学院祭2日目 2
「今日もすごい人だねー」
「勇者が今日くるかもしれないっていうのは噂になっているからな。一目みようと集まってきているのかもな」
「それを言ったら旦那様も負けていませんよ。勇者よりも旦那様の方がずーっと魅力的です!」
ミルはそう言ってもう一度学院祭を今か今かと待ち望んでいる住民たちをみる。
基本的に貴族は並ぶことはしないのでここにいるのはほとんどが住民となる。今日は冒険者の数も結構いたがそれはほとんど楓の闘技場目当てだろう。
なにせ、ゴーレムに勝てば結構いい景品がもらえるのだから腕に自信のある冒険者たちは並んでいる最中も武器を磨いたりテンションをあげたりと並んでいる住民の邪魔にならない程度でそれぞれ時間を潰していた。
なぜ、ここまで冒険者たちの態度がいいかと言うと事前に冒険者ギルドに頼んで「学院祭に来るのはいいがもし暴れることがあったらそれ相応の報いが待っている」
と言う旨の張り紙をしておいたからである。
楓の名前は先の魔物殲滅戦で有名になっているし、楓の実力を知っているものも少なからずいるのでそれが噂となり今こうして治安が維持されているのである。
あまり目立つことを好まない楓であるがネームバリューというのはこういう時にはすごい役に立つので今後もあまり影響がない程度に冒険者ギルドに貢献していこうと思う楓であった。
「楓くん。私たちの準備の前に先にAクラスの方を見に行かない?今日は冒険者たちがたくさん来るっていう話だから他のみんなにも知らせてもらわないと」
「それもそうだな。っと、そんなことしなくても向こうからやって来たな」
「カエデ先生!おはようございます!」
「おはよう。マーク、ちょっと他のみんなに伝えてもらいたいことがある」
楓たちがAクラスに向かおうとするまでもなくマークを門の前で見かけたのでちょうどいいとばかりに楓はマークに声をかけた。
マークも昨日のお礼がしたかったらしく楓たちの姿を見ると嬉しそうな顔をしながら元気に挨拶をして来た。
「はい。どうしました?」
「俺の異界にはもう来たか?」
「いえ、僕たちのクラスも結構人気でまだみんな時間が取れてないんです。あ、でも今日はきっと時間が取れるので一度見に行きたいなとは思っています」
どうやら、マークたちのクラスもかなり繁盛しているら
しくまだ自由時間が取れていないらしい。
「実は俺たちの異界に闘技場を作ったんだが今日からその噂を嗅ぎつけた冒険者がかなりの数学院祭に参加すると思う。冒険者たちは基本的に金払いはいいが荒っぽい性格のやつも多い。だから、学院のみんなに冒険者が大勢来るから何か問題があった時は気をつけてくれって注意をして回って欲しいんだ」
「わかりました!何かあったら僕たちで対処して見ます!」
「心強いな。一応警備用ゴーレムをこっちにも何体か回すけど頼んだぞ」
「はい!では、僕は準備があるので失礼します!他のみんなへの伝達は任せてくださいね!」
「おう。じゃあな、二日目も頑張れよ」
楓は駆け足で自分の持ち場に戻っていくマークにそう声をかけてから警備用ゴーレムを数体創りそのまま自分たちの持ち場へと向かうのであった。
二日目の午前中は昨日とあまり変わらない感じで特に大きな問題もなく乗り切ることができた。
やはり、冒険者がかなりの数学院祭に参加したおかげで楓の闘技場だけでなく他の屋台などにもかなりのお金を落としていったので学院生からしてもかなり儲かっただろう。
楓がAクラスの様子を見に行くと、全員に土下座をされかねん勢いでお礼を言われたので冒険者も結構役に立っているのだろう。
当然、闘技場の方も昨日よりもはるかに賑わっており午前の時間が終了するまでに1人だけだったが中級ゴーレムに勝利して楓産の達人級の武器をゲットしていた。ちなみに、その冒険者の武器が上級だったので達人級の武器をゲットした時は涙を流していた。
かなり順調に学院祭が行われていた。そう、午後から勇者たちがやって来るまで…
「んじゃ、俺もデートに行って来るわ」
「行ってらっしゃい。ヒナタたちとイチャイチャして来るんだよー」
「我らはここで監視をしておくから後で感想を聞かせるのだぞ」
「へいへい」
楓が日向たちとのデートのため仕事を抜けようとアルたちに言うとルシフェルから昨日と同じく土産話を所望されたので楓はそれに適当に返事を返してデート用の服装に着替える。
この監視部屋には現在女性は1人もいないため楓が着替えだしても誰も何も言わない。
むしろ、セバスの配下たちは楓の鍛え抜かれた筋肉に憧れを抱いているほどだ。
今日のデートは日向たちが先に待ち合わせ場所で待つことにして楓が後から着くといういつもとは逆のシチュエーションをやって見たいという日向の要望で日向たちには先に待ち合わせ場所に向かってもらっている。
なので、楓も日向たちを驚かせてやろうといつもはあまり着ないスーツを着て日向たちとの集合場所に向かおうとする。
以前、一度スーツを着た時に日向たちから好評だったのできっと喜んでもらえるだろうと楓は勝手にワクワクしながらスーツを丁寧に着ていく。このスーツも例によって伝説級の装備となっているがもう誰も突っ込まなくなった。
「前にも見たけどにあっているね」
「うむ。白髮に顔も整っておるのでとても似合っているな。ヒナタたちの元にたどり着く前に逆ナンに合わぬよう気をつけるのだぞ」
「おう、それじゃあ本当に後は頼んだぞ」
楓は2人から思っていたいように評価され少し照れながらそう言って日向たちのいるであろう集合場所まで向かうのであった。




