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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第7章 断罪イベントの果て
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第91話 リーニャへの報告 ~ミリア、エミール王子の件~

 王宮での問題が一応解決され、私はようやく学園に戻ることができた。


 学園内もいろいろ変化があったようで、その報告を副会長サージェスから受け少なからず驚いている。その日は引き続き業務をサージェスに任せ、私はリーニャの見舞いに行くことにした。


 リーニャは幸い後遺症などは残らないようだが、念のためまだ検査のために入院している。ちなみに学園で起こった事故はすべて保険で補われるので入院費は無料だ。その保険料は王家が負担している。


「さて、何から話そうか。やはり一番気になるのはミリアのことかい?」


 リーニャは無言でうなづいた。


「学園内で起こったこととはいえ、れっきとした傷害だからね。学園の方は退学処分になり、彼女は感化院に送られることになったよ」


「感化院?」


「う~ん、乙女ゲームで言うなら、近いのは『修道院行き』かな。ただ、わが国の宗教機関、つまり神殿では身寄りのない者や素行の悪い者など社会的に不適応な人物を引き受け一生面倒を見るようなことは行ってはいない。だから殺人や強盗などの凶悪犯罪以外の罪については、真人間にして社会に戻すための感化院に送られるんだ」


「要するに一定の期間服役するみたいな感じですか?」


「服役っていうと微妙に違うけど、修道院並みの質素な生活の中で職業訓練をしながら過ごす場所だね」


「じゃあ、いずれは戻ってくる……」


「まあね。まだ未成年だしそのくらいが妥当だろうって。ただ、公爵令嬢に罪をなすり付けようとしたのだから公爵も激怒されているし、戻ってくるといっても、すぐには無理だろうね」


「そうなんですか……」


 乙女ゲームによくある、処刑エンドや追放エンド、そのほかもろもろのバッドエンドに比べれば穏便だろう。かつて法治国家で生きていた者としては、乙女ゲームの悪役令嬢、逆に悪役令嬢にざまあされるヒロインのエンドは、罪と罰のバランスがあってないと思う。


 ぶっちゃけ、男の取り合いってだけなのにね。


「それからエミール王子とフェリシアだが、婚約は解消になったよ」


 私はエミール王子の話に移った、リーニャはそれを聞いて顔を曇らせる。


「君がそんな顔をすることはないよ。もともとフェリシアが生徒会室に抗議しに来た時点からくすぶっていた問題だったから」


「フェリシアは無罪だったのに婚約解消っていうのが……」


「ああ、勘違いをしているのかもしれないけど、あの時も婚約解消を願い出たのはフェリシアの方さ。国王陛下の嘆願で一度はエミールを許す形になったんだ。でも、階段落ち事件の時、真っ先にエミールが彼女を罪人扱いしたから、ほとほと愛想が尽きたのだろうね」


「ミリアがアピールしていたとはいえ、婚約者のすることじゃないですよね」


「まあね、父親の公爵もカンカンでさ……」


「言いたかないけど、自身を犠牲にして陰ながら学園生活の便宜を図ってくれた婚約者を悪しざまに言うなんて、乙女ゲームの攻略対象ってクズが多いんですか?」


 そこまで言うか!

 やはり現代日本の転生者、不敬罪になりそうなことも平気で口走るな。


「さ、さあねぇ……、別の攻略対象、ザロモの話に行こうか」


 私は慌てて別の人間の話題に移った。


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