黒幕の正体 1
「まず、確認なんだが今回の首謀者は本当に七人なのか?」
「あぁ、人ではないが一応そうだ」
「まさか、人族が魔族や竜族と協力する事が出来るとは…もう少し歩み方を考えれば共存という選択肢も取れただろうに…」
「本当に、その七人は凄くもったいない」
現在、戦闘がメインのチームは作戦会議の前に先程の情報を再度確認していた。
ルーナとヒストリアは人族が魔族や竜族と協力してこの国を攻め落としに来ているのがどうしても納得出来ないらしく、とても渋い顔をしている。
「あ、でも人族の男は他のやつらに『元人間』とか言ってたぞ」
「なに?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「言ってないよ。楓くん…」
渋い顔をしていた二人に楓が新たに情報を追加すると二人は更に顔をしかめながら楓を見ている。
楓はさっきの会議で肝心の七人が元人間だという情報を話していなかった為、初めて聞いたルーナとヒストリアはとても驚いた顔をしていた。
『マスターのミスですね』
いや、これは俺ではなくてミルのお父さんのミスなのでは?
『マスターが言えばよかったのでは?』
ごめんなさい…
「と、とりあえずその魔族や竜族は元人間と言っていた。だから魔族との共存というのはまだ無理かもしれないな」
まだ、この国に来て半年と少しだ。まだ他の種族との関わりがない為何も言えないが、もし本当に共存するのならそれこそ茨の道を歩いていく必要があるだろう。
楓としては正直人族のロクでもない奴らとのエンカウント率が多過ぎる為、特に魔族への嫌悪感はない。
もしかすると魔族の方が人族よりいい奴らかもしれないからな。
まぁ、それは今は置いておこう。今は目の前の問題の解決からだ。
「バルバトス様はこの事を知っているのか?」
「あぁ、さっきは考えない様にしていたみたいだ。ミルのお父さんには一気に情報を与え過ぎたからな。パニックになってたんだろう」
「そうか、ではこの問題が解決した後にもう一度国王様と大臣達と情報を共有しておいた方がいいな。人族が魔族になる等到底看過出来る事ではない」
「そうだな、出来れば相手にも少し事情を聞きたいな」
「まぁ、それは余裕があったらだ。相手は大量の魔物とドラゴンだ。殺すのをためらっていてはこちらがやられてしまう」
もし、チャンスがあれば生きて情報を集めるという事にして大まかな作戦を立てていく。
「こちらが出せる戦力は兵士が250000だ。悪いが国内が大パニックになる事が予想されるからその他は国内の警備に当てさせたい」
「十分だ。100000は後方支援、150000に俺達が逃した魔物の残党狩りを頼みたい」
楓はなるべく兵士達に負担をかけさせない為に出来るだけの数を後方支援にまわす事にした。
アルとルシフェルがいるので楓達だけでもかなりの数を減らす事は出来ると思うがもしもの時があるので真剣に兵士達の配置や作戦を考える。
「えっと、こことここを死守してくれ。俺達も頑張るけどここを抜けられるとやばい」
「うわっ!なんだこれは!?」
「幻影魔法。こんな使い方があるなんて…しかも幻影魔法は普通使えない。今はない技術。カエデは人間辞めた?」
楓が分かり易い様にと王都周辺の全体地図を空中に映し出すと、ルーナとヒストリアはかなり驚いた顔をして楓に詰め寄る。
「スキルだスキル。ていうか人を詮索するな」
「カエデは人じゃない。よって詮索はOK」
「俺は人間だ!」
ヒストリアのボケ?に楓は勢いよく突っ込む。
『あながち間違ってないと思いますけど…』
心は人間です。
『種族は???ですけどね』
……心は人間です。
「カエデ、落ち着け。話が進まないではないか」
「異世界の魔王は黙っとれ。こちとら人げn…」
「ルシフェル、カエデはそこを結構気にしてるんだから突っ込んだらダメだよ」
「お前らも一応同類だからな?」
「カエデほど化け物じゃないよ」
「うむ、我も全く勝てるビジョンが浮かばないな」
ルシフェルと言い合っていると後ろからアル迄参加してきて1対2で楓をいじり始める。
二人とも面白そうにからかうのだから他の面々もそれを面白そうに眺めていた。
楓がやられると言った滅多にない事が起こっており特にルーナとヒストリアは珍しそうにそのやりとりを見ていたのであった。




