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洞窟の入り口が中々見つからない。
森の入り口から見えた洞窟のサイズが変わらない。
歩けども歩けども一向に近づいている気がしない。
「これってアレじゃね?
正しい道を歩かないと延々とたどり着かないトリック」
おー!
冴えてるねー!
という事で作戦会議。
森の入り口から大分進んできてしまったので最初からどの道を歩かなきゃいけないとかだったらアウト。
勇者様の転移魔法で森の入り口に戻る事も考えたんだけど、転移魔法が展開できないらしい。
展開しようとするとどこかに力が吸い込まれていくという。
いいネタが思い浮かばないと頭を抱えていたところに、
「何何?北へ向かえ。
おーい、北ってどっち?」
勇者様から声がかかる。
勇者様の隣に立つ魔術師様
「指揮官、看板がありますね。
これが道標のようです」
今日の勇者様は冴えてるねーって思いながらみんな看板の前に集まる。
看板は結構目立たない所に立っててこれからは隅も注視しましょう。となった。
んで、北がどちらかご存知の方。
「この森からは太陽が見えません。
きっと夜になっても星は見えないでしょう。
もしかしたら時間の概念がないのかもしれません。」
つまり、方角を示すものがない、という事。
しかも時間の概念云々ってなったら大変!
ようやく外に出たら私達だけお年寄りになってた!とかあるかもしれない。
キャー!
「でも、北に進め。って指示してるんだからどこかに方角のヒントになるモノはあるんじゃないの?」
私1人で青くなってて誰も気にとめない。
「大丈夫か?」
魔王だけは違ったみたい。
少しだけ心がほんわかした。
ほんの少しだけね。
「結局ラチが明かないって事か。
とりあえずこの辺は魔物も出ないから休憩するか。」
そう言いながらさっさと座る勇者様。
念のためと言いながら簡易結界を張る魔術師様。
本来であれば結界などの補助系は僧侶様が得意とする分野なのに魔術師様はそれすらも扱う。
「以前僧侶に教えてもらいましたから。」
と事もなげに話すけど、教えて貰ったくらいで使えるようになるなんで。すごい。
ジョブチェンジしてないのに。
もしかして、みんな凄いのかなー。
なんて1人で地味に凹んだ。
そりゃそうだよね。
救世を担った勇者様やその仲間である魔術師様。
それに敵対する魔物達の王。
この世界を裏から支えてきた指揮官。
それに比べて、、、私は、、、。
「おいっ!
気をしっかり持て!
瘴気に取り込まれんなっ!」
気持ちが内向きになっていたところに勇者様に肩を掴まれ揺さぶられた。
「あ、、、。」
心配そうにこちらを見つめる勇者様と魔王。
「この森には微かに瘴気が漂っている。
勇者達には問題ないが、お前には瘴気が強すぎるのだろう。
この指輪を身につけておけ、お前の周りの瘴気が浄化されて息苦しさがなくなり、取り込まれる心配もなくなる。」
魔王の瞳のように黒と金を溶かし込んだような不思議な色合いの石の指輪を私の薬指に嵌めていく。
すっと呼吸が楽になった気がした。
お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
最終話あたりは書き終えましたが、その前がまだ手付かずです。
ガッツリ盛り上げたいなーという思いがあるもののそれを文章にするとなるとこれまた話しは別になります。
現実って厳しい、、、。




