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第73話 婚約解消でスッキリ【シュザンナ視点】

 がっくりとうなだれたヴィンクラー家の人々が立ち上がる。


「帰るぞ、シュザンナ」


 同じく立ち上がった父が私に声をかけた。


「シュザンナは私と一緒に帰ります、自宅を出て一時間後に迎えの馬車をよこすように家の者に伝えておいたので、もう待っていることでしょう」


 ハイディが父の言葉を一蹴する。


「何の権利があって君がそんなことを……、私はシュザンナの父だぞ!」


 父は憤りを見せた。


「ハイディと帰ります、お父様。わかったでしょう、バルドリックの態度を受け入れることがいかに私に苦痛を与え続け、他人にすら迷惑をかけるものだったかを」


 私はハイディに同調し父の言葉に逆らった。

 そしてさらに言葉を続ける。


「私はそれを何度も訴えたのにあなたはそれを聞いてくれなかった。私の気持ちより自分が勝手に描いた理想を大事にするお父様とはもういっしょにいたくはありません!」


 第三者が見ている前では、私の拒絶に対し怒鳴ることもなだめすかすこともできず、父は返す言葉が見つからないようだった。


「それでは玄関先まで私がお送りいたしましょう」


 エドゼル様が立ち上がり、私たちのエスコートを買って出てくださった。


 失意の彼らを残して、私とハイディはエドゼル様とともに玄関に向かい、迎えの馬車に乗ってクラウゼ家に帰宅した。


 その後、バルドリックは学園を退学。


 伯父が父にバルドリックとの婚約解消を了承させてくださった。


 ヴィンクラー家もあのような不祥事を起こした息子では、婚約継続を強く要望することはできなかった。


 そうすると、あきれたことに父は、私の三つ下のヴィンクラー家の四男との婚約を勧めてきた。バルドリックよりは穏やかな性格だから今度こそ大丈夫だろう、ですって……。

 懲りないわね。


 それゆえ、実家には近寄らないことにする。

 最近では手紙に、寂しい、と、泣き言が混じることもあったが、知ったことではないわ。


 カペル家を離れてクラウゼ家の養女にという話も出たが、父がこんな調子だから、カペル家に籍を残す代わりに保護者としての権利は伯父のクラウゼ伯爵が有するという形に落ち着いた。


 現在私はクラウゼ家でアデリーやハイディとは三人姉妹のように過ごしている。


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