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第113話 帰還【リーニャ視点】

 アルツ氏の治療でエミール王子は一命をとりとめたようだ。


 私は皆と離れ医療施設の中をうろうろと歩き回っていた。行きたいところがあったわけではなく、どこかでミリアが働いている様子を目にすることができるのではと期待したからだ。


 しかし、当ては外れどこに行ってもミリアの姿は確認できなかった。


「ああ、いたいた、リーニャ。帰るわよ」


 ミンディが私を見つけ走り寄ってきた。


「もうですか?」


「アルツ氏はもう少しここに残るわ。魔物の毒はあとで効いてくるものもあるし、念のためにってことであと数日はここにいることにしたそうよ。私たちはここにいてもすることはないし、先に王宮に帰って国王陛下にエルフ王との会合の内容をお知らせしたほうがいいでしょ」


「そうですね、強力な魔物が復活とかいろいろ準備しないとダメそうなことがありますからね」


 アルツ氏を除いた私たち四人は帰ることになった。

 中央駐屯地にある転移装置を使い行きとおなじようにあっという間に王宮に帰り着いた。


「国王ご夫妻がお待ちです。皆様どうぞこちらへ」


 私たち四人は中程度の広間に通されました。


 入り口から見て中央奥の席には国王夫妻が着席されていた。


 エドゼルが先頭で膝を折り曲げて臣下の礼を取り、私たちも続いて同じようにした。彼がアルツ氏の書いた報告書を渡すと、国王はその場で開いてお読みになる。隣に座っておられる王妃もそれに目を通された。


「陛下、ほぼお告げで語られた通りですね」


 王妃が夫である国王に言う。

 国王が王妃の言葉にうなづくとおもむろに立ち上がり号令をかけました。


「エドゼル・ブリステル、反逆の疑いでそなたを拘束する!」


 その言葉にエドゼルはがくぜんとする。

 私たちもあぜんである。


「お待ちください、私が反逆? 何を根拠に?」


「そなたはヴェルダートルの残党と組んで、エルフの血を強く引く者と自身の妹をめあわせ、新たな王朝を作ろうともくろんだであろう!」


 王が周囲を取り囲む衛兵たちにもよく聞こえるよう、大きな声で語った。


「ヴェルダートル……、いったい何のことやら?」


 エドゼルは本当に皆目見当がついていない様子に見えるが?


「信頼できる筋からの情報です。ああ、まさかあの恐ろしいイレーネ様の一族が再び私たちのところに……。今思えば、エミールの大けがも仕組まれたものだったのですわ」


 王妃様がおびえたようなしぐさで嘆く。


「連行しろ!」


「お待ちください、国王陛下!」


 衛兵に両脇を抱えられ、エドゼル様が連行されていった。。


「同行していた三名も城の一室に監禁せよ。エルフの王に洗脳されているかもしれぬ。完全に惑わされてないとわかるまで返すわけにはいかぬ」


 ええっ!

 私たちも連行されるの?


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