ハーレムデート 1
「それで楓くん。まずどこにいく?」
「そうだな、先にエリスの服を買いに行こう」
「わ、私のですか?」
「あぁ、エリスって基本メイド服で可愛い服持ってないだろ?せっかく可愛いんだからおしゃれした方がいい」
「ひ、必要ありません!私の為にヒナタ様達のお時間を消費するなんてダメです!」
楓の提案にエリスは戸惑いながらも遠慮して首を横にふる。
「エリス、耳を貸して下さい」
「は、はい…」
エリスが断固として自分の服はいらないと言い張るので、呆れたミルがエリスに何か耳打ちしている。
「えぇ!私がですか!?」
「嫌なの?」
「そんな訳ありません!ですが私なんかが…」
楓は内容が気になって聞こうかと思ったが、日向がそれを察して袖を掴んで静かに首を横に振ったので敢えて意識をミル達から外した。
ミルが何か言うとエリスが驚いていたが…気になる。
「もう三人とも気付いているわよ。後はあなたの覚悟次第ね」
ルミナはミルとエリスの話の内容が分かるのかそんな事を言っていた。
エリスの覚悟次第?なんだ?
『鈍感主人公め…』
ナビちゃんもなんか呆れたトーンでそんな事を言ってくる。
前にもそんな事言われた気がしたが俺そんなに鈍感かな?
楓が心の中でナビちゃんに鈍感だと言われ傷付いている間に女性陣達の話は進んでいく。
「本当に私もいいんですか?」
「えぇ、多分…はエリスから言ったらOKしてくれると思うわよ」
「そうだね、ねー楓くん。エリスの事どう思ってる?」
「ちょ!ヒナタ様!?」
日向が楓にエリスのことを聞くとエリスはいつになく顔を真っ赤にしてテンパる。
「ん?めっちゃ可愛いし料理美味いし家事完璧だし。これ以上の女性はいないと思うぞ」
「!?!?」
楓がエリスに思ってる事を素直に言うとエリスは更に顔を真っ赤にして俯いている。
あれ、俺エリスを怒らせたかな?
『……』
ごめん、マジで女性の扱いには慣れてないんだよ。最近やっと日向達の気持ちが分かるようになってきたんだ。他の女性はハードル高いって!
「ね?エリスもがんばろ!」
「は、はいぃ…」
最後に日向がエリスを励ますとエリスはもう頭がパンクするんじゃないかって位顔を真っ赤にして恥ずかしがるのであった。
「とりあえずエリスの服を買いに行くか」
「そうだね」
「勿論日向達のも買うからな」
「いいの!」
「当たり前だ」
エリスのだけ買って自分の妻の分を買わなかったら後が怖いしな。
今の楓の一言を聞いて日向だけでなくミルもルミナも嬉しそうに笑っているのできっと今の選択は間違っていなかったのだろう。
楓はホッと一息ついて日向達と共にこの王都でもかなり有名な洋服屋へと向かうのであった。
「ねぇねぇこれどう?」
「か、可愛いと思うぞ」
「そう?えへへぇ」
「旦那様旦那様、こんなのどうですか?」
「う…ミルめっちゃ可愛いぞ」
「ありがとうございます」
現在、さっき言っていた洋服屋に来たのだが、試着コーナーで日向達がプチファッションショーをしているのだが、日向達は着替え終わると必ず楓に見せる為、楓はずっと赤面物だった。
というのも日向達はかなりファッションセンスも良く清楚な物から扇情的な物まで幅広く着こなす事が出来、彼女達が着る物は全てとても似合っている。
しかもミルがいたお陰でVIP待遇でこの周辺には楓達以外誰もいない為、日向達も遠慮なく気に入った物を着ている。
たとえそれが下着でも…
エリスは流石に下着は恥ずかしいのかしっかり服を着ているのだがそれでも何着かに一度は扇情的な服が混じっている為、安心は出来ない。
そんなこんなで服選びという名のファッションショーは約1時間程続き、その間楓はかつてない程キュンキュンしていたのであった。
「ありがとう!楓くん!」
「ありがとうございます旦那様」
「カエデありがとう。カエデの好みが大分分かったわ。そ、その夜楽しみにしててね!」
「ご主人様、ありがとうございます!この服、大事にします!」
一人ちょっと危ない事を口走ってる妻がいたが気にしない事にしよう。
ちなみにエリスにはメイド服からさっき買った服の中から一着楓の最もお気に入りの洋服に着替えている。
四人全員で大体20着以上買っていて総額金貨3枚、30万ルリした。
服だけで30万ってと思ったが、王都でも人気なだけあって値段は高いものの、その分めっちゃ良い材質でデザインも可愛い為、全く損した気持ちにはなっていない。
四人共めっちゃ可愛くなってデートを再開する。
ファッションショーをし終えると丁度昼になったので全員でちょっと良さげの店に入る。
全員食堂の様な所でいいと言ったが、今の日向達と安い所に行くとご飯を食べてる間にチンピラに絡まれかねない。
せっかく日向達とデートしているのだから嫌な思いは極力しないで楽しく過ごしたい。
「おしゃれだね」
「だな、まぁここなら日向達にちょっかいをかけるバカh…」
「お嬢さん達、私たちとランチでもいかがですか?」
楓が盛大にフラグを立てると瞬間でフラグ回収要員がやってくる。
日向達に声をかけて来たのは金髪のチャラい感じの男と茶髪のこちらもチャラそうな男の2人組だった。
「なんだお前ら?」
楓は面倒臭そうにチャラ男二人に声を掛ける。さっさと席に座って昼食を食べたいが前に二人が立ちはだかっているおかげで席に着けない。
しばらく待っていれば店の店員が注意してくるかと少し期待していたが、店員達も動けないのかすごく申し訳なさそうにしていた。
「貴様に用事はない。私達は由緒のある家に生まれた選ばれた者だ。貴様の様な平民に興味はない」
チャラ男、もといどこかの貴族様は楓に声をかけられた
のが不快なのか、凄い嫌そうな顔をして偉そうにそんな事を言い放った。
その瞬間、楓の後ろにいた日向達はとてつもなく不機嫌になり、このままいけば殺気まで放ちそうな雰囲気を醸し出す。
エリスもめっちゃ怖い…
『愛されてますね』
ナビちゃんが何か言っているが今はそれ所ではない。
なんとかしてこの場を収めなければ…
「悪いがこいつらは俺の妻だ。他を当たってくれ」
正確に言えばエリスはまだ違うがそんな事はどうでもいい。
「はっ、だからどうしたと言うのだ。ならばさっさと貴様の妻を我々に差し出せ。さもなくば…な?」
何が「な?」なのか分からないが貴族様は凄い自信満々だ。
「楓くん、相手するのも面倒だね」
「本当に、これどうしたらいい?最近ワンパターンになってきて正直この手合いは見飽きた」
「はっ、貴様は死にたいらしいな」
楓が日向と貴族の事を愚痴っていると貴族が怒って剣を抜いてくる。
はぁ、面倒臭…




