお茶会やお食事会などのお誘いの時にそういった招待状が届きますが……もう一通の手紙の方に何か書いてあるのではないですか?」


「なんだろ? まだ例の会談は先のはずなんだが……」


 楓はそう呟きながら招待券ではない方の紙を開き中に書いてある文をささっと読んでいく。


 その際、ミルも気になったのか横からひょこっと一緒に見ているのだが、ミルの甘い匂いのせいで楓は若干動揺しかけているがなんとか気にしないようにして手紙の文を読み進めていく。


「なになに? 王国の重鎮を集めてパーティーを開くから参加しろ? なんだそんなことか」


「てっきり会談が早まったのかと思いましたが、ただのパーティーのお誘いだけでしたね。まぁ、お父様が重鎮と言うほどの方々なのでそこそこの方達が参加されるようですが……」


「まぁ、パーティーは初めてじゃないからな。そこまで身構えることはなさそうだ」


「ですが妙ですね。今の時期ってお父様もかなり忙しいはずですのに、こんなパーティーを開いている暇なんてあるのでしょうか?」


「さぁ? その辺は行ってみないとわからないけど、ミルのお父さんが主体となってやるわけじゃないからミルのお父さん自体はそこまで忙しくないんじゃないのか?」


 実際、パーティーをやると言っても全てをバルバトスがやるわけではなく宰相やそれ専門の人たちがいるので特に支障はないだろうということで楓とミルは自己完結させてしまう。


 それに、そもそもこんなに豪華な手紙を届けられていかないという選択肢は楓たちにはないためここで考えても無駄というものである。


「ちなみに、日程はいつ頃ですか?」


「……三日後だ」


「今日あんなことがあったにも関わらずやけに手際がいいですね」


「まぁ、ミルのお父さんのことだから何か考えがあってのことだろう。最悪、めんどくさそうだったらササっとバレないように帰ればいいしな」


「そんなことしたら一大事になっちゃいますよ?」


「……普通のパーティーであることを祈ろう」


「ですね」


 ミルは楓の言葉を聞いてクスクスと面白そうに笑いながらそう言った。


 どうやら、ミルはかなりご機嫌のようでその笑顔だけで他の男が一瞬で虜になってしまうのではないかというくらい可愛く楓もつられてクスッと頰に笑みを浮かた。


 ミルはその後、楓が手紙をストレージの中に入れると甘えるように腕に抱きついて日向たちがお風呂から上がってくるまで久しぶりに二人で色々と会話に花を咲かせるのであった。

 

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