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深夜コンビニ妖怪譚  作者: かけだし ゆたんぽ
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初めての出会い

深夜のコンビニというのは、時に不思議な人々がやって来ることがある。

ただ、その不思議な人々が必ずしも「人」とは限らない…………


♪~♪♪~…

「はぁ…だ~れも来ないなぁ…」

私以外誰もいない深夜のコンビニで音楽だけが流れている。孤独感を紛らわせるために入り口のほうに目を向けるが、深夜だけあってひとっこひとり通る気配がない。私はこのコンビニ以外の全ての場所で時間が止まってしまっているような錯覚に襲われた。

青山(あおやま) 小枝子(さえこ)作家としていまいち注目されず、生活のためにこのコンビニで深夜にはたらいている。

(せめて一人くらいお客さん来ないかなぁ…)

そう思い溜息を吐いたとき…


ウィーン…


自動ドアの開く音がした。

(お客さん!!)

入って来たのは、染めているのか銀色の髪でスーツ姿の四十代位のどことなく疲れているように見える男性が入って来た。

「いらっしゃいませ!」

「あっ、ども…」

(返事してくれた!普通の人は無視するのに!)

その男の人を目で追っていると、1リットルのトマトジュースと野菜ジュースを5本ずつかごに入れた。そしてスタスタとレジへとやって来た。

「お願いします。」

「えっ…」

思わず驚きの声をあげてしまった。

「ん?どうかしましたか?」

「あっ!いえっ何でもありません!お預かりします…」

(ダイエットでもしてるのかなぁ…)

私はつい心配して男の人を見つめてしまう。よくよく見れば目の下に隈まで作っている。

「あの…私の顔、何かついてますか?」

「あっ!失礼しました!」

「いえ、それよりお会計…」

「あっはい!2700円になります。」

「これでお願いします。」

「はい、5000円お預かりします。」

ピピッ…ジ~ジジッ…ビリッ!

「2300円のお返しです。レシートは如何なさいますか?」

「あっ、貰います。」

「はい!ありがとうございました!…おやすみなさい!」

「はい…おやすみなさい。」

男の人は微笑を浮かべて、返事を返してくれた。


これが、私の不思議な出会いの…あまりにも平凡な始まりだった。












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