004
――魔術は全部有効化して、新しい危険察知、海、山も有効化、と。
まずは【山】、……山っていうか丘?
つぎは【海】、……も山と似たようなものだね。
まあいいか、全体の配置変えてしまおう。
【草原】を拠点付近に展開。
【山】は拠点右手から少し離れた場所。
【森林】は山の頂上より此方側で山裾より少し先まで。
【砂漠】は山の頂上からそのままの荒れ地を挟んで裾から先へ展開。
【海】は拠点左手から少し離れた場所。
【洞窟】をこれまで通り廃材置き場として拠点の近く。
……うん、悪くないんじゃないかな。
ここで採取できたら更に良いのだけど……。
かなり見た目が独特になったし、モード切替時の空間がこの自拠点か確認しておくかな。
前回と可能な限り同じ条件となるように、拠点フィールドへ移動する。
拠点フィールド内のどこだったかしっかりと覚えていないが、覚えがあるような場所に立つ。
――では……。
〖限定モード〗。
短い時間であったため確信まではできないが、草原に倉庫が立ち並ぶ〖自拠点〗が見えた気がした。
少なくとも白い空間ではなくなっていた。
――森林と海が見えたら確信してもよさそうだけど、視点動かせそうにないし仕方ないか。
〖単独モード〗。
先ほどと似た景色が見え、〖自拠点〗でいいだろうと結論付ける。
――自拠点を見せたくない人はグループどうするんだろ。
リーダーじゃなきゃいいのかな?
見せて困るような自拠点なんて、そうないだろうし、気にしないのかな。
──────────────────────────────
実のところ、〖設定〗にモード切替時の中継風景がある。
初期が〖自拠点〗であり、他に白地、黒地、森林、夜空などが選択できる。
複数選択すると、切替ごとにランダムに抽選された中継風景が見える仕様になっている。
〖自拠点〗を見せたくないプレイヤーは〖自拠点〗の選択を外せば問題ない。
余談だが、すべて未選択にしていると気絶時と同様、体感時間の経過なく切替が行われる。
システム上は時間が経過するため、切替が早くなるわけではないが、視界の切り替え負荷が低いということで愛用しているプレイヤーもいる。
──────────────────────────────
その後、〖自拠点〗からモードの切替を拠点系技巧で風景を調整しながら試した。
〖自拠点〗での切替では動きが制限されるだけで、見ている風景に変わりがないようだ。
【海】で倉庫周りに水場を作り、拠点フィールドで再度モード切替を試すことで、見えているのは現時点の〖自拠点〗だと判断する。
――さて。
素材の保管もできるようになったし野兎にリベンジ、かな。
でもその前に準備しないと。
戦闘中に意識しながら魔術の発動は難しいだろうし、いろいろ試して静的恣想技化しておかないと。
3回ほど採取に向かい、木皿と料理を作成し倉庫に食料を貯める。
しばらく魔術を試すことだけに集中するためだ。
試行錯誤を繰り返し、いくつか気に入った魔術を静的恣想技へ登録した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【削礫】
──────────────────────────────
【統合魔術】【空間魔術】【鉱魔術】【斥魔術】【引魔術】
──────────────────────────────
木の切断にも使っていた魔術の改良版。
縦1500㎜・横100㎜の薄い板状に細かな硬く荒い礫を敷き詰め、それぞれに斥力と引力を持たせ激しい振動を繰り返すようにした継続型魔術。
【散魔術】を使っていたものに比べて削る力が強くなっている。
試しに自分に使ったら触れただけで死亡した。
自傷ダメージにFF軽減が付くかはわからないが、少なくとも150のダメージがあるということだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【火杭】
──────────────────────────────
【統合魔術】【樹魔術】【火魔術】【風魔術】【引魔術】【斥魔術】
──────────────────────────────
芯があったほうが強そうという考えで作った魔術。
杭を火で燃やし風で補助しながら弾き出す。
動く対象に当たる──刺さる──かは不明。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【飛礫】
──────────────────────────────
【統合魔術】【氷魔術】【鉱魔術】【樹魔術】【引魔術】【斥魔術】
──────────────────────────────
尖った様々な礫を広範囲に飛ばす魔術。
菱の礫を前方広範囲に飛ばすようにしている。
練度と慣れで威力が上がれば大量殲滅できるのではないかとひそかに期待している。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【リリース】
──────────────────────────────
【統合魔術】【解魔術】【統合魔術】
──────────────────────────────
【統合魔術】の継続発動を解除する魔術。
解除する継続中の魔術を意識する必要がある。
なお現時点で静的恣想技を同時発動する予定はない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【フリーズエリア】
──────────────────────────────
【統合魔術】【空間魔術】【闇魔術】【熱魔術】【氷魔術】【風魔術】
──────────────────────────────
指定した空間に凍てつく環境を作り上げる魔術。
光も凍る凍てつく様な寒さの空間。
入りたくはないので試してないがきっと寒い。
維持にはそこそこ魔力を消費する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【バーンエリア】
──────────────────────────────
【統合魔術】【空間魔術】【光魔術】【熱魔術】【樹魔術】【火魔術】
──────────────────────────────
指定した空間に燃え盛る環境を作り上げる魔術。
樹が燃え大地を焦がす暑さの空間。
入りたくはないので試してないがきっと暑い(熱い)。
維持にはそこそこ魔力を消費する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【追風】
──────────────────────────────
【魔纏術】【統合魔術】【斥魔術】【引魔術】【地魔術】
──────────────────────────────
探索用の魔術。
前方へ走ることに特化させた。
斥で後ろから押し、引で前へ引き、地で安定させる。
【風魔術】単独より魔力の消費は多いが倍以上速く走れる。
縮地を組み合わせると更に速くなる。
【風魔術】は使ってないがしっくりくる言葉も浮かばなかったため追風。
なお、急停止と方向転換は考えるのもおこがましい難易度となっている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【雷土】
──────────────────────────────
【統合魔術】【磁魔術】【雷魔術】
──────────────────────────────
小さな雷土を落とす魔術。
【雷魔術】単独ではどこに飛ぶか制御できなかったため、【磁魔術】で落ちるポイントを制御しようと試みたもの。
多少はましになったが完全に制御はできてない。
少し離れた場所に落とさないと自分も巻き込まれそうになる。
というか近くに落ちて直撃してなかったはずなのに気絶した。
デスペナルティで理力が半減してなければ死亡していた可能性が高い。
低い命中精度、高い危険度、多大な消費魔力、といいところがないが、見た目は派手で浪漫がある。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【稲走】
──────────────────────────────
【統合魔術】【空間魔術】【分離魔術】【磁魔術】【雷魔術】
──────────────────────────────
【空間魔術】で指定した先に雷を送る魔術。
なんとか【雷魔術】を制御しようとした結果できたもの。
疑似真空に磁極を設定して走る向きを固定した。
指定した空間より先には出ないが、指定した箇所までは確実に【雷魔術】を送り届ける。
短期発動のために作ったのに場所の指定に手間取るうえ、疑似真空化にも時間がかかるため、動く相手には使えない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ヒール】
──────────────────────────────
【統合魔術】【治癒魔術】【回復魔術】
──────────────────────────────
単発の治療魔術。
回復効果を確認するため、自傷ダメージの回復に使ったところ、【回復魔術】だけより【治癒魔術】を組み合わせたほうが回復力が高かったこともあり静的恣想技化。
ただ体力はとても低いので咄嗟に使えるかは未知数。
FEからのダメージでも同様かは要検証。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ヒーリング】
──────────────────────────────
【魔纏術】【統合魔術】【治癒魔術】【回復魔術】【鎮静魔術】
──────────────────────────────
継続治療のために【魔纏術】を使った魔術。
戦闘中に【ヒール】をする余裕を持てるか不安だったため静的恣想技化。
自傷ダメージでもそれなりにショックがあったため、【鎮静魔術】で多少なりとも緩和して落ち着けることを期待。
継続にはそこそこ魔力を消費する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
魔力の回復に合わせ緊急回避用の縮地も練習する。
数回は転びそうになったが、技巧の補助効果のためか魔術の調整が終わるころには縮地の動きにも慣れ、連発しなければ問題ない程度まで使えるようになった。
【魔纏術】をベースとした魔術は練度不足のためか、【ヒーリング】と【追風】の2つだけしか静的恣想技化できなかった。
――これでいいかな。
では、いってみますか!