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貴族会議 1


「さて、みんなやりすぎた反省は?」


「わかっていると思うけど、楓くんもだよ?と、言うか楓くんが一番ひどいからね?」


「まぁまぁ、みんな酷かったって事で。それより、何個ポーションが出来上がったの?」


「俺が作ったエリクサーが137個、日向たちが作った回復ポーションが600個以上。そして、アルとルシフェルが作った魔力回復ポーションが250個以上だな」


「なかなかエゲツない数になったな。我とアルもつい楽しくて作りすぎてしまったがカエデたちもかなりはっちゃけたようだ」


「いや、俺はどちらかと言うとショックで気が動転してたと言う方が正しいけど…」


そうは言っても伝説レベルのエリクサーを楓は30分もかからずに137個も作ってしまったのだから楓も日向たちのことを悪くは言えない。


ミルのお父さんに5個エリクサーを納品するとして残りは楓のストレージに死蔵決定である。エリクサーなんて楓たちは使わないしこんなもの市場に出したらど偉いことになるのでタチが悪い。


ちなみに、ポーション作り対決の勝者はエリスで147個であった。


しかも、すべて最高品質となっておりエリスがいかに器用なのかがわかる結果になった。


楓が終了の合図をすると、日向たちはかなり疲れたのか疲労困ぱいの様子で自分の作ったポーションを飲むシーンには思わず楓も笑ってしまいそうになったが日向たちの作ったポーションの山を見て楓の頰もひきつってしまった。


「やりました!私の勝ちですね!」


「そうなるな。じゃあ表彰式に移ろうか。第一回ポーション作り対決第1位。エリス!優勝商品は…何がいい?」


「「「「「「は?」」」」」


「いや…日向たちが思いの外真剣だったから言い出しにくかったんだけど何も考えてなかったんだ。勝負した方が面白いかなーって思ってたけどまさかここまで真剣になるとは…」


そう、元々楓も冗談でしたーで済まそうと思っていたのだが日向たちが楓の景品と聞いて本気を出してポーション作りを始めてしまったので楓も内心で結構焦っていたのである。


その焦りがエリクサーを作りすぎてしまった原因の一つでもある。


「そ、そんな…」


楓の話を聞いて1位をとったエリスは今にも泣き出しそうな顔をしている。


よほど、1位を取れた時は嬉しかったのかもう目をウルウルさせている。


「ちょ!ごめん!今回はエリスの勝ちだ!エリスのしたいことをなんでも一つするから!許してくれ!」


楓もエリスが泣き出しそうなのを見て慌ててそう言ってエリスに全力で謝る。


「ほ、本当ですか?」


「ああ!今回は完全に俺が悪かった!なんでも言うことを聞くから!」


「じゃ、じゃあ私にキスしてください。それと、今度2人でデートしましょう」


「わかった!本当にごめん!」


「もういいですよ。それじゃあカエデ様。早速私にキスしてください」


エリスは先ほどの泣きそうな顔はどこにいったのかと思うほど幸せそうな顔をして楓のキスを待っている。


楓も、こんな可愛い女の子を泣かせそうになったことにひどく反省しながらエリスの言う通りにエリスの唇に自分の唇を重ねて熱いキスをかわす。


「ふふっ、ありがとうございます」


「本当にごめんな。デートは今度、予定の空いた日にしよう」


「はいっ!」


「いいなぁ」


「あ、そうだ。ヒナタたちにもしてあげてください。今日はみんな頑張りましたから」


「「「「いいの!?」」」」


「えぇ、ささカエデ様。みなさんにもしてあげてください」


エリスはそう言って楓に全員にキスをするように催促する。


エリスの要望を聞いて日向たちは驚きながらも喜んでいた。こういう所を見ていると本当に仲がいいなと楓も思うのだが楓はハードルが上がったのであまり嬉しいことではなかった。


ただ、先ほどエリスのお願いは聞くと楓は誓ったのでエリスの言う通り日向たちにも順にキスをしていく。もちろん最後にもう一度エリスにもキスをする。


「こ、これでいいか?」


「えぇ、あ、ちょうどお迎えが来たみたいです。急いで準備をしましょうか」


そう言ってエリスは満足げに頷きながら楓にポーションをしまわせてすぐに会議に出るための服装に着替えを始めるのであった。







「お迎えにあがりました」


「ありがとうございます。ってルーナじゃん。騎士団長がこんなところにきて大丈夫なのか?」


「構わない。そもそも君達はもうこの国では英雄なのだ。一介の騎士に任せていい人物ではないということだ」


まさかのお迎えがルーナだったことに驚く『無限の伝説』だったが楓たちも知らない相手より知っている相手の方が話しやすいため都合が良かった。


楓がタメ口になっているのもルーナの要望で「一緒に魔物を殲滅した仲だからタメ語でいい」と言うことなので楓たちはできるだけタメ口で話すようにしているのである。


騎士団長にタメ語となると眉をひそめる相手もいるだろうが最低でも騎士団および宮廷魔術師内では楓は英雄であり先生でもあるので普通に受け入れられていた。


「ルーナが護衛なら安心だな。はいこれお駄賃」


「な、なんだこれは!?まさか、エリクサー!?」


「あぁ、作りすぎたからルーナとヒストリアに二つずつだ。一応ミルのお父さんには内緒な。今日五つ納品するがルーナたちのは完全にプライベートだ」


「い、いいのか?エリクサーといえば伝説のアイテムだぞ?こんなのもらったなんて誰にもいえないぞ…」


「あぁ、本当に作りすぎたんだ。この前アイテムバッグを渡したしその中にでも入れとけばバレないだろ」


ルーナは終始驚いていたが楓も本当に処理に困っていたので無理矢理渡してそのままルーナに王城まで案内してもらうのであった。

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