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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第7章 断罪イベントの果て
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第85話 転落【リーニャ視点】

『お話がありますので、放課後東の塔へ通じる階段上までご足労願えないでしょうか。必ず一人でお願いいたします。フェリシア・ブリステル』


 手紙にはこう書かれていた。


 何の話だろうか?

 うわさなら否定したし、エミール殿下との接点も最近はめっきり減っているのに?


 ミリアも手紙をのぞき込み、どうするの、と、聞いた。


「とりあえず行ってみる。ミリアは先に生徒会室に行ってて」


 もとは王宮だった建物を改装して建てられた学園の校舎の東には、物見に使われていた塔に通じる長い階段がある。下の廊下は東の校舎に通じる廊下になっているので、それなりに人が通るが、一気に三階まで昇れる長い階段の一番上の踊り場のあたりはめったに人が来ない。


 私は踊り場のところでフェリシアを待った。

 そしてしばらくすると彼女はやってきたが、私に意外なことを聞いた。


「あの、リーニャさん、いったい何の御用ですか?」


 えっ、呼び出したのはあなたじゃ?


 しかし、フェリシアはポケットから私の名で呼び出された手紙を見せた。


 どういうこと?


 二人で首をかしげていると、めったに人の来ない踊り場にまた誰かが来る。


 ミリア、やはり心配して見に来てくれたの?


 事態がよく呑み込めないこともあってか、私はミリアに近づいて事情を説明しようとした。しかし、ミリアは無言で私の胸を思いきり突いた。


 えっ?


 私はバランスを崩して宙に投げ出された。


 そして、ミリアの叫び声が周囲に響き渡る。


「きゃーっ! フェリシア嬢がリーニャを!」


 人がわらわらと集まってきた。

 下に転落した私は腰と背中を強く打ち、衝撃で口がきけず意識がもうろうとしていた。


「な、なにを言ってらっしゃるの!」


 フェリシアがうろたえてミリアに問いかける。

 言ったもの勝ちとはよく言ったもので、集まった人たちは踊り場にいるフェリシアに非難のまなざしを向けるのだった。


 双子のペルティナとザロモが倒れている私に駆け寄ってきた。


「大丈夫、リーニャ?」


 ペルティナがかがんで私の様子を見ますが、私はまだうまくしゃべれない。


「リーニャの周りに風魔法の痕跡があるぞ」


 ザロモが指摘する


「風魔法、フェリシア嬢が得意の?」

「じゃ、やっぱり……」


 ザロモの言葉を受けて周囲のやじ馬が騒ぎ出す。


「違います! 私はただ……」


 フェリシアが必死に否定をしていた。


 そう、突き落としたのはフェリシアではない。しかし、私は背中と腰を打った衝撃でしゃべれなかった。


「先生と生徒会長を呼んできて! あと救急隊も、急いで!」


 ペルティナが集まった野次馬たちにきびきびと指示を出した。


「フェリシア、嫉妬に駆られてこのような真似を! 君のような性悪女との婚約は解消させてもらう!」


 野次馬の中からエミール王子が現れる。そして、フェリシアを犯人と決めつけ、周りにも聞こえるような大きな声で彼女に告げるのだった。


そういえば悪役令嬢に対峙する攻略対象(王子他)はなぜ「嫉妬に駆られて」と言う理由付けで相手を責めるのだろうか? 自分が嫉妬されるほど好かれていることを疑わない自信、ある意味すごいと思う、悪い意味で……。

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