異世界に転移しちゃったみたいだ! 3
これから頑張って午後9時の毎日投稿目指しますがいつまで続けられるかわからないのでその辺は温かい目で見てください!
矛盾点や誤字、感想などもどんどん募集中です。
目が覚めるとそこにはアニメで見るような、いやそれ以上の教会? 神殿? が見えた。
クラスメイトたちはまだ意識を失っているようで、他の人が体を起こしている気配は感じられなかった。
夢の中では何日も過ごした感じがするのだが、実際はそうでもなかったのかもしれない。
とりあえず現状確認だ。まだ寝たふりっと……
現在この部屋にはクラスメイト以外誰もいない。
えっと確かなんかギフト? だっけあのクソ神からもらったんだった。結局何をもらったんだろ?
『マスターはステータスオール ∞を取得しています』
は? なんじゃそりゃ? ってかこの頭の中のこれなんだ?
『はい。私はマスターのスキルの一つである、ナビゲーションです。マスターがこの世界の常識などで困ったことがあれば、お任せください』
結構便利なんだな。ってその前にステータスってなんだ?
『マスターのステータスを開示いたしますか?』
あぁ。頼んだ。
俺がナビゲーションにそう頼むと、急に頭の中に一つの情報が入ってきた。
ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
楠木 楓 Lv ∞
種族 ???
体力 ∞
筋力 ∞
敏速 ∞
知力 ∞
魔力 ∞
幸運 ∞
超スペシャルスキル
全知全能 レベル ∞
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「あぁ、俺これ人間卒業したな……」
まだ気を失っている設定なのに、思わず声を出してしまったではないか。
幸い、まだこの部屋には俺たち以外誰もいなかったからよかったものの、もし誰かがいたら一瞬で狸寝入りがバレていたところだ。
気をつけなければ……
まず、なんだよこのチート。全知全能ってあの神じゃないんだから……
あと種族が???になってるし……
ちなみにこの世界の平均ってどんな感じなの?
『開示いたしますか?』
頼んだ。
ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
一般男性 Lv15
種族 人族
体力 30
筋力 35
敏速 20
知力 10
魔力 10
幸運 15
スキル
無し
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これマジで?
『マジです。ちなみにこれは農民であって、冒険者になるともう少し強くなります』
おぉこの世界には冒険者がいるんだ!
でもこれ、俺チートじゃね? もしこれが本当ならばあの痛みに耐えた意味もあったのかも知れない。
他のみんなはどうなんだろう?
っと、そんなこと考えてると俺以外のクラスメイトたちがポツポツと起き始めた。
いつの間にいたのか知らないが、神官みたいなおじさんが俺達の前にいる。
「ようこそ、ルベルカルムへ。勇者候補の皆様、私の名前はガウルといいます」
いきなりおじさんがよくわからないことを話し始め、俺たちが困っていると同じクラスメイトの一人が立ち上がり、おじさんたちに向かって話し始めた。
「いったいここはどこなんですか? 私たちは教室にいたはずなのですが……そもそもあなたは誰ですか?」
いきなりリーダーシップを発揮しやがるなと思いきや、学級委員長か……流石だな。
伊達に自分から学級委員長に立候補しただけあって、他の人たちへの配慮を怠っていない。自分で言うのもなんだが、俺がいなければ多分学校のイケメンランキングの一位はこいつだっただろう。
本当に俺じゃなくてこういう人たちがモテたらいいのにな……
「皆様の混乱も想定済みですので、簡単に説明させていただきます……」
そんなかなり失礼なことを考えている間に、ガウルが現状の説明をし始めたのだがはっきり言って、滅茶苦茶長かった。
あまりに長すぎたのでナビゲーションに話を要約してもらうと、だいたいこんな感じだった。
1 、ここはルベルカルムという異世界だということ。
2 、この世界の文明水準は、大体中世ヨーロッパくらいだということ。
3、 召喚した巫女は大量の魔力を使ってしまい、現在行動不可能。そのため代理で神官のおじさんが、説明の担当をしているというと。
4 、この世界に召喚した理由は魔王が強すぎで倒せず、助けてほしいから。
5、 異世界召喚した勇者は何かしらギフトを持ってるから、この世界の人より強い。
6 、この世界から帰せないけど好待遇するから勘弁してね♡
7、 魔王を倒したらできることならなんでも願いを叶える。
8、 一人で行動するのもいいけど、チームを組んだ方が生存率が上がるから、できればチームを組んでね♡
とのことだ。はっきり言って横暴である。
最初の方はクラスメイトのみんなも愚痴をこぼしてたのだが、好待遇がどうのこうのというところで皆静かになった。
こいつら危機感なさすぎる……それにしてもなんだ、この絵に描いたようなラノベ感は……
魔王倒せってそりゃこの世界の人たちからすれば脅威かもしれないが、俺らからすれば定番というかテンプレなんだよな……
なんてことを考えてると、視線がこちらに集中してる事に気がついた。
女子からは好意的な視線。男子からは……もういいだろう。
「おい楓、なんだよその髪の色は。いきってんじゃねーよ」
また絡んできやがった。知らねーよ。俺は死ぬ思いしてたんだぞ。
「いや、それが目が覚めたらこんな感じになってて……」
「は? お前本当に前から思ってたけど頭ヤベェな」
うぜぇ。まぁいいや無視だ。
「内輪揉めの途中にすみませんが、これからステータスを測定してチームを組んで行動していただきたいので、別室に来ていただけますかな?」
「ほら、楓くんも悠人も行くぞ」
学級委員長さんも呆れながら、早くしろオーラを出してきた。
「ほいほい」
はぁ…。異世界に来ても憂鬱なのは変わりないんだな……
次の話でヒロインが登場したりしなかったり…