第54話 事件は生徒会室で起こったのだから……
まったくもう、やらかしてくれたよ、あの義弟は!
いや、まだ義弟じゃないけどね。
私とジークだってほんとにちゃんと結婚するのかどうかわからないけどね。
ただ、意識の上ではすでに『弟』って感覚だったので……。
国王夫妻は焦りまくってエミール王子にとにかく頭を下げて反省の意を示すことを、徹底的に言い聞かせていた。
生徒会室で起こったことだから、と、王家の方々とブリステル家との話し合いに私も参加をお願いし、同席が許される。
話し合いの当日、国王陛下の「とにかく謝っておけ」的な方針は、早々と相手に見抜かれて痛いところを突かれている模様。
「ファリシアがこれまで殿下のために仕事を肩代わりしてきたことを知っていながら、周りの悪口雑言にあいづちをうって笑っていたそうですな。尽くすだけ尽くさせて、にもかかわらず言葉でおとしめて、うちの娘を『奴隷』か何かだとでも認識されておられるのですかな?」
キレッキレだな、ブリステル公爵。
「あの、私から一言いいですか? 確かにエミール殿下の言動は非難されてしかるべきものゆえ、ブルステル家の方々がお怒りなのも理解できます。事件は学園内の生徒会室で起きました。そこにおける最高責任者は私なので、今回の件を受け、エミール殿下は当面の間、出入り禁止処分といたします」
口火を切り私が発言をした。
「「「出入り禁止、たかが雑談で!」」」
王家の面々が驚く。
やっぱり事の重大性が分かってないようだ。
「たかが雑談? たしかに事情を知らぬ者たちの勝手なうわさ話なら、そういう解釈もできましょう。しかし、公爵家の方々がおっしゃったように、フェリシア嬢がしてくれていたことをエミール王子が知らなかったわけがない!」
「「「……」」」
「つまりエミール殿下はフェリシア嬢のおかげで生徒会の活動に専念できていたのにもかかわらず、あのような暴言を許してしまった、いやむしろ積極的に貶めるような発言をしてきた。そのような忘恩の輩は生徒会にはふさわしくありません」
「そんな、せっかくいい感じで活動を続けてきたのに……」
エミールがすがるように言った。
「そうですわ、むしろ問題の女生徒の方を出入り禁止にしたほうがいいのではないですか。フェリシア嬢もその方がいいですわよね」
息子に甘々な王妃の発言キター!
「彼女は直接悪口には加わっていません。フェリシア嬢を誤解してあのような会話をする面々はいつも決まっていたので、その者たちは私が後で厳重注意に処します。ただ、知らないで言ったのと、知っていながら言ってしまったのでは、罪の軽重が違います」
「でも諸悪の根源はその娘ではありませんか! その娘がいなくなればフェリシア嬢の心配の種もなくなりますでしょう」
親バカとはわかっていたけどここまでくると恐ろしい。
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