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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第7章 断罪イベントの果て
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第89話 王宮での話し合い

 さてさて、リーニャの階段落ち事件。

 その後のフェリシアに対する断罪イベントっぽいやり取り。


 それは一応の決着がついたが、まだ大きな問題が残っていた。

 主犯格のミリアの処遇は警察機構に任せればいい。

 問題は第二王子のエミール。

 彼は公衆の面前で、婚約者であるフェリシアを犯罪者呼ばわりし婚約解消を宣言したのだから、公爵家の怒りはそれはそれはすさまじいものであった。


 そして、前回と同じく、現場に居合わせた私も話し合いに参加していた。


 ミリアがそういうから、と、エミールは言い訳し、国王夫妻もそれで済ませようとしていた。しかし、フェリシアは言った。


「あの状況では私が疑われても不思議はない状況でした。でも、配偶者となられる方にだけは私を信じてほしかった」


 うんうん、わかるよ。

 でも、それをエミールはしなかった、むしろ逆のことをしてしまった……。


「このまま王子と婚約関係を続けていれば、この先もまたどんな形で濡れ衣を着せられ罪人に仕立て上げられるかわかったもんじゃないですな」


 父親の公爵も憤懣(ふんまん)やるかたない様子。


「親子とはよく似るものですね。国王ご夫妻も無実の方に濡れ衣着せたことがおありですものね。処罰された方は確か……、フェリシアと同じような年頃で……」


 すっとぼけながら公爵夫人もきつい皮肉。

 国王夫妻はかつて恋愛ボケボケ脳で無実のヴェルダートル公爵家の令嬢とその親を処刑したことがある。

 そんな『前科』を持ち出すとは夫人も人が悪い。


 いや、この国の高位貴族の中にくすぶるように残っている国王夫妻に対する疑念。

 それを表明するいい機会だと思われたのかもしれない。

 要するに、親がそれでは息子が心を改めると言われてもこれ以上は信用できない、と、言う意味である。


「うちの娘の心の傷は非常に深い。ですから、傷つけた張本人との婚約をこれ以上ごり押しするような真似はやめていただきたい。それからあの場で犯人扱いした者どもたちは、今後フェリシアの視界には入らぬようのもしていただきたいものです」


 さらに別の要求を公爵はつきつけてきた。


 フェリシアに濡れ衣着せようとした者どもを実質的に王都から追い出せ、と、言ってるようなものだ。その対象者の中にエミール王子も入っているのだからさすがに無茶だろう。


 ブリステル公爵、怒りが暴走しているな。


「わかりました。エミールはドゥンケルヒンターの森の駐屯地にやりましょう」


 親である国王夫妻が返答しかねているところ、兄であるジグムント王太子がきっぱりと言い切った。


「「「「えっ!」」」」」


 国王夫妻はもちろん、公爵ですら無茶ぶりの自覚があったのか、ジークの返答に意表を突かれたような表情をした。


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