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第120話 エルフ王の来訪

 少し気まずい空気が流れた瞬間、またまた別の声がその場に響いた。


「説得はすんだか、ティオ」


 目の前にいたのはプラチナブロンドに金色の瞳の男性とティオレと同じ髪色をした女性、どちらも見た目年齢二十歳過ぎ。


「エルフ王、どうしてこちらに?」


 フォーゲル先生が声をかける。


「ばかな、あなたが、そんな……」


「イレーネ様……」


 公爵夫妻がエルフ王の隣に居る女性を見て驚愕の色を見せた。


「お久しぶりですね。やはりお二人は結婚されたのですね」


 イレーネと呼ばれた女性は公爵夫妻に穏やかに声をかけた。


「昔と全く変わらぬ姿、あなたは本当に生きている人間なのか?」


 公爵夫妻とその女性は昔の知り合いのようだ。


 女性の方はティオレと同じ髪色やよく似た顔立ち、彼女がティオレの血縁であることは間違いないだろう。


「エルフと人が結ばれると、人からはエルフに不滅の魂を、エルフからはその長い寿命の一部が人に分け与えられる。ゆえにエルフと結ばれた人は年を取りにくく長命となる。といってもあくまで人間の基準で長命かつ若いということだがな」


 不思議に思っている公爵夫妻にエルフ王が説明する。


 イレーネはこちらに向き直りゆっくりとお辞儀をした。

 それはそれは美しいカーテシー。


「初めまして、ティオレの母です。こちらのお嬢様がたは学園でティオレと仲良くしてくださっている方々ですね」


 見た目、お姉さんくらいにしか見えないのだが、やっぱりお母さんか。


「こちらこそ、彼は優秀なので生徒会の希望の星ですよ」


 私はイレーネにあいさつを返した。


「なつかしいわね。学園時代を思い出すわ。最後がろくでもなかったけど……」


「それは卒業パーティのことですか?」


 私がすかさず質問した。


「ええ、そうね。人に冤罪をかけた王太子一派、ああ、今は国王夫妻でしたね。それを傍観するだけの公爵夫妻のような方々……」


 うわあ、イレーネ様、にっこり笑いながら強烈な皮肉。


「なるほど、その傍観者の娘が下手をしたらイレーネ様と同じような目に合う危険があったと……」


 フェリシアも『悪役令嬢』だからね、公爵夫妻は少しきまりが悪そう。


「彼女に罪はありませんものね。アランが耳にした『叫び』の内容が、どうしても過去の私と重なって……」


「はあ? おやじ、フェリシアの心の『叫び』は数百年前の(ミューレア)に似ているから気がかりだって言ってなかったか?」


「ああ、いや、その……、もちろんミューレアと同じ能力を持った娘が、その……」


 親子三人で何やら話しておられる。


「つまり、エルフ王は息子のティオレ君に頼んでフェリシアを自分の元に連れてきてもらったことがあった。動機は表向きミューレア王妃と同様のということだったけど、実はご自分の奥さまと似たような悩みを持った……」


 ミンディが解釈を始める。


「要するに奥方が気がかりなことを解消したかったということですね」


 私も手短に補足説明をした。


「なら、そうはっきりと言えよ、わかりづらい!」


 ティオが父であるエルフ王アランティアを小突き、エルフ王は少しバツが悪いのか咳ばらいをされた。


 妻のイレーネは艶麗な笑みを浮かべ、そのあとは夫のエルフ王と見つめ合って、いや、この状況で二人の世界作られても……。



読みに来ていただきありがとうございます。

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