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戦場 3

更新するの忘れてました。

ごめんなさい…


「今日はこの辺で野営になります。みなさんは夜の見張りはありませんので、しばらくの間ご自由にとのことです」


「わかりました。ありがとうございます」


 楓はそう言って男性騎士に礼を言って早速野営の準備を始めた。


 やはり、カナンの予想通り歩きでは一日で野営地にたどり着くことはできず、キリのいいところで野営をすることになった。


 周囲に村などがあればそこで一泊させてもらうのも良かったが、まず人数が五千人ほどいるのと、国王が休める宿などまずこの周囲の村にはないので、かえって村の人たちに迷惑をかけてしまうとのことなのでバルバトスもテントの質やその他諸々は最上級のものを用意してあるが、基本的には他の騎士と同じで野営をすることになった。


 最初、この話を聞いた楓が「転移魔法で一度王城に戻ればいいのでは?」とバルバトスに提案したのだが、それではここまで馬車で来た意味がないと却下された。


 なんだかんだで、バルバトスもこう言った野営に憧れていたのかもしれない。


「旦那様、私たちだけ夜の見張りを免除していただいてよろしかったのでしょうか?」


「私も、少し申し訳ない気がします」


「確かに、申し訳ないし俺たちが一日徹夜をしようが全く問題はない。でも、それじゃあダメなんだ」


 男性騎士の話を近くで聞いていたミルとエリスが男性騎士の方を見ながらそんなことを言い出した。


 そんな二人に、いや日向たちを含めて納得していない全員に向かって楓は話し始める。


「今この場にいる騎士だけでも五千人ほどの人数がいる。だから、その人たちだけでも十分に見張りのローテーションを組めるんだ。そこに俺たちが入ってしまえば、どうしても見張りに集中できないだろうし、かえって見張りをしてくれている人たちの邪魔になってしまうんだ。だから、ああして見張りは必要ないって言われたのなら、素直に礼を言って見張りをお願いするべきなんだ」


「そういうことだね。その分、僕たちは戦争時に役に立てばいいのさ」


「だな。我らの本番は向こうについてからというわけだ」


 楓に続いてアルとルシフェルが日向たちのやる気を出させるように話を戦争の方へと持っていく。


 すると、納得したように日向たちが頷くとそのまま楓の妻八人とメイドたち五人、そしてミリアと同じ魔王候補の一人だったアインを加えた女性全員で一緒に円陣を組んで気持ちを一つにしていた。


 そんな日向たちのことを微笑ましそうに見ている楓たちだったが、ふと楓はいいことを思いついてしまったのでコソッとアル達のいる場所から人気のない場所へと移動してきてストレージの中から必要なものをどんどんと取り出していく。


「よし、準備完了っと。あとは大量生産をするだけだな」


 楓は目的のものを一つ試作品として作ると満足そうに頷き、大量生産をするために素材などをストレージの中から大量に取り出し、黙々と同じものを作っていく。


 全てが完成する頃には一時間ほど経過しており日もだいぶ傾いてきていたが、なんとか間に合ったと完成品を全てストレージの中へと戻して日向たちのものへと戻るのであった。












「こちらでお待ちください」


「わかりました。ありがとうございます」


 楓が礼を言いながらテントの中に入ると、そこでしばらく待機をすることになった。


 先ほど楓が日向たちの元へと戻ってくるとみんな心配そうにしていたが、カナンの教訓が早速生かされてきたのか、ちょっと心配した様子だっただけで誰も過剰に楓のことを怒ることはなかった。


 以前までなら軽く叱られていたところだが、やはり今朝の一連のやりとりは日向たちも悔しかったのか早速今朝のことが生かされていた。


 ただ楓も罪悪感というものはあったのでしっかりと日向たちに謝り、自分がしていたことを説明するとその足で軍師たちに用があったので近くにいた騎士に案内を頼んで現在、このテントで待機をさせられているというわけだ。


 まぁ、テントといっても中はかなり豪華なものとなっており、簡易的ではあるが椅子やテーブルなんかも設置されていた。


「お待たせして申し訳ない。私に用があるとのことでしたが、いかがされたのですか?」


「こちらこそ忙しい中来ていただいてありがとうございます。早速本題に入らせていただきますが、こちらを今夜の見張りの方たちに使っていただけないかと思いまして……」


 楓はそう言いながらストレージの中から球体を一つ取り出して軍師にそれを渡した。


 最初は怪訝そうな目で見ていた軍師だったが、楓が変なものを渡すはずがないと球体を受け取ると不思議そうな目でその球体を観察しだした。


「失礼、これは一体?」


「簡単に言えば魔物よけの煙ですね。それを焚き火の中に入れてもらえば煙が立ち、その煙に魔物が嫌がる成分を含めておいたので見張りが楽になるかなと思ったのですが、どうでしょうか?」


「カエデ殿からの贈り物だ。もしよろしければ買い取らせていただきたい。ただ、効果がわからないと対価も払えないので、その辺はおいおいということでどうだろうか?」


「お金はいりませんよ。先ほど作ったので効果がどれほどのものかもわからないですし、あとこの中に同じものが千個ほど入っています。一つにつき効果があるのは二時間までです。範囲はだいたい500メートルくらいですね。魔族や魔物以外には無害な成分を使っているので気分が悪くなる心配もありません」


「わ、わかった。本当に助かる」


「いえ、では妻たちが待っていますのでこの辺で」


「あぁ、ご協力感謝する」


 普通ならありえないほどの効果が揃っているので、軍師もかなり驚いたような表情をしながら楓の話を聞いていたが、実際に夜の見張りで楓の作った魔物よけを使用してみると、一匹たりとも魔物が周囲に寄り付かなくなったということで、楓は翌朝ほとんどの騎士や軍師の人たちから感謝されるのであった。

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