合同訓練 1
今日からまた学院で先生をしなければいけない。国王であるバルバトスが言うには結構準備が上手くいき後一週間位で向こうの先生の準備が出来るらしい。
だが、それ迄の一週間はまだ楓達が先生をしなければいけないのだが…
「ルミナー。そろそろ起きないと遅刻するぞー」
「うぅんもう少し〜」
ルミナはまだ起きようとしない。昨日、ルミナは最初は結構恥ずかしがってぎこちなかったけどすぐに慣れて二人とも余裕が出来ていた。
ルミナは日向と同じで良心的だった。ミルが頭抜けて凄いのはこれで証明された。
「ほら、起きるぞ」
楓は腕にある柔らかい感触を頑張って無視してルミナを
お姫様抱っこしてルミナの部屋へと連れて行く。
楓はルミナの体を心配して今日学院を休むか聞いたがルミナは行くと言った。
ルミナも回復魔法はいらないようなので楓は今日、ルミナの事をしっかり見ておこうと決める。
ルミナは楓が教師を辞めると同時に学院を辞めるらしくそれ迄は楓達と一緒に学院を楽しむらしい。
ルミナが部屋で着替えている間に楓もサッと学院に行く為にしっかりとした服を着る。
ルミナも二人と同じ様にお姫様抱っこをして欲しいらしく部屋から出て来ると同時に首に腕を絡めてきた。
「わかりましたよ。お姫様」
楓はやれやれと言った表情でルミナをお姫様抱っこをして食堂に行く。
今日は楓達が最後だったのでそのままみんなで朝食をとってみんなで学院迄走って行く。
ルミナがまだ魔法での移動が上手くいかないので全員で仲良く走って行く事にした。
と、言ってもミルと日向はちゃっかり魔法を使っているしルミナも身体強化を使っていて純粋に走っているのは楓とアルだけである。
結構早いペースで走っているのにもかかわらず誰一人として汗をかかないのは全員まだまだ余裕の証拠だ。
ルミナの魔法は人並みかちょっと上手い位で今は魔法での移動は無理だが楓が成長速度倍加や限界突破のスキルを付与した為その内移動く位なら余裕で出来る様になるだろう。
「いやー走った走った」
アルは学院に着くと楽しそうにそう言ってかいてもいない汗を拭う仕草をする。
五人の集団が走って学院に登校する姿は結構目立ち他の登校している生徒からは驚いた目で見られた。
「三日だけしか空いていないのにだいぶ久し振りに感じるな」
「それだけ楓くんの三日間が濃かったんじゃない?」
日向は嬉しそうに楓にそう言った。日向も楽しかったのだろう。それは、話している楓にも伝わって来ていた。
「そうですね、私も楽しかったです」
「私もよ。今もだけどすっごい幸せだったわ」
日向だけでなくミルもルミナも続いてそう言ってくる。
「そうだな、さて残りの一週間は何をしようか…」
「え、今日は中等部との合同練習よ?この前のクラス対抗戦で私達のクラスは優勝してるから注目されるでしょうね」
「そう言う情報ってどこから来るんだ?俺全く知らないんだが…」
「月初めに予定表を配られるの。今週は今日しかイベントがないから頑張りましょ」
楓は全く中等部の情報を集めていなかったので焦っていたがまぁ、言っても中等部だと自分に言い聞かせ何をするかを考えるのであった。
高等部2年は中等部2年と合同訓練をするらしくAクラスはAクラス同士で集まって座学をするもよし実技をするもよしと基本的に何をしてもいいらしい。
これは大体半々で別れるらしく楓達はクラス対抗戦で優勝した事もあり問答無用で実技の授業を行うらしい。
指導権は高等部の先生にあるので実質楓が2クラスの面倒を見る事になる。
すでに、楓がルミナと結婚した事は学院中に知れ渡っているらしくあちらこちらで噂をされる。
「帰りたい…」
「まぁ、これに関しては楓くんとルミナが悪いしね。我慢我慢!」
日向はぐったりしている楓を励ましながらAクラスへと足を運ぶ。
皆この三日間は魔導書の解析でだいぶ時間を取られたらしく疲れた顔の生徒が多く見られた。
「お前ら…いくら魔導書があるからって少しは休めよ」
「いやいや、あんなに凄い物を貰っておいて遊ぶ気にはなれないですよ」
楓が呆れた様につぶやくがマークはそのつぶやきに対して反論する。
他の生徒もマークの言い分が分かるのかうんうんと頷いている。
「でも今日って中等部との合同訓練なんだろ?流石に高等部のAクラスとして恥ずかしい姿は見せられないぞ?」
「「「あ」」」
まさかの今日が中等部との合同訓練だと覚えていたのはルミナだけだったらしく他の生徒は不味いみたいな顔をしている。
「はぁ、リフレッシュ」
楓はそんな生徒達を見て呆れた様にため息をつきながらクラス全体にリフレッシュと言う魔法をかける。
この魔法は、疲れを癒す魔法で徹夜等をして疲れ切った体には良く効く魔法だ。
体力迄は戻らないので過信し過ぎるのは良くないが今回の場合等は別に生徒達も徹夜をしている訳ではない為効果抜群だ。
生徒達は楓がリフレッシュの魔法を使った瞬間に体の疲れや眠気が取れたのに気付いておぉーと声を上げて一斉に拍手が鳴り始めた。
「からかってるだろ?」
楓がルミナと結婚することになったりAクラスが優勝したことによってだいぶ親しくなってきた。
本来ならこう言う舐めきった態度は良くないのだろうが楓はむしろこっちの方がやり易い為、特に注意する事なく一言それだけ言って笑いに変えるのであった。
「さて、全員いるみたいだから訓練場に行くか。もう中等部の先生には言ってあるから先に居ると思う。お前ら、中等部の奴らに恥ずかしいとこ見られたら追加訓練な」
楓はニヤッと笑いながら全員に向かってそう言うと生徒は望む所だと言う様な挑戦的な表情を見せてきた。
『楽しみですね』
だな。
楓はこの三日間でAクラスの生徒達がどれだけ成長しているのか楽しみにしているのであった。




