ゴブリンキング討伐前夜 1
「ひ、ヒナタ様良いのですか?」
「今日の主役はエリスだからね!存分に楓くんに甘えると良いよ!それと、日向って呼び捨てで良いよ!」
「ありがとうございます。ヒナタ」
「うん!」
楓は晴れてエリスとの結婚が決まった訳だがその帰り道に誰が楓と腕を組んで帰るかのプチ楓争奪戦が始まった。
だが、日向の提案で片方の腕は今日だけエリス固定でいこうと言う事になってさっきの会話があったのだが本当に仲が良くて助かる。
ミルとルミナも日向の提案に賛成の様で仲良く三人でじゃんけんしてもう片方の腕を奪い合っていた。
「勝ちました!」
神聖なじゃんけんの結果勝ったのはミルらしく、勝った瞬間にミルは勢いよく楓の腕に抱きつきに行く。
日向とルミナは少し悔しそうな顔をしたが、すぐに五人で仲良くクランハウスに向けて帰った。
「じゃあ、私たちは四人で女子会してくるからまた明日ね!」
「分かった」
「後でエリスが行くから…分かってるわよね」
「分かったよ。俺も適当に切り上げて部屋に戻ってるよ」
日向達は女子会があると言って全員で日向の部屋に行った。
多分、女の子だけでしか話せない様な事を話しに行くのだろう。
基本的に日向達の中心には楓がいるのでこう言った女子だけでの時間というのは意外とないので女子会というのは日向達にも必要なのだと思う。
最後にルミナがエリスの事を思って先に宣言した。エリスの顔が真っ赤だったが楓も負けず劣らず顔が真っ赤っかだった。
「じゃあ、向こうが終わる迄こっちは男子会でもしてるか」
「そうだな。セバス、お前も入れ」
「畏まりました」
日向達が部屋を出て行くとアルが楓達に男子会をしようと提案する。
「そうだな、今日は花札でいいか?」
「うん、僕はそれで良いよ」
「我も問題ない」
「私も異論はございません」
三人が了承したのでこの間創った花札をテーブルの上に出す。
こう言った女子会はちょくちょくあって、その間楓達男組は暇と言う事で楓が麻雀や花札、トランプや将棋と様々な娯楽用具を作って遊ぶ事にした。
アル達は知能が普通に高いので、ものを覚える力も半端なく一回ルールを教えると完璧に把握して楽しく遊ぶ事が出来た。
ゲームでも楓が本気を出せば余裕で勝てるのだがそれをしては興ざめという事でスキルや、ステータスの類は一切使えない様にして素で遊ぶ事にした。
「にしても、エリスまで妻にするとは…一体カエデは何人妻を持つ積もりなのだ?」
「分からん…でも、エリスもそうだけど俺は妻を悲しませない様に努力していく積もりだ」
「格好良いね。ルシフェル、僕達も頑張った方がいいのかな?」
「いや、それもいいかもしれないが多分我もアルももし妻を持ったならその妻に頭が上がらないだろう。そうなってみろ、普段カエデをからかっている我々だ、確実に煽られるぞ?」
「あー、それは耐えられないね」
「お前ら…」
アルもルシフェルも本気ではないだろうがそんな軽口を叩いて楓を煽る。
楓は一瞬心を乱した事により場に出ている二枚の桜のうち得点のない桜をとってしまう。
「あっ…」
「楓様、御愁傷様でございます」
楓がミスをした20点桜をセバスがとっていく。
普段、楓が負けを知らないのをいい事にこと遊びで公平にステータスを落とすと三人で協力して楓を負かそうとする。
正直、大の大人がする様な事ではないと思うが何だかんだ言って楓も楽しんでいる為これでいいのだろう。
「そういえば明日ってゴブリンキングを倒しに行かないといけないんだよね?」
「あぁ、他の冒険者がいるとかマジで勘弁して欲しいが仕様がない」
「安心しろ、カエデとその妻達のイチャイチャ空間を邪魔する奴は我とセバス、アルで排除してやろう」
「魔界のトップ2と伝説龍に守られる俺って今考えると凄いな」
「それを従えてるカエデが一番凄いと思うけどね」
楓達のボディーガードが魔王と伝説龍と言う事に楓は苦笑してそんな事を言っているが、アルの言う通りそれを従えている楓は文字通り化け物である。
騎士団なんてワイバーンですら10人はいないと勝つのは難しいというのに、アルやルシフェル、セバスが敵で出てきたらもう笑うしかないだろう。
「さ、そろそろ部屋に戻らないとエリスが来ちゃうよ」
「そうだな、今日もぼろ負けか…」
「これが僕達のお小遣いと言っても過言ではないからね」
「そうだな、我も今日はだいぶ勝った。あまり散財趣味はないが自分で好き勝手に使える金があってもいいだろう。」
「それなら俺があげるのに」
「分かっていないな。カエデに勝って貰う金にこそ価値があるのだ」
楓達は賭け事をするのにレートを金貨で行う為、一般人からしたらかなりのお金が一回で動く事になる。
と言っても殆ど楓が負ける為、支出は一番楓が激しい。
まぁ、楓は迷宮の時のお金がいらない程ストレージに貯蔵されている為、全く痛くないが…
「今日はエリスと上手くやるんだよ」
「そうだぞ、妻を喜ばせるのは夫の義務だ。頑張れよ」
「カエデ様、僭越ながら私も応援させていただきます」
「お、おう。ありがとな。おやすみ」
「「「おやすみ(おやすみなさいませ)」」」
こうして、結局最後は全員楓の事を考えて応援してくれるのだから仲間というのは捨てたもんじゃないなと楓は思うのであった。




