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迷宮探索 8

第十一階層。この階層あたりになってくるとそんじょそこらの冒険者では来られない。ほとんどの冒険者が第十階層でやられるかまず迷宮にこない。


迷宮は下層に行けばお宝やらで儲かると思うがこれまでの上層ではそんなにお金になる物がない。これなら適当に依頼を受けていた方が稼げる。


迷宮に来る者といえば力試しに来る奴かそれこそ一攫千金を狙ってるバカくらいだ。


ここからはベテラン冒険者が多いと思われるからあまりいざこざを起こさない様に気を付けよう。あまり変な噂を流されたらたまったものじゃない。


すでに「若い冒険者の2人が何やらおかしな魔法を使う」と冒険者の中で噂になっている事を俺達は知らない。


「ここからまた一段と魔物が強くなる筈だ。日向もまだ余裕はあるだろうが気を付けて行こう」


「うん。この迷宮にいる間にしっかりと気配察知が出来る様に頑張るよ!」


そういえば第七階層で見られている時日向は大体でしか把握出来てなかったしな。


「おう、頑張れ。まぁ日向はセンスが良いからすぐ出来る様になるよ」


2人はさっさとこの階層も攻略していく。普通はこの階層あたりになってくるとベテラン冒険者でも1日に一階層とかが普通なのだが俺達は難なく攻略していく。途中で何組かの冒険者達に会ったがどのパーティーも俺達の若さとその余裕っぷりを見て内心驚いていた様だ。


第十一階層はこれといって面白い物もないまま攻略した。攻略のペースも変わらず一時間位で下の階層に行く階段を見つけている。


「なんかあんまりパッとした階層じゃなかったね」


「それだけ俺達が迷宮に慣れてきたって証拠だろ。そもそも代わり映えしないからな」


「退屈だね」


迷宮の中に入って退屈なんて呟くものなら他の冒険者から総スカンを食うところだったが幸い他の冒険者はいなかったのでその呟きを他の人の耳に入る事はなかった。


「次の第十二階層でレア種でも出てくれれば代わり映えするんだけどな」


「楓くんがそうやって呟くときは大抵その通りになるから楽しみだね」


そして第十二階層を攻略してしばらくすると…


「本当にレア種じゃん!」


「まさか実現するとはな。ラッキーだな」


目の前に現れたのは鉄サソリのレア種だな。


鉄サソリはその名の通り鉄の様に硬い甲殻を持つ魔物だ。剣士職からはすこぶる嫌われる魔物だが魔法耐性が低い為魔術師がいればそこまで苦戦する事はない。Cランク対象の魔物だ。


だが今目の前にいる魔物は鉄というより金と称した方がいい程にその甲殻は輝いている。ナビちゃんによるとこいつは魔法耐性も高くどちらかと言うと斬り合いの方が倒し易いらしい。


「あれは魔法耐性が高いらしいから俺が相手してもいいか?」


「うん、じゃあ任せるよ」


「おう、任された」


俺は自分の武器であるエールルンを構える。相手も臨戦態勢だ。


なんか騎士同士の模擬戦みたいだ。少しこのシチュエーションに楽しみを感じている俺がいた。


「構えあっていても始まらないからこちらから仕掛けるぞ!」


鉄サソリ(金)が人間の言葉を理解するのか知らないがそう声をかけてから仕掛けに行く。


すると鉄サソリ(金)も楓に倣って仕掛けてくる。


スパッ


俺の剣と鉄サソリ(金)のハサミがぶつかり合った瞬間鉄サソリ(金)のハサミがそのまま一刀両断される。


「レア種だったからまともに打ち合えると思ったのに期待外れだ」


心底残念に思いつつそのまま鉄サソリ(金)の胴体を真っ二つにする。


「お疲れ様ー、残念だったね」


日向は苦笑まじりに労いの言葉をかけてくれる。


「そうだな、もう少し打ち合えると思ったのに。なんか俺まともに相手と剣で打ち合った事がないんだが…」


「楓くんが強すぎるからだよ。まぁそのうちいい相手と巡り会えるよ」


2人はBランクパーティー指定の魔物を狩ったというのに全く自覚がなかった。


鉄サソリはさっきも言ったとおりCランク指定の魔物だが鉄サソリのレア種である鉄サソリ(金)は魔法耐性があり、物理攻撃も効きにくい為Bランクパーティー指定迄跳ね上がるのだ。


その後第十二階層には特にめぼしい魔物出るわけでもなく攻略が進んでいく。


「ん?」


「どうかしたの?」


俺は何かを感じているみたいだが日向にはそれが何か分からない。


「いや、この壁が変だなと思って」


「壁?」


楓はいきなり側面の壁をじっと見ている。


『おそらく隠し部屋かと』


おぉ、隠し部屋なんてあるのか、やはり階層が深くなって行くにつれてこんなギミックもあるんだな。


「ここ、隠し部屋らしい。とりあえず入ってみるか」


「ええ!?隠し部屋とかあるの?まぁ楓くんに任せるよ」


日向は俺に任せるそうだ。それを聞き俺は異変がある壁に手を置く。するとそこからどう見ても迷宮の中にあるのはおかしいドアが出てきた。


「うわー、なんか凄いね…」


「だな、景観ぶち壊されたな。まぁ目新しさでいうならありだが…」


2人共このドアは無かったらしい。それでも俺は中の様子が気になったのでドアノブに手をかける。


ガチャ


扉が開くとその中にはなんと辺り一面綺麗な鉱物でいっぱいだった。


「うわー、凄いね」


「あぁここはいったいなんだ?」


『この隠し部屋ではレアな鉱物類があるみたいですね』


って事はここにある物って俺達が持って行ってもいい感じ?


『はい、所有権はマスター達にありますね』


なら早速…


「ここの物は第1発見者の俺達が持って行っていいらしい。とりあえず片っ端から持って行こう。俺のストレージと日向のアイテムバッグがあるから全部入るだろう」


「分かった!これ全部持って行けばすごい事になりそうだね」


「量が量だしな」


例えるなら教室二個分位か?そこにぎっしり鉱物がある。


「大変そうだ」


「だね」


2人はせっせとストレージにしまっていく。全部しまうのに20分も掛かってしまった。


「結構凄かったね」


「だな。まさか隠し部屋があったなんて。まだあるかもしれないからこれからも探していこうか」


「うん!」


2人は知らない。迷宮の中には隠し部屋なんてものが発見された事などない事を。そしてさっき迄せっせとストレージの中にしまっていた鉱物の価値も…

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