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ケース#1 カッター

ゲームでよくあるようなウィンドカッターのようなものを【風魔術】【地魔術】などで試してみたが、傷つけることすらできなかった。

【火魔術】に至っては焦げただけだった。

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ケース#2 空間魔術

【空間魔術】だけでは切り込みを入れることすら叶わなかった。

【空間魔術】で薄い板状に固定した空間に【地魔術】などを入れ込むように想像するも発動には至らなかった。

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ケース#3 ウォータージェット

【空間魔術】と【水魔術】と【圧魔術】の組み合わせでウォータージェットができないか試してみたが、威力不足で切断には至れなかった。

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ケース#4 分離魔術

板材に分離するように想像したが、魔術は発動しなかった。

ただし、樹皮の分離はできた。

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ケース#5 砂鋸もどき

【地魔術】で生み出した砂を【空間魔術】により板状に維持し【散魔術】で砂を高速振動させることで直線状に削ることができた。

鋸を使うより早く切れ、他に良い案も浮かばないため採用する。

あと少し魔術を組み合わせることができれば、切断速度をあげることができそうな気がするが、現時点の【統合魔術】では3つの同時発動が限界だった。

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他にも思い付きをいくつか試したが、【空間魔術】と同様に全く発動できないものばかりである。

現状では練度が足りないのか想像力が足りないのか、【統合魔術】【地魔術】【空間魔術】【散魔術】の組み合わせによる砂鋸もどきが最善という結果だった。

そのため、魔術で切断したあとは〔初級研磨セット〕の面鑢でほどほどに仕上げる予定だ。


14本のうち、12本を数日かけて柱として仕上げ、嵌め込みの立方体にする。

嵌め込み部分を作るのは位置を合わせるのと、噛み合うように削るのとでとても神経を使う。

立方体に組み上げるのも、力だけでは出来上がった枠を起こすことすらできなかったので、【地魔術】で作った階段に大工セットの滑車をつけ魔術を駆使して起こす。

空腹値を回復するために食材を採取し【調理】することを除き、家を建てることに集中して過ごした。

柱に使った12本の樹皮側の端財は壁に他の端財は木釘に、残り2本も壁材と床材に使い、2面の壁と少しの床を組む。

追加で10本【伐採】し、同じように壁、床、屋根を付けていく。

7本は床として嵌め込み、屋根は壁と同じ樹皮側の端財に、出入口側の壁は樹皮側だと凹凸が気になるため板を使う。

扉をどうするか悩んだが、今の練度でちゃんと動く蝶番や引き戸ができるか不安になり、木枠で囲っただけの開放戸とした。

こうして結構な時間をかけたが家といえなくもない建物を作り上げた。


建築途中に出たごみは、【携帯枠】に集めるのが手間だったため、廃材置き場を【空間魔術】で指定し【火魔術】で灰にして【圧魔術】で固め売却している。

〔廃棄物〕で品質どころか素材・アイテムの表記もなく0幣での売却だったことから、使うための灰は元となる素材か作るための手順を意識しないといけないようだ。


――できた!

  一軒建てるのにかなり時間かかったな……、大体800時間?

  現実で一人で作るよりだいぶ早いんだろうけど。


〔初級建物 アイテム化1/1 拠点 品質:劣

 注1 アイテム化残数が0でアイテム化すると消失します。

 注2 拠点以外で設置した場合、設置者が1度出るとアイテム化します。〕


――ほうほう。

  まあ品質が劣なのはいいとして、持ち運びできるんだね。

  それに野外でも消耗品として使うことはできると。

  遠征用ってことかな。

  アイテム化はもっと楽に作れるようになってから試せばいいか。


出来上がった家に〔初級調理セット〕などを運び込む。

一息つこうとしたが、風呂も寝具もなく、確かに作ってなかったと気落ちする。

風呂を作ろうとはしたが、廃材の処理が手間だったことから排水の方法を考えるまでは保留にするしかない。

寝具の材料か風呂の仕組みを準備したら優先して作ろうと決めた。


――24本伐採して一軒ね。

  少ないと思えばいいのか多いと思えばいいのか。

  では、当初の予定通り倉庫作りますか!


同じ工程で倉庫に取り掛かった。

作業内容が分かっていることと練度が上がり効率がよくなったことで、500時間ほどで作り上げることができた。


――多少は作りやすくなったかな。

  出来は……。


〔初級建物 アイテム化1/1 拠点 品質:悪

 注1 アイテム化残数が0でアイテム化すると消失します。

 注2 拠点以外で設置した場合、設置者が1度出るとアイテム化します。〕


――おお?

  悪になってるね。

  普にするにはもっと手間かけないとダメなのか、素材が悪いのか……。

  木なのに保護剤塗ってないし、それもあるのかな。

  樹脂……樹脂かあ。

  採取するために長時間待ちたくはないし、何かいい方法ないのかな。

  まあ、見つけたらでいいか。

  で、これはどうやったら倉庫にできるのかな。


触れて念じても倉庫にできず、良い手も浮かばないため〖ヘルプ〗で調べる。

どうやら一度アイテム化する必要があったようだ。

アイテム化残数が消耗していない状態であれば、【携帯枠】でアイテムの種類を変更できるらしい。


――さっそく回収して……、なるほど、初回はアイテム化残数が減らないんだね。

  建物から倉庫に変えて、と。


〔初級倉庫 収納枠50 拠点アイテム 品質:悪

 注1 1度設置すると再度アイテム化はできません。〕


――50!……少ないな。

  品質が良くなれば容量も増え……ないかな?

  さすがに50じゃ心許ない。

  売値は……50,000幣。

  かかった日数に対しては安い……。

  1アイテムとしては破格だけど……。

  ……よし、まともな倉庫が作れるように試行錯誤しながらやってみますかね。


倉庫の作成を再開する前に技巧の練度を確認することにした。


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