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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第3章 いよいよゲーム開始
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第37話 新入生の自己紹介 ~メイン攻略対象とヒロイン~

「まず先触れもなく呼び出したにもかかわらず、快く集まってくれたことに礼を言いたい。君たちは二百名近くいる新入生の中でも特に優秀な学生だ。この学園の運営に携わる生徒会の役員候補としてぜひ経験を積んでほしい」


 私は話しかけた。


 生徒会長になってからは少し男っぽい口調で話をするよう心がけている。

 理由は私にとって会長のモデルと言うとジークだから。

 男口調をまねするのは、いつも家で兄や父の話し方を聞いている私には造作もないことだ。


 評判は上々でうわさによると、前世にあった女性ばかりの歌劇団の男役にあこがれるがごとくに私を見る女生徒もいるらしい。


「それでは成績順に自己紹介をしてもらおうか。一位のフェリシア・ブリステルからは辞退の申し出があったので、二位のエミール殿下から」


 この場にいる新入生の中で最も成績の良いエミール王子にまず話をふった。

 フェリシアのことを言われるのが面白くないのだろうか。一瞬眉根を寄せてしかめたような表情を示したが、すぐに笑顔に戻って話し始めた。


「僕の名はエミール、できることなら学園では『殿下』という敬称無しで呼んでほしい、よろしく」 


 おやおや、その言葉。

 かつて彼の兄ジークが、『殿下』をつけずに愛称で呼んで、と、私にいわれたことを思い出すなあ。


 王族という特殊な身分に生まれ育ったものが望むのは一緒ということかな。


 でもそれについては彼らの母エシャール王妃に横やりを入れられたんだっけ。

 だから今は、二人きりの時しか私は婚約者の王太子を『ジーク』とは呼ばない。

 実際、この場にいる生徒たちにそのことを望んでも、その通りにすればその生徒が非常識扱いされるだけではないかと思う。


 エミールの気持ちは痛いほどわかるけどね。


「それは生徒会の者に言ってること? それとも学園に通っているもの全員に望むことなの?」


「親しさの度合いがそれほどのない者にとっては『殿下』の敬称なしじゃ、かえって呼びにくいかもしれないわよ」


 アデリーとハイディ、双子の姉妹がつっこんできた。


「そうですね、少なくとも一緒に生徒会の活動をする人たちにはそうしてもらいたいかな」


「とりあえず、希望は希望として聞いておこう。呼び方はそれぞれの判断に任せる。呼び方はどうあれ、この生徒会では生まれ育った家に関係なく能力に応じて公平に仕事を振り分けていくから、そのつもりでね」


 私はエミールの言葉を〆て次の進んだ。


 成績第三位は平民上がりの男爵の娘、リーニャ・クルージュ。


 その独特の髪色でヒロインだとすぐにわかった。

 第一印象は小柄でかわいい小動物を連想させる娘。

 謙虚そうだが卑屈な感じはしない。


「はじめまして、リーニャ・クルージュと申します。元は平民でしたが『レイゾウコ』の発案の手柄で男爵位を賜りました。娘の私も魔力を持っていたので学園に入学できました。よろしくお願いします」


 かつてヴァイスハーフェン家が行った公募で『レイゾウコ』のアイデアを出した元平民。幼い娘のアイデアだと彼は言っていたけど、彼女だったのか。


 あのアイデアを出したということは、リーニャは私と同じく近代日本の前世の記憶を持っているかもしれない。パート1のヒロインが記憶持ちの転生者だとするなら、少し厄介なことになる可能性がある。対峙するのは私ではなくフェリシアだが。


 面と向かってきくわけにはいかないし、うむ、とりあえず彼女の動きは注視して行くことにしよう。

 

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