旅の準備をするのです! 1
昨日のクエストのお陰で大分軍資金は潤ったと言ってもいいだろう。
まさかこうもあっさりと上手くいくとは思ってもいなかった。今日は市場に行って旅の準備をしていこうと思う。必要な物も多そうだしな。
「準備ができたら市場に行こうと思うけど大丈夫か?」
一応日向に確認を取っておく。
「うん!いいよ!なんかデートみたいだね!」
デートか…なんか、日向が照れてるみたいだ。ないか。
「お二人でデートとは羨ましいですね。私の存在を忘れてませんか?」
マリーがいきなり具現化してきた。
「お前みたいな化け物を忘れるわけない」
「うわ、ご主人様に化け物扱いされた!」
「楓くんも、マリーちゃんも喧嘩はだめだよ!」
日向に注意された。
「あ、あーそんなことよりも早く市場に行って必要なものを揃えるぞ。それと日向にはこれを」
そう言ってカバンを渡す。
「ありがとう。このカバンは何?」
「いわゆるアイテムバッグだな。自作してみた。容量はそこまで大きくないが教室5つ分は入るはずだ」
「ねぇマリーちゃん。教室5つ分のアイテムバッグって自作できるものなの?」
「無理だね。そもそもそんなものの製作なんて余程のコストを重ねに重ねないとできないよ。少なくとも1つ作るのにも10年もの間大量の人材をつぎ込んでそれと同等のものができるかどうかってところかな?まず簡単に作ることなんてできないよ」
「楓くんって本当にいったい何者?」
「一般人だ」
『そんな一般人がいたら神々の世界でさえ大惨事になりますよ…』
「まぁ、それは日向にあげるよ。俺はストレージがあってなんでも収納できるが日向は無理だろ?自分の大事なものとか下着とかは俺が管理するのは年頃の女の子に失礼だからな」
「そうだね。ありがとう。楓くん!」
「おう」
日向も喜んでくれたし旅の準備をしにいくか。
「さて、それじゃいくか」
「うん!」
〜市場〜
「やっぱりここは人が多いね」
「だな」
この前も来たがここはやはり人が多かった。
だがここで基本的なものは全て揃うのだからありがたいことこの上ないな。
あ、後から気がついたが基本的に困ったらスキルでなんとかなりそうだったので適当に必要そうなものだけを買っていく。困ったら自給自足でなんとかなりそうだしそんなにお金もいらないかもしれない…
まぁあって困るものじゃないからいいかな。
「とりあえず適当に見て回るか」
「うん!楽しみだね!」
やけに日向のテンションが高い。楽しそうで何よりだ。
「とりあえず食料を買い込もう。ストレージに全て入るしこの中は時間経過が止まるからいつでも新鮮なものを食べられるからあって困ることはないしな」
「じゃああそこから見て行こうよ!」
日向が最初に向かったのは食べ物が売っているところだった。
「いらっしゃい!どれも新鮮だよ!お、2人はカップルかい。おめでたいね。安くしておくから買っていきな!」
俺らに話しかけてきたのはおばちゃんだった。なんか勘違いをしているみたいだがスルーだな。
日向が照れているがこれもスルーしていく。
『そこは少しフォローを入れておきましょうよ…』
めんどくさいから却下だ。
「ありがとう、おばちゃん。それじゃ少し見させてもらうよ」
「はいよ!ゆっくり見ていきな」
ふむ、どれも安いな。ここでとりあえずここで適当な量を買うか。1つの店で大量に買ったら迷惑になるしな。
「ありがとさん」
とりあえずここでの買い物は終了かな。終始日向がだんまりだったがそのうち直るだろう。
さて、買い物を続けますか。




