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1話 婚約者に「お前はもう要らない」と言われたので

──グレイス、お前はもう要らない。


ある日、唐突に幼馴染で婚約者のガストンから告げられた。全く心当たりがないのでとりあえず理由を聞いた。


「お前には愛想が尽きた」


最近は会話も少なく時間だけが過ぎていくことが多かったし上手くいってなかった。だけどこうして面と向かって言われると傷つく。



「ガストン様、どうかされたのですか?」



奥からやってきたのは癖のない長い銀髪とコルセットワンピースを着た女性。


「もしかして貴方がグレイスさん?」


「え、ええ。そうですけど‥‥貴方は?」


「お初にお目にかかります。私はエリシャ・マードと申します」



するとエリシャと名乗る女は誇らしげな顔をしながらガストンにそっと寄り添いイチャつきだした。


「やめろエリシャ、人前だぞ」


しかし、ガストンもまんざらでもないようにどこか嬉しそうにしているではないか。


「この度、私たち婚約することになったんですよ」


「へ、へえ‥‥それはおめでたいですね」


この女、私がガストンの婚約者だと知っててわざと言ってるわね。大人しそうに見えてなかなかあくどいじゃあない。


「ということだグレイス。悪いが今日限りでお前との婚約を破棄する」


そう言葉を残しガストンはエリシャ・マードと腕を組みながら屋敷の中へ去っていく。


((こっちだってそんな話は、願い下げよ!!))


──もう、あの男と二度と会うことはない。と私はグッと拳を握りしめた。

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