第96話 生徒会欠員補充に悩む
入学時に役員候補として選ばれた七名のうち、ミリア、バルドリック、ザロモ、そしてエミール王子と計四名の生徒が学園を去った。辞退する人間は毎年何名かいるが、半数以上が学園からいなくなるなんて前代未聞だ。
乙女ゲーム対策として自分もいろいろ動いてはいたが、この事態についてはなかなか厳しいものがある。
「男が一人もいなくなった……」
サージェス副会長も居心地の悪さを少し感じているようだ。
「そろそろ実技の実力もわかってくる頃だし、それで優秀な生徒をスカウトしてみるよ」
生徒会のメンバーに私は言った。
「『スカウト』とは?」
「ああ、ごめん。うちの領地の方言みたいなもので『見出して登用する』って意味さ」
私は笑ってごまかした。
手始めに私はフェリシアに声をかけた。
以前彼女は、本当はやってみたかった、と、言っていたからね。
彼女は快く引き受けてくれた。彼女が生徒会に参加するようになってから、心なしかサージェスの顔が緩んできている。それは時々、友人のエリーゼが様子を見に顔を出すからだろう。
ここまでは順調だった。
しかし、それ以外の生徒となると難しかった。
入学して数か月たつと、新入生もそれぞれ授業が終わった後の過ごし方が決まってくる。生徒会に声をかけられなかったがそれなりに優秀な者は、課外活動、前世で言うところのクラブ活動に参加している者も多く、今さら生徒会が声をかけても参加してもらうのは難しい状態だ。
優秀、かつ、クラブなどには参加していない帰宅部で、コミュ力も適度にあり、できれば男子が望ましい。
そんな人材いるか!
いや、自分の言葉に自分でツッコんでどうする……。
男子が欲しいと言ったのは理由がある。
実は三年には会長、書記、会計と生徒会室に入り浸っている役職のほかに、学園内を巡回する役目の者もいるのだ。
風紀委員や保険委員やそのほかもろもろを併せ持った役割の存在。今はリュート・マルベックが引き受けており、彼の下に同学年の副長とサージェス以外の二年の役員候補がついている。
外部から雇い入れた衛兵隊と連携してもめごとの解決に当たることもあり、できれば、他の生徒たちににらみを利かせられるタイプがふさわしい。
たとえば、バルドリックなど適役だったのだがな。
女子でもできないことはないが、リーニャやシュザンナ、そしてペルティナは見た目そのものの可憐さから、なめられる恐れがあり不適格。フェリシアはさすが妃教育を受けていただけあって存在感はあるが、繊細な彼女に一般の生徒同士のもめごとにもかかわる役目は少々荷が重いのではないかと思われる。
どうしたもんかな?
先生たちにも声をかけ人材の紹介をお願いしているがなかなか良い返事がない。
あきらめかけていたころ、ある先生から学期途中から編入してきたある生徒を紹介された。




