帰還、そして報告 2
今日、めっちゃ短くてごめんなさい。
時間が無いのです…(言い訳)
現在、楓達はAランク冒険者と騎士団を集めて今後の方針を決めている。
先程、一旦王都デスハイムに帰還する事が決まり、今は帰還についての細かい話し合いをしていた。
「カエデさん達は別行動か。私は別に問題ないが理由はあるのだな?」
「あぁ、俺達は王都迄なら1時間も掛からずに帰る事が出来る。この事態の事を考えるとなるべく早くミルの父親に報告した方がいいだろ?」
「そうだな、俺達も問題ない。カエデに迷惑を掛けたんだ。帰りは俺達が率先して他の冒険者達を守ってやるよ」
Aランク冒険者達は楓の説明を聞き終えると皆自信満々にそう言う。
Aランク冒険者と言うだけあって普通の冒険者達とは比べ物にならない程強い。その分傲慢になる奴も多い。
現にさっき迄この四人も手当たり次第女性をナンパして自分の欲望を満たそうとしていた。
「王都まで1時間弱…全くカエデさん達は規格外にも程があるだろう。でも、今はそれが有難い。カエデさん、頼んでもいいか?」
「あぁ、そっちも出来るだけ急いで帰って来てくれ」
「分かった。では早速我々は他の冒険者達を連れて帰還の準備をしよう」
「そうだな。カエデ、頼んだぞ」
「おう」
騎士団とAランク冒険者達はそう言って駆け足で他の冒険者達の元へと向かうとすぐに全員に指示を出して王都へ帰還する準備を始めた。
「こっちも急ぐか」
「そうだね」
一応、冒険者達の準備が終わる迄は護衛として周りを見張っていたが、準備といっても5分もあれば終了するので、その間に楓達も王都へ向かう為に片付けや準備をしていた。
「で、どうやって王都迄行くの?」
「バレてたか…」
「それはカエデくんのこといつも見てるもん。何か企んでいる時の顔くらいわかるよ。ね?」
「えぇ、少し悪そうな顔をしています」
「カエデ、隠し事出来なさそうね」
「私はそんなカエデ様も大好きですよ?」
日向に続いて楓の妻達は全員気付いていた様だ。
と、いうかアル達も何か企んでいる事を察知したのか少々身構えていた。
『周りが鋭いのもありますがマスターのポーカーフェイスが下手すぎますね』
そんなにへんな顔してたかな?いやまぁ、少し面白そうだなって考えてたけど顔に迄出てたとは…
『浮気や隠し事をしてもすぐにバレますね』
そもそも浮気はする気はない。まぁ、四人も妻に娶っておいて今更何言ってるんだと思うかもしれないが日向達を放って他の女性とイチャイチャする事はしないよ。
『まぁ、もしマスターが他の女性に目がいきそうになったら私が日向さん達に報告しますから安心して下さい』
何も安心出来ない情報をありがとう…
楓は日向達だけでなくナビちゃんにもからかわれ、何とも言えない気持ちになったが、今はそれよりもバルバトスへの報告だと気持ちを切り替え日向達に考えていた事を話す。
「まぁ、悪巧みって程じゃないけど転移魔法を使って王都のミルのお父さんの所迄行こうかなと考えてたんだけど大丈夫か?」
「「はぁ…」」
楓の説明を聞いて唯一常識人枠から来たミルとルミナは大きく呆れた様にため息を吐く。
「良いですか?多分旦那様なら出来るのでしょうがその魔法は既に失われ、再現不可能と言われている魔法です」
「そうよね、まぁ今回転移する先は国王様の所だから大丈夫だと思うけど、普通にそんな魔法バレたらタダじゃ済まないわよ」
どうやら、楓が使おうとしている転移魔法というのはかなり凄いらしくミルとルミナからその説明と忠告が入る。
日向は楓と同じくこの世界に来て間もないのでそこまで詳しい事は知らなかったし、アルとルシフェル、セバスは転移魔法を過去や異世界で見て来たのであまり驚いていなかった。
エリスはあまりそう言った事は考えていないのか凄い魔法を使える楓格好良い!位にしか思っていない。
「ま、まぁミルのお父さんなら大丈夫だろう?」
「そうですが…気を付けて下さいね?」
「お、おう」
と、言う訳で全員それ以上特に異論はない様なので転移魔法を使用する。
本来、この魔法は一度行った所にしか転移出来ないが、そこはナビちゃんに目的地の情報を持って来て貰う事で解決している。
今回も、丁度バルバトスは私室で書類仕事をしているので行った事はないが、ナビちゃんに位置情報や転移に必要なイメージなどを頭に写して貰ったのでそのまま全員を連れてバルバトスの私室へと転移する。
「は?」
転移した先では、案の定バルバトスがペンを持ったまま固まってこちらを見ていたのであった。




