プレゼント 2
「ほら、今日はここで寝てくれ」
日向達全員を各々自分の部屋へと送った後、最後にロリ巨乳ことミリアを来客用の部屋へと担いで来てベッドに寝かせた。
ちなみに、流石に楓も全員を担ぐことはできなかったので平等に全員を魔法で浮かせて運ぶことにした。
誰かを担ぐと全員がうぅ〜と唸るので仕方がなかったが、見た目はあまり良くなかった。メイド達もセバスを抜いて全員お酒で酔ってしまっているのでそちらも部屋で寝かせたかったのだが、誰がどこで寝泊りをしているかまで楓も把握していなかったので全員楓の部屋のとても大きいベッドに仲良く寝かせることにした。
楓は今日は寝るつもりはなかったので楓の部屋でメイド達が寝ていようが大して問題はなかった。
「ん〜カー君〜お話しよ〜」
「はぁ、わかったよ。そんな酔ってるフリをしなくてもここにいるから」
「やった〜」
ミリアは楓が椅子に座ったのを見てはにかみながらベッドからガバッと起き上がって楓の対面になるようにベッドに座った。
そんなミリアに楓は呆れつつも話をすると約束してしまったのでいつものように自分の分とミリアの分の紅茶を準備してピンク色のコップに入った紅茶をミリアに渡した。
「ありがと、このコップ可愛いね」
「だろ? ミリアにぴったりだなーと思ってな」
「うん。嬉しい」
ミリアは本当に嬉しそうに笑いながら、コップを大事そうに握りながら紅茶を一口飲んだ。
すると、美味しかったのかミリアは「ほぁ〜」と言いながら幸せそうな顔をしてまたチビチビと紅茶を飲み始めた。
楓的には話をしながらその片手間で紅茶を飲むために入れたつもりだったのだが、ミリアは心底楓の入れた紅茶が気に入ったのか話を一切することなく紅茶を静かに楽しんでいた。
楓も特にそれを止めることはなく、むしろミリアの紅茶を飲んでいる時の姿が可愛かったので楓は楓で静かにミリアのことを眺めていた。
「ふぅ、美味しかった。こんなに美味しい紅茶を飲んだのは初めてだよ」
「そうか? まぁ、今のは普段とは違う茶葉を使っているからな。喜んでもらえてよかったよ」
「うん! ありがと!」
ミリアは嬉しそうに楓に抱きつきながらお礼を言う。
魔族的に普通なのか、それともミリアが異常なだけなのかは楓も知らないが、妙にスキンシップが多く、しかもミリアの胸は男の理性を壊すために生まれてきたと言っても過言ではないほどのものを持っているので楓も冷静を保つのに必死だった。
若干酔っているせいで行動が大胆と言う可能性もあるので楓もあまり邪険にすることができずしばらくミリアの好きなようにさせておいた。
「っと、そうだミリア。お前にだけ先に渡しておくよ」
「ん? 何かくれるの?」
「あぁ、とりあえずこれを……」
「カー君からのプレゼントかー。嬉しいな……⁉︎」
楓は思い出したようにミリアに渡したいものがあると告げるとそのまま一旦ミリアに離れてもらいストレージの中から例のロンギヌスの槍を取り出した。
ミリアも最初は先ほどのコップのようなものをイメージしていたのか顔がほわーんとしていたが、楓がストレージの中からロンギヌスの槍を取り出した瞬間一気に顔が強張り、ロンギヌスの槍を凝視している。
まぁ、ロンギヌスの槍が見るからに強そうだからなのかもしれないが、ミリアも一瞬でこの槍が凄いことに気づいたようでかなり興味津々と言った様子だった。しかも、いつの間にか先ほどのようにだらけた雰囲気は一切なく目は鋭くさせて、油断していたとはいえ楓も一瞬驚かされるほどの迫力があった。
「カー君、これどうしたの?」
「俺が作ったんだ。最初はもっと抑えるつもりだったんだが、ミリアのことを思って作ったらなんか凄いのが出来上がっていた」
「ふふっ、カー君それ告白になっちゃうよー? まぁ、私は嬉しいけど……って、それよりこの武器を私に?」
「あぁ、ミリアのために作ったって言ったろ? 他の奴らにも渡すがダントツでこの武器がぶっ壊れてる。悪用したら俺たちがいないと世界のパワーバランスすら壊してしまう代物だから気をつけてくれよ?」
もしここにナビがいたのなら今更何を言っていると言われかねないが、確かに楓たちが干渉しないとなるとこのロンギヌスの槍はこの世界でパワーブレイカー的な代物になってしまうため一応楓も注意を促しておく。
まぁ、楓もミリアなら悪用はしないだろうと言った信頼からこの武器を渡したので特に心配はしていないが……
「うん。ありがとう。すっごく嬉しいよ」
「プレゼントはまだだぞ? 武器は全員に渡すつもりだからな。それより、こっちだ」
「……⁉︎」
楓はミリアの意識がロンギヌスの槍にいっている隙に左手を奪い取り、そっと薬指に日向たちと同じ、ただイメージカラーをミリア色にした指輪を嵌めた。
伊達に楓も七人もの妻と幸せに過ごしているわけではない。ようやくではあるが女心というものがわかり始め、ミリアが楓に抱いている感情もなんとなくではあるが気がついていた。
最初は楓ももう少し仲を深めてからでもいいのではないかと思ったが、ミリアの戦うことに関係するときに急に真剣になる様子や普段の元気で可愛い様子を見ていると楓もつい武器を作っている最中に他のみんなと同じ指輪を創っていたのだ。
「本当にいいの?」
「あぁ」
「私、実はサキュバスだよ? サキュバスのくせに処女拗らせてる残念な女だよ?」
「大丈夫だって、種族なんて関係ない」
「ありがとう」
ミリアは楓が一歩も譲らないことを察したのかそれ以上は何もいうことはなく目には溢れんばかりの涙を浮かべて楓の胸に抱きついた。
楓もそれに応じて二人は抱き合い、やがて二つの影は一つへとなっていくのであった。




