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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第2章 乙女ゲーム開始準備
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第28話 家電のアイデアを出したのは誰?

「ところで『レイゾウコ』のアイデアを出したのはどんな方ですの?」


 私は急いで話題を変えた。


「ああ、あれか……」


 他家の跡目相続の話なら意見が出尽くしていたので、話題を変えることにはすんなり成功した。


 父は記憶を探っているようだ。


 最近、ヴァイスハーフェン家では国民の生活を便利にするための魔法のアイデアを公募することにした。目安箱を設置するように箱を様々な場所に置き、そこにアイデアをかいて投稿してもらう。


「王宮の下級文官だったかな。平民出だが魔法が使える」


「まあ」


「四角い箱に冷却魔法を込めた魔石を入れて、食物を保存するなんて私たちには思い浮かばないアイデアだったよ。庶民の家には食物倉庫もない家が多くあったのだな」


 確かに!


 その投稿を読ませてもらった時、これは『レイゾウコ』じゃないか、と、私は気づいた。


 しかし、なぜ自分が思い浮かばなかったかと言うと、公爵家では大きな倉庫に食物を保存し、冷蔵や冷凍が必要なものについてはそれ用の魔石を設置している。

 だから、庶民の家もすでに『レイゾウコ』があるだろうから、今さら新たなアイデアとして出すものではないと思い込んでいたからだ。


「庶民の生活において必要なものは庶民でないとわからないということですね」


 兄は言った。


「開発状況はどうなっていますの?」


 私が質問した。


「ああ、箱を二段に分けて上段に冷却用の魔石。そして下段に食物を入れるようにする。基本構造はこれで行くが、箱の大きさと魔石の大きさのバランスなど、まだいろいろつめなきゃならなことはあるんだ」


 父が答える。


「家族構成はそれぞれの家によって違うので、いくつか違う大きさのものがあった方がいいと思いますわ。あと食物を入れる下段には棚のようなものを取り付けると便利だと思います」


「サラは賢いなあ! うむ、さっそく開発部にそれを伝えておこう」


 前世の経験に基づくものですけどね。


「そういえば投稿してくれた文官だけど、アイデアを出したのは彼の娘だったらしい。子供の発想と言うのは時に大人が驚くような意外性を発揮するものなのだな」


「お父様、その文官にはしっかり報いなければ」


「サラは優しいなあ」


 優しさで言っているわけではない。


 この国の常識からすれば、平民出の下級文官が公爵に認められたということ自体が『ご褒美(ごほうび)』になるのかもしれない。

 でも、特許や知的財産権などの概念を知っている元日本人としては、国民生活を豊かで便利にするアイデアを出した文官が報われず、公爵家だけが美味しいとこどりするのにはどうにも抵抗を感じるのだ。


「そうだな、今度男爵に推薦してやろう」


 たまに平民の中から出る魔力持ちは、国への貢献が認められると男爵の位が与えられる。


「それはいいですわね」


 わたしは手を叩いて答えた。


「やつの娘も魔力持ちらしいから爵位はおそらく喜ぶであろう」 



 読みに来ていただきありがとうございます。

 ストックがなくなったので、ここから先は不定期公開になります。

 できるだけ早く更新できるように頑張りますので、見捨てずお付き合いください。


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