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第118話 ブリステル公爵家にて

「すでに衛兵たちに囲まれているな」


 庭の木々が密集した外を囲んでいる衛兵たちからは見えにくいところに、私たちは着地した。


「敷地内ならプリュムも飛ばせそうだ」


 私は魔法鳥にメッセージを込めてブリステル家の人の元に飛ばす。

 しばらく待っているとフェリシアが侍女と一緒にやってきた。


「皆様、よくここまで!」


「とりあえず状況を知らせたい、中に入ってもいいかい?」


「もちろんです」


 フェリシアは私たちを邸内に招き入れてくれた。


 王宮から派遣された衛兵隊は、代表が一人屋敷に入り国王からの書簡を渡した以外は敷地内に入らず、ブリステル公爵邸の周りを囲んでいるだけだった。まだ強硬手段で連行するのではなく、自主的に登城を促している段階らしい。


 それでもすごい数!


 公爵邸の敷地の面積自体がすごいからそれを余さず覆う数、ええと……、数えることは難しいが相当な数というわけだ。


 フェリシアに連れられ私たちが屋敷に入ると、彼女の両親が沈痛な面持ちでいらっしゃった。


「これは、ヴァイスハーフェン嬢。おお、ミンディ先生もいらしてくれたのですか!」


 フェリシアの父のブリステル公爵が言った。


「ええ、愛弟子の窮地に駆け付けないわけないでしょう」


 ミンディが即座に答える。


「今回の状況について混乱されておられると思います。そのことについて説明をしにまいりました、それからこの二人は……」


 続いて私が説明を試みる。


「初めまして、公爵閣下。私はフェリシア嬢の通う学園で教鞭をとっておりますフォ―ゲルと申します」


「私はフェリシアと同じクラスで、生徒会でもご一緒させていただいておりますリーニャ・クルージュと申します」


 公爵夫妻と初対面のリーニャとフォーゲル先生が自己紹介をした。


「エドゼルが反逆罪でとらわれていると言うのをご説明いただけますか?」


 公爵の求めに応じ王宮での一連の出来事を説明した。


「ヴェルダートル! なぜ今さらその名が? それにフェリシアとハーフエルフがって何のことですか? エミール王子殿下と婚約解消して以来、私どもは娘の結婚について何も動いておりませんぞ!」


 公爵は驚きとも怒りともとれる反応を見せる。


「確かに言いがかりじみているのは事実です。王宮には少々怪しげな空気が充満していましたし、それの正体がつかめず私たちもなんとも……。そうだ、フェリシア自身は何か思い当たることがあるかい? 王妃の言っていたハーフエルフっておそらくティオレのことだと思うのだけど」


「ティオレですか……」


 フェリシアが少しもじもじする、怪しい。

 ティオレのフェリシアに対する『好意』は少々あからさまに見えるが、彼女の方もまんざらではないのか?



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