007
――なるほど、空腹値に効果はないけど回復力は高いね。
最大10まで入るとして癒草6:魔草4なら……56回復、癒草5:魔草5なら……60回復、と。
最大値までは回復しないけど癒草6:魔草4で作った粉薬は回復に回してもいいかな。
一度に投入できる最大が10であることを確認し、〔癒草〕6:〔魔草〕4の粉薬を2つ作り、〔命草〕の検証に入った。
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〔初級粉薬(命力) 回復アイテム 品質:普〕
売値 50幣(癒1命1)
売値150幣(癒1命2)
売値100幣(癒2命1)
売値150幣(癒3命1)
売値150幣(癒4命1)
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〔気草〕を使ったときに気力が回復する効果が出ていたことから、〔命草〕は命力だろうと予想はついていたが、命力の回復薬になることが確定した。
これまでの結果から、〔命草〕は【製薬】に使うと基礎値1.5で命力1回復が50幣になると予想を立る。
検証もできたので残りは適度にまとめて【製薬】を、と作業を始めたところで、【調薬】が使えないかと思い直す。
〔気草〕1〔癒草〕1で2回だけ【製薬】し、出来上がった粉薬で【調薬】を試みた。
先の失敗から不安に思いながら作業をしたが、うまく作業を進めることができ、売値80幣の〔初級粉薬 回復アイテム(気力) 品質:普〕が出来上がった。
――ほうほう。
調薬は素材じゃなくて薬同士ってことかな?
うまくいったのはいいけど、売値は合計になってるだけか。
減らないなら練度稼ぐために調薬も悪くないね。
どこまで併せられるかわからないけど。
【製薬】と【調薬】を続けたところ、〔癒草〕〔体草〕〔気草〕の【製薬】で〔初級粉薬 回復アイテム 品質:普〕ができ、複数の能力値が回復する場合は補足が付かないのだろうと予想する。
【調薬】は粉薬にする前の素材数が10を超えても、粉薬2つ同士なら問題なく1つにできた。
調合で効果を上げるのはまた何か別のものが必要なのか、それとも使用回数を減らせるだけなのか疑問は浮かぶが、検証できることでもないので保留にする。
ちなみに処理の手順は〔癒草〕〔体草〕〔気草〕〔魔草〕〔命草〕ですべて同様だった。
――次に目指すのは何にするか。
そういえば、倉庫があれば素材・アイテムの保管ができるんだっけ。
今はすぐに消費か売却かしてるけど、いずれは必要だよね。大工で作れるのかな。
……、調薬が薬作る必要あったってことは、大工って木工と伐採がないとログハウスすら作れないんじゃ。
…………大工は50,000幣、木工は10,000幣、伐採は100,000幣?
伐採おかしくない?
絶対おかしいよ。
斧だけじゃないの?
大工も調理の5倍でだいぶ高いのに、その大工の2倍って。
はあ……。
金策頑張るしかないか。
1往復で10は空腹度の回復に使うとしておよそ6,000幣弱。
〔初級大工セット〕まで9往復、〔初級木工セット〕と〔初級伐採セット〕までいれて28往復、と計算し50時間程度なら集中したらそこまででもないかと気合を入れる。
アセンドを挟みつつ、陽が落ちている間は魔術の練度上げ、日が昇ってからは空腹値の回復に【調理】と金策のために【製薬】・【調薬】を続けた。
予想通りではあったが、〔初級大工セット〕に【伐採】するための道具はなく、どうせやるならと〔初級木細工セット〕──50,000幣──も買うことに変更し、着々と目標金額に近づくにつれおかしなテンションになりつつも36往復したところで必要な金額が貯まった。
――やりきった!
やりきったんだよ、ボクは!
やればできるじゃないか!まずは初級伐採セット!
〔初級伐採セット 生産用アイテム 品質:―〕
――お?おお?
伐採用収納?ってなんだろう。
……ほうほうほう!
伐採した木が10本まで入ると!
初級伐採セットで10枠使うから、木が1本で1枠だとしても、伐採するなら邪魔にはならないってことだね。
残りも購入して、と。
〔初級木工セット 生産用アイテム 品質:―〕
〔初級木細工セット 生産用アイテム 品質:―〕
――初級大工セットにも鋸とか鑿とかはあったから、重複はするんだね。
そしてどれにも釘と接着剤はないから、そこは自作しろってことなんだね……。
それに鑢もないね!
ってことは初級研磨セット、……50,000幣か。
ええい、あと9往復くらいやってやる!
さらに9往復して〔初級研磨セット〕まで購入し、鑢があることに安堵する。
道具が揃ったことでどういった建物にするか情報収集のため、アセンドすることにした。