モーニングルーティーン
午前5時43分 制服姿でGB350 Sに跨る優凛がいた。
向かった先は住宅街に佇む一軒の喫茶店。朝6時という早い時間だが店はオープンしている。高校からも近く、良い意味で閑散としているためとても居心地がよく、毎日通うようになった。
カランカロンカラン
「……いらっしゃい。……いつものでいいかね?」
お願いします、と言ったもの束の間、いつものカウンター席に座るとパソコンを開いた。その様子に少し呆れた様子で、また夜更かしかね、と薄切りトーストにバターを塗りながら聞いてきたのに対して、そうですね、と少し濁しながらも返した。
「……小説はどうだ?」
「楽しいですよ」
私は小説を投稿するサイトを主な活動場所にしている自称小説家である。と言ってもどれくらい人気になったら小説家を名乗っていいのかよく分からない所があるが、毎回ランキング上位には入るぐらいにはなっているので、良いとは思っているものの少しの抵抗から、自称で止まっている。
そうしてこうやってほぼ毎日、執筆ついでに朝食を食べるようになっていた。いつも通りの変わらない日常に思えたが、だがその片隅に確かに存在する特異点があることを、優凛は理解していた。
(……まぁ格好良く言ってるけど女性と待ち合わせするだけだけどね)
たがパソコンを打つその手は確かに震えていた。
……よし。
小説も一段落し、背伸びをするついでに時間を確認すると、そろそろ出ないと学校に間に合わなくなる頃合いだった。
(今思うと都会でバイク登校ができる学校も珍しいよな)
バイクで登校ができる。それが今の高校に決めた最大の理由であった。
高校に入ってからわかったことで、大体の生徒が近いからなどの安直な理由で決めていた。
(まあそんなもんか)
店の主人と少し会話を交わした後、店を出てバイクに跨った。
「いくぞユーナ」
ユーナというのはGB350 Sに優凛が決めた愛称であり。優凛が女だったとき用に母が考えた優海という名前だった。
(うーいういうい。ちょっとなんで東門半開きなの?これじゃ生徒ヤっちゃうよ。おぉうぃー)
本日の一番テンションが上がった瞬間であった。
そうして駐車場の決められた区画にバイクを止めると、ふと隣のバイクに目がいった。
(男カワサキ……Ninja 250か……)
バイク登校可だとしても大体の生徒が原付きであり、自分見たく普通二輪免許まで取っている人は少ない中で、スボーツタイプのそれは異彩を放っていた。
「触らぬ神に祟りなし…」
そそくさとその場をあとにした。
投稿が遅くなりました。まぁこれからもゆっくりとやっていきます。
確か二部目か三部目で一葵優凛が15歳と書いてあったと思いますが、すみません、間違えました。16歳です。
バリバリバイクに乗ってるので、……うんミスったわ。
後から内容を変に付け足すからですね……はい。
次話では気をつけるとともに、楽しくやっていけたらなと思います。
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