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初対面 2


「私は2年A組の座学担当のシエラよ。よろしくね」


楓の紹介が終わった後20代位の女性が手を上げて楓達にそう自己紹介をする。


「彼女が君達と同じクラスの担任だ。分からない事は彼女に聞けば良い。まだ若いがかなり優秀だからな」


「いえ、私なんてまだまだです」


シエラはそう答えていたが何か自信の様なものを感じられたから事実なのだろう。


「シエラ先生、よろしくお願いしますね」


「えぇ、よろしく」


お互いの間でも軽く挨拶を済ますとシエラは手を招いてこっちにと呼んでくれたので全員でシエラの近くに行き空いている椅子に座る。


「カエデくん達はまだこの学院についてよく分からない事も多いだろう。実力は確かだからしっかりサポートしてやってくれ」


モッカー校長はそう言って部屋を出て行く。


それからしばらく事務連絡等があり生徒が登校してくる時間に解散となりそれぞれのクラスへと行く。


「まず午前中は座学なんだけどせっかくだから見ていけば?みんなに紹介した方が良いだろうし」


「分かりました、助かります」


シエラが楓達にそう提案して来たが断る理由がない為了承する。


「はーい、私達の教室はここだからとりあえず実技の時間になったらここに来てちょうだい」


中に入ると大学の教室みたいに段になっていた。


一クラス大体40名らしいが明らかにもっと入るぞ。


そんな事を考えているとポツポツ生徒が教室に入って来た。ここでも皆一様に驚いた表情をされ友達同士で楓達の事を噂していた。


やがて9の鐘がなり授業が始まろうとする。この学院の始業は9時みたいだ。ここら辺もあまり日本の学校と変わらないな。


「はーい、みんな注目。今日からしばらくビル先生の代わりで実技を教えてくれる先生よ。自己紹介してもらうからしっかりと聞く様にね」


シエラはそう言って楓達にバトンパスをする。


「クラン『無限の伝説』のクランマスターをしている楓だ。今日からしばらく君達の実技を担当する事になった。同い年らしいが実技に関しては君達に負ける気は無いししっかり指導してやるからよろしく頼む」


楓の自己紹介が終わると驚く声がちらほらいた。


それもそうだろう、ミルの婚約者として大々的に発表されていたのだから。


あと、まぁこれが大半だが楓の挑発とも取れる自己紹介に敵意を表しているものがいた。


『どうして普通に自己紹介が出来ないんですか?』


大丈夫、これも作戦のうちだ。


「えーっと、日向です。これからしばらく頑張っていきましょう」


日向は緊張しているのかありきたりな自己紹介になっていた。


「ミルテイラ・デスハイムです。旦那様の補佐をさせていただく予定ですが王女とか関係なく気軽に話しかけて下さいね」


ミルは微笑みながら自己紹介をした。何人かの男子生徒が顔を赤くしていた。


あれは落ちたな。ミルはやらんけど…


「アルメダです。あ、カエデを舐めない方がいいよ。実技の時間になったら分かるけど本当におかしいから。これからしばらくの間よろしく」


アルの自己紹介というか忠告に生徒たちは半笑いだった。


みんな身贔屓とでも思っているのだろう。まぁ、後でしっかりと実力を見せるつもりだから別にいいけど。


「みんな、カエデくん達は君たちと同い年だけどすでに冒険者として活躍されているから良い経験になると思うわ。しっかりと先生と言う様に」


シエラのその言葉に生徒達は嫌そうな顔をしている。まぁ俺も同年代のどこの誰とも分からない奴を先生とは言いたくないな。


「あー、あんまり無理しなくていいぞ。俺達も先生って言われたい訳じゃないからな」


楓はそれだけ言っておく。後で生徒達に難癖つけられるのも嫌だからな。


「だって、まぁそこら辺は君達に任せるわ。じゃあ今から座学を始めるわよ。カエデくん達も後ろの空いている席で見ていて良いわよ」


おぉ、それは良かった。今から昼までどうやって時間を潰すか考えなくて済むからな。


「ありがとうございます」


楓は素直にお礼を言って空いている席に座りに行く。ちょうど四人座れるスペースが一番後ろにあったのでそこに座って座学の授業を見ている。


今シエラがやっているのは魔法理論の様だ。


『マスター』


あぁ、分かって

いる。賢者スキルを舐めるなよっと…


「シエラ先生そこの魔法陣ミスってるぞ」


シエラは召喚魔法の魔法陣の展開の方法を紹介していたがそもそもの魔法陣がミスっていた。


「あ、本当だ。ありがとうカエデくん」


シエラはにっこり微笑んで楓にお礼を言う。他の生徒は意外そうな顔をしていた。自分達が知らない物を知っているというだけで少し悔しい様だ。


流石は王立学院、向上心というか敵対心はいっちょまえだな。


『バカにしてますよね?』


…。


その後は何も主だった事はなく午前の授業は終わって行く。


今から昼食をとって実技だ。


さて、存分に楽しんでもらおう。楓は悪い笑みをこぼしているのだった。

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