2人で実践…なんだか緊張するのです!
「さて、ここら辺でいいか」
町からまた1時間くらい歩いて昨日きたところくらいまできた。ここなら人もいないし自分たちの実力を出し切っても大丈夫だろう。
「じゃあ、始めていこうか。俺は木剣で、日向はふつうに魔法を撃ってくれて構わない。ステータスは低いが即死はしないようになってるから本気でやってくれ」
さっきナビちゃんとどうやったらお互い全力でできるか考えていたところ即死耐性がオンにできるみたいだったからこれからは常時発動しといてもらうことにした。これで不意打ちも大丈夫だろう。
まぁナビちゃんとマップスキルがあるから寝てても不意打ちなどはされないが…念には念を入れておく。
「わかったよ!本当にいいんだよね?」
「あぁ、だが俺も本気で行くからな、いくら木剣と言えど直撃すると骨くらい簡単に折れるからな。回復魔法を使えるからいいが気を引き締めて全力で行くぞ」
「了解!」
今回の目的は日向の戦力を把握することとこのステータスでどのくらい立ち回れるかを確認したかった。あとは俺の戦術や技術面の修行がしたかった。ちなみに今の俺らのステータスはこれだ。
ナビちゃん、ステータス表示よろしく。
『かしこまりました』
ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
楠木 楓 Lv3
種族 ???
体力 80 / ∞
筋力 70 / ∞
敏速 105 / ∞
知力 50 / ∞
魔力 50 / ∞
幸運 50 / ∞
超スペシャルスキル
全知全能 レベル ∞
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ーステータスーーーーーーーーーーーーーーーー
佐倉 日向 Lv8
種族 人間
体力 85
筋力 85
敏速 65
知力 150
魔力 340
幸運 50
スキル
魔法 Lv2
魔法威力上昇 Lv2
魔力回復上昇 Lv2
ユニークスキル
成長速度上昇
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はっきり言って今の俺に勝ち目はないに等しい。だが即死耐性もついてるし、技術面が上がっていけばステータスの不利を覆せるのではないかと思っている。
いくらステータスが∞の俺だからと言って技術面がからっきしではただ力を無駄に使うだけでスマートではない。まぁそれでも俺の場合圧倒的ステータスで余裕の勝利をつかめるだろうがやるならかっこよく、かつ無駄なく戦いたいのだ。つまりこの実戦形式の対戦は2人とも得をするものなのだ!
「では、いくぞ!」
「ま、まって!」
日向がいきなりの待ったをかけてきた。
「ん?どうした?」
「いや、楓くん相手じゃなんだが戦いづらくて…」
「いや、まぁ俺もなんだけどここは気を引き締めていかないとな…」
「そうだね。ごめん気を引き締めるよ」
「その調子だ!じゃ、今度こそ行くぞ!」
その瞬間俺は木剣を構えて日向との距離を縮める。すると日向が何か魔法を放ってきた。
「水弾」
うわっ!?いきなりなんか水の球を撃ってきやがった!だが甘い。
「うぉりゃ!」
大きく剣を振りかぶり水弾目掛けて斬りかかる。
「水弾を木剣で斬るなんてすごいね…」
まぁこのくらいの芸当はできるんだよなー…親父にドヤされながら頑張った剣道が役に立ってるな。そして水弾を切って日向が動揺している隙に距離を縮める。
「す、水d!」
日向が魔法を詠唱する前に日向の前に詰め寄り首元に剣を突きつける。まず一本目。
さてなぜ俺が勝てたのか。大きな要因は2つ。
まず1つ目。前衛職の俺がいくらステータスが低かろうが後衛職にこの距離は対処がしんどい。
2つ目は日向の圧倒的経験不足だな。これを解消するためにわざわざ俺はステータスを落としてフェアな状態で戦っていたのだ。まぁ俺も結構全力で動けて楽しいからいいけど。
『マスターって戦うのが好きなんですか?』
嫌いとは言えないな。なんか戦いになると全身の血が疼くんだよ。
『バトルジャンキーですね』
褒め言葉だな。さて、日向も思ったよりも自分が戦えないことに気づいて次はどうするか真剣に考えているな。いいことだ。今日はこのまま自分たちの技術面を上げることにしよう。日向の力も大体わかってきたしな。これで俺も指示がしやすくなる。
「さて、もう一回いくぞ!」
「うん!次は近寄らせないよ!」
それからかれこれ2時間くらい休憩を少し挟みつつ2人で戦いまくった。最初の方は俺の勝ちの方が多かったが後半になるにつれ日向の勝率も上がってきている。これである程度近距離戦闘もできるようになるだろう。まぁ俺からすればまだ初心者を抜けたくらいの実力だが…
楓はまだ初心者と言ったが日向の戦闘力は冒険者のランクで言えばとっくにCランクの魔術師と遜色ないほどだった。
「さて、今日はこのくらいにして、帰るか」
「そうだね。だいぶ私も疲れちゃった」
2人して帰る準備をしてさっさと街に帰る。
「だいぶ私も強くなってきたかな?」
「まだ、練習初日だぞ。まだまだこれからだ」
「でも、楓くんに最後らへん勝てたよ?」
「俺も、まだまだこれからだ。もっと戦うレパートリーも増やしたいしな」
「そっかー。まぁゆっくりやっていこうよ!」
「そうだな」
そして街に戻る。今日はお金も結構稼げて、自分たちの修行もできて、結構有意義な日だったな。
あ、宿の更新もしておかないとな。とりあえず5日分くらいでいいか。
「さて、宿の更新もしないといけないし、宿に行って夕食だな」
「そうだね!お腹減っちゃった!」
この世界夜に明かりが一般的に普及していないから夜は早いみたいだ。昨日も9時には外は静かになっていた。
「明日はまた、午前中はクエストを受けて午後からは今日の場所で修行だな」
「そうだね。明日もがんばろ!」
「おう」
こうして、異世界2日目も濃い1日となって終わりを告げたのであった。




