旅の準備を…お金が足りないのです!
昨日はいい感じに情報収集ができた。
クラスメイトの事とか色々気になるけどまた後日でいいだろう。今日は日向と2人で買い出しに行こう…思ったのだがどうやら金が足りなさそうだ。
「まさかここで金欠になるとは…」
「最近クエスト受けてなかったしね。昨日の分を足しても旅をするってなったら心許ないね」
そうなのだ。金欠というかお金がかかりすぎるんだよ。ざっと計算してもこれからのことを考えると50万ルリくらい必要になる。
いまの段階で持ってるお金が30万ルリくらい。昨日は結構稼いだしな。あと一回あんな感じのクエストを受ければいいだけか。あ、意外とちょろいわ。
「旅の準備をと思ったけど先に今日はクエストを受けに行くか」
「了解!」
稼ぎまくるぞー。
〜冒険者ギルド〜
「さてと、適当にクエストを受けるか」
「そうだねー」
2人でどんなクエストを受けようか迷っていると…
「あの、少しお時間よろしいでしょうか?」
あの美人のエルフさんだ。
「はい、どうかしましたか?」
とりあえず敬語で応答する。
「少しご相談があるので応接室まで、来ていただけませんか?少し込み入った話なので」
ん?なんだ?俺らなんかしたかな?まぁべつに今日は適当にクエスト受けるだけだから時間は余るだろうしいいか。
「わかりました。日向、いいか?」
「うん!いいよ!」
「ありがとうございます。それではこちらにどうぞ」
呼ばれたのは本当に応接室みたいなところだった。
「それでは、カエデさんとヒナタさんにはこのクエストを受けていただきたいのです」
お、依頼のお願いか。ん?迷いの森の中のモンスターの巨大ヘビの討伐。なんだこれ?
「現在このリングベリー冒険者ギルドにいる最も力のあるお方がお二人だとギルド側が判断いたしましたのでこの依頼をさせていただきました」
ん?ちょっと待て。普通Eランク冒険者にこんなこと頼むか?バカなの?
「えっと…僕たちはまだEランク冒険者なんですけどいいんですか?今この街にはBランク冒険者が結構いると思うのですが…」
「主力のA、Bランク冒険者は別の依頼を受けていて今この街にいないんですよ。それで下手な冒険者に依頼するくらいなら貴方達に頼もうと。だってEランクがあんなにオークを狩ってこられるわけないでしょ?」
まぁそうだけどな。俺らの配慮が欠けていたか。お金欲しさにあんまりその辺の事考えてなかった。
「それで今回の報酬なのですが金貨10枚、100万ルリになりますがどうなさいまs」
「その依頼受けます!」
まさかこんなに高額な金額になるとは思わなかった。それなら話は別だ。指名依頼とやらを受けてやろうではないか。
「あ、ありがとうございます。それではよろしくおねがいします」
「わかりました」
俺のやる気は今超上がっている。100万もあれば当分の間金欠に悩まされる必要はないしな。
「あ、日向。勝手に決めたけどよかったか?」
「うん。べつにいいよー。だって強いモンスターと戦えるんでしょ?楽しみだなー」
うん。強いのと戦うのって楽しいよな。でもどのくらいの強さなんだろ?
『巨大ヘビはふつうのヘビが突然変異したモンスターです。強さはB級パーティレベルか少し強いくらいでしょうか』
まぁその辺りが俺らに依頼する妥当な強さか。
「よし。それじゃ迷いの森に行くか」
「うん!」
〜迷いの森〜
「昨日きたけど今日はなんか雰囲気が違うね」
「そうだな」
迷いの森に着いて入ろうとした瞬間強いオーラが流れてきた。でもまぁそこまで大したものじゃなさそうだし気にしないで進んでいく。
ちなみに2人だからここまで余裕なのであって一般人からしたら即気絶するレベルのオーラを放っていた。この2人が異常なのだ。
「多分、そこそこ強いと思うけどどうする?日向一人でやるか?」
「え?いいの!やった!うん。私がやる!」
テンションが一気に上がりやがった…どんだけ戦いたいんだよ。まぁいいか。
「多分もう少し先に行けば会えるだろう。幸い今は魔物たちも怯えてあまり行動してないみたいだから今がチャンスだ」
少し歩いていくと、結構でかいヘビがいた。まぁでかいだけで強そうには見えないが…
普通はあの口に飲み込まれたら即死だろうが、日向も最近のレベルアップや技術面の向上のお陰でそこまで脅威と思ってない。
日向がさっさと片付けるだろう。
「火弾」
日向が先制攻撃だ。
「おい日向、ここは森だ。火系はやめろ」
「あ、うっかりしてた。テヘペロ」
可愛いから許す。
ヘビには結構効いてるみたいだな。初級魔法でも使いこなせば強いのだ。ヘビが狼狽えてるすきに日向がまた新しい魔法を詠唱し出した。
「水槍」
これはレベルの高い魔法をうったな。これでは案外余裕に決まりそうだ。ヘビは反撃する余裕がなさそうだ。
そんなこんなで日向の終始圧倒的に有利な状況でヘビとの戦いに終わりを迎えたのであった。
「なんか、虐めているみたいで面白くなかった」
「まぁ後衛職なんてそんなもんだろ。一人で戦うこと自体少ないからな」
日向はさっきの戦いに不満があるようだった。
にしても本当にあまり強くなかったな。これで100万ルリなんて、なんて儲けものなんだ。
「さて、用事は済んだし帰るか」
「そうだね。早く帰って買い物しよ!」
ということで、さっさと帰る。ここにいても無駄に時間を食うだけだからな。
ということで討伐証明を持って帰る。
「え?もう終わったのですか?」
「はい」
やば、早すぎたか?めんどくさいから、さっさと帰ってきたけど問題だったか…
「そ、そうですか。わかりました。これが討伐報酬の金貨10枚になります。それと今回の依頼でお二人ともDランク冒険者となります」
お、ランクも上がったし本当に今回の依頼は美味しかったな。
さて、明日はお金も手に入ったし旅の準備といくか。




