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学院祭1日目 2

楓たちは、いつもより少し早めに支度をすませるとそのまま楓の転移魔法を使用し王立学院の門の前まで転移した。


さすがに、本番当日ということもあってかまだ1時間以上前だというのにも関わらずほとんどの学院生が準備に勤しんでいた。


それこそ、以前までなら楓たちの姿を見ると全ての作業を止めてまでサインを求めに来る生徒が大半だったのだが、今は楓たちの姿を見ても挨拶や軽く会釈するくらいである。


「みんな、気合入ってるねー。さっきの人たちは一体いつから並んでいる人たちなんだろ?」


日向は中の様子を見て、驚くのと同時に先ほど門の中に入る前に見た長蛇の列のことを考える。


本当に、徹夜で並んでいるのでは?と思わされるような人たちも大勢いて、いかにこの学院祭が期待されているものなのかがよくわかる。


ただ、楓たちは知らないがこれは異常な光景なのだ。


例年通りなら、列はできるものの滅茶苦茶多いというわけではない。ただ、今年は楓たちも参加するとどこかの風の噂で広まっていたため、それを目当ての人たちがこぞって徹夜してまで並んでいるというわけである。


学院側としては、非常に喜ばしいことなのだが、人が増える分トラブルなども多く起こってしまい先ほども先生や警備員の人たちが忙しそうにトラブルの仲裁に入っていた。


「門が開かれるまであと1時間か。一応、向こうの様子を確認して…後は景品とかももう少し増やした方が良さそうだな。絶対に足りなくなる」


「そうだね。後はAクラスの様子を見に行くくらいかな?」


「あぁ、じゃ、各々最後の確認をして8時50分にここにもう一度集合ということで」


「「「「「了解!」」」」」


と、いうことで各々最終確認に行ったりそれが終わった人たちはAクラスの様子を見に行ったりして学院祭が始まるまでの時間を潰すことにした。


楓も景品の追加を一通り終わらすとそのままAクラスの様子を見に行ったがみんな真剣に出店の準備をしており全員真剣な表情で一生懸命準備をしていた。


やはり、Aクラスの生徒たちは楓も一時期見ていたこともあってこういう真剣な表情を見るのはたまにあったのだが、以前に増してその真剣さが楓にも伝わってきたので少し嬉しく感じられた。


ここでも、マークが主となって他の生徒に指示を出し、他の生徒も自分の仕事を考えながら丁寧にこなしていた。


Aクラスは飲食系のものと訓練場を使って模擬戦のデモンストレーションを行うらしい。


模擬戦の際には是非きてくれとマークたちからも頼まれているため、その時間になったら行くつもりなのでその時にでもみんなの戦闘面での成長度合いを見ようと楓は心の中で決める。


「マークくん!材料が足りないよ!」


「なんだって!?どうしようか…買いに行くにしてももうすぐ始まるしそもそも今外に出たら戻ってくるのにだいぶ時間がかかってしまう」


楓が一通りAクラスの様子も見終わったということでそろそろ集合場所に戻ろうとした時に女子生徒がマークに向かって焦りを含んだ面持ちでそんなことを報告した。


マークも、流石に想定外だったのか女子生徒の報告を聞いてこれからどうするか悩んでいたがどうにも解決しそうになかった。


「どうした?何かトラブルか?」


「えぇ、材料が圧倒的に足りないんです。計算していた以上の人が今年はくるようで、計算を間違えてしまったようです」


楓がマークに事情を聞くと、マークは悔しそうな顔をしながら楓に向かってそう言う。


かなり焦っているのか、考えがまだまとまっていない様子だ。


「マーク、落ち着け。お前はだいぶたくましくなったがまだ焦ると簡単にテンパり判断能力ががくんと落ちるクセがある。よく考えろ、お前の目の前にいる人物は誰だ?」


「!?そうか!カエデ先生にお願いがあります。材料費はしっかり払うので食材を転移魔法で買ってきていただけませんか?」


「おう、いいぞ。ほれ、それだけで足りるか?」


マークは楓の言葉を聞きいま、自分が相談に乗ってもらっている相手が誰なのかを思い出し楓に向かって転移魔法で食材を調達してきてくれとお願いをする。


楓は、そのマークのお願いを快く承諾し転移魔法で購入するよりもはるかに素早くマークが要求していた食材と必要になるであろうものをどんどんとその場で創り出した。


マークは、目の前の楓の手が光ったと思うとその場に求めていた食材が市場で買うよりもはるかに鮮度が高い状態で置かれていくのを見てただただ口を大きく開けて驚いていたがそれも、楓が食材を全て創り終える頃にはなんとか収まっていた。


「完了っと。あぁ、お金はいい。これは俺からの差し入れだと思ってくれていい。それじゃ、お互い最高の学院祭にしような」


「あ、ありがとうございます!みんな!カエデ先生が食材を調達してくださったぞ!」


「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」


Aクラスの生徒たちは、本当に嬉しそうに楓にお礼を言ってから残りの作業を始めていった。


マークも、楓にかなり感謝の言葉を告げるとそのまま自分の役割が残っているのかぺこりとお辞儀をして準備に取り掛かっていった。


楓は、それを確認し終えると最後に人数分の回復ポーションと頑張れと言う旨を書いた手紙をおいて自分も集合場所へと戻るのであった。

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