表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第7章 断罪イベントの果て
89/167

第87話 フォーゲル先生の推理

「私を突き落としたのは……、フェ……、リシアではありません……」


 リーニャが必死に声をふり絞り何かを伝えようとする。


「リーニャ、何を言うの! わかったわ、あなたは公爵家の権力を恐れているのね」


 リーニャの様子を見てミリアが叫ぶ。


「心配しないで、王子殿下だってついていてくださっているのよ。公爵家が権力をもってあなたに何かするようなことは絶対ないから!」


 畳みかけるように彼女は言葉を続ける。その様はまるで彼女に発言させたくないかのようにも見えた。


「その通りだ、フェリシア・ブリステルは殺人未遂犯だ! たとえ婚約者といえど、このような悪行を僕は許さない」


 それを受けてエミールが言う。


「それはちがいます!」


 フェリシアが必死に主張するが、周囲の目は彼女に厳しいままだ。


「静かに!」


 フォーゲル先生がざわついている生徒たちを一喝した。

 そしてザロモに向かって質問する。


「先ほど風魔法の痕跡がリーニャ嬢の周りに残っていると言ったが、君はその魔法がどういう形で使われたと推察しているんだい?」


「それはたぶん……、風の力でリーニャを階段上から突き落として……」


 ザロモが答える。


「残念ながらはずれだ。風の力などなくてもあの階段の一番上から下まで落下したなら、この程度のけがでは済まない。ましてや風の勢いが加わって落下していたなら、リーニャ君は今頃生きてはいないよ。しかし、現実は違う。つまり風の力は突き落とすためではなく、転落するリーニャ君の衝撃を和らげるために使われたんだ」


 フォーゲル先生はこの場に集まった者たちに理解できるように、言葉をかみ砕いてゆっくりと語った。


「お、おっしゃる通りです。リーニャさんが落ちてゆくのを見てとっさに……」


 先生の言葉を受けてフェリシアが言う。


「それで、落ちる瞬間ふわっと……」


 リーニャも合点がいったように言う。


 だったら人命救助じゃ、と、周囲の人間のフェリシアへの非難のまなざしが少し緩んだ。


「な、なるほど……、勉強になります。しかし、それはフェリシアが突き落としたのではないという証拠にはならない」


 ザロモは少し気まずそうな表情をしたが、気を取り直しそう断言した。


「自分で突き落としておいて風魔法で衝撃を和らげたと見ることもできるな。リーニャが死んでしまえば殺人犯になってしまうからな」


 エミール王子もそれにかぶせるように言った。


「そんな……」


 フェリシアが絶望的な声を出した。


「ザロモ、あんた! エミール殿下もだけど、フェリシアになんか恨みでもあるの?」


 ペルティナが弟のザロモにきつくつっこんだ。


「そういうことじゃないよ。状況を見て僕は予想しているだけさ、ミリアの証言から考えても……」


 ペルティナの厳しい声にザロモが口ごもる。


「予想というけど、外しっぱなしだよね。それにリーニャは違うって言ってるよ」


 これ以上は泥仕合だな。


「わかった。じゃ、白黒はっきりつけようじゃないか!」


 私の出番だな、リーニャが例の薬をちゃんとつかってくれていればの話だけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ