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第116話 軟禁状態での会話【リーニャ視点】

 私とミンディ、フォーゲル先生も衛兵に連れていかれ、城の一室に三人一緒に閉じ込められた。


 客間かしらね?

 ベッドはそれなりに大きいサイズのが一つ。

 ホテルで言うならツインの部屋に男女三人適当に押し込めたのかしら?


 配慮に欠ける乱暴なやり方、でも、今回は逆にそれが幸いしたかも。

 私たち三人はソファーに座って今回の事態を整理することにした。

 文殊の知恵は三人いればできるものだから。


「懐かしい名前を聞いたわね。ヴェルダートルか」


 ミンディがつぶやく。


「ヴェルダートルって?」


 私は理解が追いつかず彼女に尋ねる。


「二十年ほど前に反逆の罪でほろんだ公爵家の名前よ」


「そんな名前の公爵家ってありましたっけ? 歴史で習う公爵家は、ルルージュ、メレディス、二家は昔ほろんだ。そして二十年ほど前にはフェイダートルが跡取りがいなくて断絶。現在残っている公爵家はサラ会長のヴァイスハーフェンと、エドゼル様やフェリシアのブリステル」


 私は歴史で習う建国以来の五大公爵家を思い出した。


「それね。実は二十数年前に起こった『反逆』の事実を隠すために改ざんされているって話なのよね」


「改ざん?」


「ええ、事実を知っているのは一部の高位貴族だけ。クルーグ家は代々魔法省の重鎮を占めていたから、当時を知っている者からこっそり教えてもらったんだけど、その『反逆』は国王と王妃が着せた濡れ衣だって話なのよ」


「濡れ衣? まさかエドゼル様も?」


「う~ん、そっちはわからないのよね。ヴェルダートルだったら、当時の事情から考えると理由は推測できる。でも、ブリステルは軍事のかなめだしそんなところに濡れ衣着せて内戦でも起こしたいのかしら?」


 ミンディが考えながら答えた。

 それから、かつて起こったヴェルダートル断罪のいきさつを教えてくれた。


「じゃ、卒業パーティで国王陛下がイレーネ嬢にエシャール王妃のいじめを追及したんですか?」


「ええ、国王がまだ王太子だったときにね。王妃は当時ヴェルダートル公爵家の足元にも及ばない、しがない男爵家の令嬢だったのよ」


 それではまるで乙女ゲームの断罪イベントではないか?


 私はミンディの話を聞いてこの偶然に戦慄した。

 ミリアに詳しくストーリーを聞いてなかったが、私やミリアが『ヒロイン』である話もそんなエピソードが入っていたし、サラ会長に聞いたルルージュ公爵が滅びたいきさつも確か似たような形だった。


 この偶然をどう解釈すべきか?

 今回のもめごとにどうかかわっているのか?


 考え込んでいるとバルコニーの方から何かがコツコツと音が聞こえた。


「なんだろう?」


 フォーゲル先生が窓の方に近づく。


 外が暗くてわかりにくかったのだが人影だ。


「君は!」


 フォーゲル先生が驚きながら窓を開け、外の人物を招き入れた。


「待たせたね、みんな」


 サラ先輩!


「迎えに来たよ、リーニャ。私と一緒に王宮を出よう」

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