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悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない  作者: 玄未マオ
第2章 乙女ゲーム開始準備
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第25話 翡翠色の学園教師

 ジークの入学後、長兄オーティスの学園時代の友人が訪ねてきて、彼らが話している応接室に顔を出すように、と、侍女が伝えてきた。


 アルト・フォーゲル。

 翡翠色(ひすいいろ)の髪をした青年である。


「妹のサラだ。来年学園に入学するんだ」


 兄は私を友人に紹介した。


「初めまして、サラ殿。学園で教師をしておりますフォーゲルと申します」


 友人は胸に手を当て恭しくお辞儀をした。


「お前もいずれヤツの教え子になるから、一応、紹介しておこうと思ってな」


 兄は言った。


「今は新入生の火と水の授業。それから魔物の授業の補助をしています」


「まあ、じゃあ、ジークも教えてもらっているのかしら?」


「「ジーク?」」


「あ、いえ、あの……、ジグムント王太子殿下です」


 私は慌てて言いなおした。


「ああ、そういえば王太子殿下も入学しておられると聞きました」


「いまいましいことに妹の婚約者なんだ」


「なんだい、兄としての嫉妬全開な言い方は?」


「嫉妬じゃねえよ」


 兄とフォーゲル氏はじゃれ合うように言い合った。


「あはは、余計なこと言っちゃいましたか。フォーゲルさんは学園の教師になる前は一体どこで?」


 私は話を切り替えた。


「王都の東部にある初等学校の教員をしていました。僕は伯爵家の五男だから、研究職に付きたくてもすぐに王宮直属のところにつとめられるわけじゃないからね」


 そうか、よほどの成績優秀者か、高位貴族の子弟でなければ、卒業してすぐに王宮が関係する部署に務めることはできないからね。


 教職というのは通常、第二子以下の家を継ぐことのできない貴族や魔力持ちの平民などが、魔力で国に貢献して新たに爵位を得るためにまずつく仕事。


 最初は各地の初等教育の教職に当たり、経験を積めば学園の教師。

 さらにその後は研究職に就いたり、文官になったり。

 つまり、学園の教師というのは各々のキャリアを積むための通過点のような仕事なのだ。


「僕は魔物の研究者になるのが夢なんだけどね。できれば、森の中央駐屯地の研究所で働いてみたいなあ、と」


 次兄ライナートがぶつぶつ言っていた場所に行きたがる人もいるんだ。

 でも、そこで働いてみたいなら、運営元の我らがヴァイスハーフェン家との縁はつないでいた方が有利だよね。


「こいつ昔から変わっていたからな。夢想癖があるというか。髪の毛が翡翠色なのを女子にほめられたら、どや顔で『ヒスイはカワセミの色なんだよ』って言いだすんだぜ。性懲りもなく何度も。カワセミってなんだよ? そんな魔物いたっけ?」


 兄の発言に私は息をのんだ。


 カワセミ、鮮やかなコバルトブルーの羽をもつ水辺に生息する鳥。

 空飛ぶ宝石ともいわれる美しい鳥として前世の日本では知られていた。


 この人はそれを知っている?


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