情報を集めるのです!
一昨日、昨日と自分のチートを改めて思い知った。これは気をつけなければ目立ちそうだ…
『目立つどころか世界征服ですら余裕ですよ…』
………。そんなことより今日からはまたクエスト受けて修行しよう…と思ったがこの街の中で情報収集が先だな。
正直この街にはあまり長居したくない。いつまた教会から厄介ごとを持ってこられるか分かったもんじゃないしな。
隣の街くらいまでは行きたい。そのためにも旅の基本や、隣の街の情報などを集めておきたかった。
正直ナビちゃんを使えば一瞬なんだろうけどそれじゃ頼りっきりになってしまうと思うので今回は自力で頑張ろうと思う。そんなに難しいことじゃないしな。
「日向、今日からの予定だが一旦午後の実戦練習は休みにしようと思う。その代わりにこの世界の基本的なことについての情報などを集めたいと思っている。理由としては俺たちはこの世界について無知すぎる。知っているのと知らないのとでは雲泥の差だ。あとは教会勢力がこの街にあることだな。初日に襲われただろ?正直ここには長居したくない。あの面倒なクラスメイトにも会うかもしれないしな」
「楓くんって結構賢いよね?なんで学校の勉強ができないでこういったところは計算高いというか、しっかりしてるんだろ?あ、意見については賛成だよ!」
俺の心のダメージ100食らった。いや、ね?そういえば無意識のうちに今後の予定を立ててたけどまだこの世界をゲームか何かと勘違いしているのかもな。
「勉強とこういうのは別なんだよ。まぁそれじゃまずは心許ないお金を稼ぎに行こうか!」
「了解!」
程なくして久しぶりのクエストを完了させる。今日はオークを倒してきた。あんまりゴブリンと差がなかったな。
俺の剣でもすっぱり切れて日向の魔法でも一撃でマリーの風魔法で、5匹いっぺんに首がちょん切られていた。あんまり強くないのかな?
『ゴブリンはEランク指定、オークはDランク指定のモンスターですよ。強さは10倍ぐらいです。調子に乗ったEランク冒険者の犠牲が絶えないと聞きます』
そんな実感全くなかった。ゴブリンもオークも変わらないと思っていた。でも結構報酬は美味しかった。討伐証明とオークの牙の素材で全部で24万ルリになった。多いのかどうかわからんが宿代で96日分というと三ヶ月分だから多いのかな?
『この世界の一般家庭の世帯所得は15万です。
冒険者は命の危険がありますがその分見返りは大きいようです。まぁ、マスターたちはEランク帯にしては破格の稼ぎを出しているようですが』
まぁ、普通の人たちは命がかかっているしな。ハイリスクハイリターンか。俺らのクエスト完了時にはいつもあのエルフの美人さんが驚いた表情してるし、やっぱりすごいんだな。あれくらい誰でもできるものかと…
「さて、まずはどこで情報を集めようか…」
この街には…っていうか大体の街にあるのが市場だ。ここに行けば大体のものが手に入ると言われている。食べ物しかり日用雑貨しかり冒険の道具しかり…中には奴隷商店なるものもある。実に気になるがこれは後からのお楽しみにしておこう。
なにせラノベのテンプレだからな!奴隷!
『マスター、自重してください』
………少し話が逸れたな。そう、ここは大抵のものが手に入る。ということは情報だってその限りではないだろう。っと言うことで街の中心部の通路にある市場に行くとなんと大勢の人がいた。
「日向、これだけの人だ。はぐれるのは間違いない。それならはじめから別行動で情報を集めよう。3時に宿の部屋に集合だ。1時間ちょい頑張るぞ」
「わかった!」
と、かれこれ1時間がたった。部屋に帰ると既に日向がいたのでそのまま得られた情報の交換といく。
「まず、俺が集めた情報だが隣の街についてが1つとこの世界の魔王の存在についてだな。隣の街までは徒歩で3日、馬車でも1日半くらいかかるみたいだ。街の名前はシュトガル。大きさはこことあまり変わらないみたいだ。住みやすいといいな。それと魔王について。まず魔王の部下に魔族というのがいるみたいだが一番弱い下級魔族でもA級冒険者並み。上級でS級並みだそうだ。魔王に関しては未知数らしいがまぁなんとかなるだろ」
「上級魔族でもS級冒険者並なのに魔王までも余裕なんだね。マリーちゃんもとっても強いし本当に楓くんについてきてよかったかも」
「まぁ、お前だけなら誰が来ようと守ってやるよ」
「う、うん。ありがとう」
ほんのり日向の顔が赤く染まる。
『地味にかっこいいこと言うじゃないですか。
マスターに言われれば世の女性はイチコロですね』
そんなことないだろ。てか何もそんなこと狙ってないし。
『ラノベの主人公…』
うっさい。
「さて、俺が集めた情報は、こんなものかな。日向はどうだった?」
「えっと、私はクラスメイトの子達のことを聞いてみたよ!」
お、意外とナイスだ。
「えっと、一般人の人たちからは神の子とも言われていてだいぶ期待されているみたいだよ」
おかしいな。そんなに強いか?あいつら?
『教会側が本当のことを隠していますから』
やっぱりあんまり強くないよな?
『はい。まぁマスターと比べると世界中どこを探しても虫ケラと化すでしょうが』
まぁ…S級くらいにはなるのかな?
『いけてそのくらいかと…日向さんもそのくらいは余裕かと』
こいつ、意外と強かったりするよな。
「でも、私あのクラスメイトが神の子って少し疑っちゃうな」
「実際神の子じゃないからな」
「これって教会側の仕業なのかな?」
「あぁ、多分本当のことを隠蔽しているな。しっかりと実力をつけてから正式に発表させたいのだろう。今は噂までで留めておこうとしているんだろう」
「そっか…私もあまりクラスメイトには関わりたくないな」
「俺もだ。めんどくさいしな。あ、ちなみにさっき言ってたシュトガルにはダンジョンがあるみたいだから今度チャレンジしてみような」
「うん!ていうか、もう行くことは確定してるんだね」
「あぁ。準備ができ次第シュトガルのほうに行きたいと思うけどいいか?」
「うん!私は楓くんについていくよ!」
ということで2人で次の街シュトガルへと向かう準備をするのであった。




